ヒゲを蓄えし戦士たちの軍団、戦場を駆ける!オーストリアの個人開発者が生んだ「時間が溶ける」オートバトラー『ドワーフオートバトル』
「オートバトルなんてスマホゲーと一緒でしょ?」しかし、『ドワーフオートバトル』は違った。4年の歳月をかけて丹精込められたこの作品は、一見シンプルなゲームデザインの奥に、数百時間遊べる底なしの戦略性とビルドの多様性を隠し持っていた。
オーストリアの個人開発者Ichbinhamma氏が手がけた本作は、2023年8月の早期アクセス開始から約2年半を経て、2026年1月22日にSteam、iOS、Android、Nintendo Switchで正式リリースを迎えた。リリース後も快進撃は続き、累計販売本数25万本を突破。Steam版のユーザーレビューは2,000件以上で 84%が好評 という「非常に好評」ステータスを獲得し、正式版リリース直後の82%からさらに評価を伸ばしている。レビューには「気づいたら時間が溶けている」「数百時間プレイしている」という声が散見される、まさに中毒性のあるタイトルだ。
3人のドワーフから始まる、果てしなき戦いの旅

本作のゲームループは実にシンプルだ。プレイヤーは新米指揮官として、貧弱な装備しか持たない3人のドワーフと出会う。彼らを装備で強化し、新たな戦士を雇い入れ、次々と押し寄せるオークの軍団を倒していく。戦闘が終わるたびに3つの選択肢が提示され、次の行動を選ぶ。モンスターと戦ってレベルアップするか、装備を購入するか、新たな戦士を雇用するか──。
だが、このシンプルさこそが罠だった。戦闘はオートで進行するため、プレイヤーがすべきことは戦う前の準備だ。10人までのドワーフ軍団をどう編成するか、誰にどの装備を与えるか、どのフォーメーションを採用するか。この事前準備の段階で、プレイヤーは無限に近い選択肢と向き合うことになる。
本作の最大の特徴は「装備がすべてを決める」という点だ。ドワーフたちは与えられた装備によって、タンクにも魔法使いにもアサシンにもなる。固定された職業はなく、プレイヤーの判断次第でどんな役割も演じられる。序盤は質素な装備で苦戦を強いられるが、戦場から集めたゴールドと経験値で徐々に軍団を強化していく。鍛造システムでアイテムを合成し、倉庫システムで装備を管理し、スキルツリーで能力を解放していく。この積み重ねが、やがて数百体のオークを蹂躙する圧倒的な軍団を生み出す。
装備シナジーこそがすべて!

正式版では、早期アクセス版から大幅な再構築が施された。開発者のIchbinhamma氏は「職業の役割+装備シナジー+バースト感」を軸に据え、どの流派でも完成時に明確な個性と爽快感を発揮できるよう調整したという。
装備は6段階のレアリティ(ノーマル、グッド、レア、エピック、レジェンダリー、ミシック)に分かれており、全24種類のセット装備が用意されている。セット装備を揃えれば特殊ボーナスが発動し、軍団の戦闘力が飛躍的に向上する。さらに、バイオームごとに装備のステータスが変化するため、敵の編成や戦場の環境に応じて装備を使い分ける戦略性が求められる。

フォーメーションも重要な要素だ。ベルセルカーフォーメーションで近接職を強化するか、レンジャーフォーメーションで遠距離攻撃を重視するか、ファランクスフォーメーションで全員の速度を統一するか。最大2つのフォーメーションを同時に発動でき、バフの重ねがけによる爆発的な火力や防御力を実現できる。
プレイヤーたちの間では「ウォープリーストが最強」「いやビーストマスターこそトップDPS」「ファイアメイジが最高」と論争が絶えない。だが、それこそが本作の魅力だ。どのクラスも装備と編成次第で圧倒的な強さを発揮できる。無限のビルドの可能性が、プレイヤーを飽きさせない。
筆者が試した「クルセイド編成」──コミュニティから学んだ最強候補
X(Twitter)や Steam コミュニティを眺めていると、上位プレイヤーの間でいくつかの編成が繰り返し語られていることに気づく。「バーサーカー編成」「プリースト10人ビルド」「グリムニール反射ビルド」……。いずれも強力だが、装備やルーンが揃っていないと機能しない上級者向けのものが多い。
そんな中で、初心者が比較的早い段階から試しやすく、かつ安定して強いと評判なのが 「クルセイド編成(Crusade Formation)」 だ。条件はシンプルで、騎士(Knight)・パラディン・プリースト・ウォープリーストを合計6体以上揃えるだけ。これだけでフォーメーションが発動し、全員の通常攻撃に 重量比例の範囲ダメージ(AoE) が追加される。
筆者が実際に試したのは、フロントに盾とハンマーを持たせた騎士を3体並べ、その後ろにパラディンとウォープリーストを置き、最後列にプリーストを3体固めるという構成だ。残り2枠はウォーリアーかリーパーで火力を足した。
なぜこの構成を選んだか。 騎士の高い耐久でフロントを壁にしつつ、プリーストの回復で消耗を抑え、AoEでじわじわ敵の数を削る「守りながら勝つ」発想だ。ボス戦でも焦らず削り切れる安心感があるし、フォーメーション発動条件が緩いため装備が整わない序盤から形にしやすい。
ただし、改善の余地はある。 AoEダメージが重量依存のため、軽装備の序盤は火力が物足りない。さらにコミュニティでは、バーサーカー編成(2H武器持ち3体以上)と組み合わせた 二重フォーメーションで爆発的な火力を出しているプレイヤーが多く、単一クルセイド構成では中盤以降に限界を感じる場面もあった。
究極的には「グリムニール反射ビルド」(特定のレジェンダリー装備を揃えてダメージ反射でボスを溶かす)が現状の到達点らしいが、そこに至るまでの土台としてクルセイド編成は十分すぎるほど機能した。まずはこれで感覚を掴み、レアリティの高い装備が手に入り次第、特化型に移行するのが現実的なルートだと思う。
個人開発者の4年間が生んだ奇跡

本作を手がけたIchbinhamma氏は、オーストリア在住のフルタイムインディーゲーム開発者だ。ドワーフとカカポ(絶滅危惧種の鳥)をテーマにしたゲームを制作しており、本作は彼の最新プロジェクトである。
開発期間は4年に及び、早期アクセス開始からわずか1ヶ月で35,000本を売り上げるという快挙を成し遂げた。その成功の秘訣は、Redditでの早期公開と配信者たちの支援だった。開発開始から4ヶ月後にWebプレイ可能版を公開し、プレイヤーからのフィードバックを積極的に取り入れた。SplatterCatをはじめとする配信者たちが本作を見つけ、「これは脳に何かをしている。続けたくなる」と評価。その「あともう1ターン」という感覚が、多くのプレイヤーを虜にした。
Ichbinhamma氏は「UI全体の刷新と、元々1つだったカードデッキを3つに分割したこと」が大きな改善だったと語る。プレイヤーからの細かなQoL改善の指摘を実装することで、ゲームの質が劇的に向上したという。開発者としては気づきにくい小さな変更が、プレイ体験を大きく向上させることを実感したそうだ。
永遠の戦いへ──エンドコンテンツの深淵

本作の真の魅力は、エンドコンテンツにある。ルーンサークルと呼ばれる永続的なスキルツリーで、ジェムとルーンポイントを消費して基礎ステータスやアルティメットスキルを強化できる。このシステムがあるため、何度敗北しても次のランが確実に強くなっていく。
しかし、プレイヤーたちが指摘する問題もある。「ジェム集めが長すぎる」「ルーンサークルが高額すぎる」「すべてを解放するには70時間でも足りない」。目標のビルドを完成させるまでに、数十時間の周回が必要になることもある。だが、逆に言えばそれだけ長く遊べるコンテンツが詰まっているということだ。
正式版では最終ボス「フォージデーモン」が追加され、エターナルバトルモードでは無限に続く戦いに挑戦できる。リーダーボードには6,000ウェーブ以上到達したプレイヤーも存在し、コミュニティでは「10人プリーストビルド」「カカポスタッフ9本+ジン1本」といった極限ビルドが共有されている。
敵もウェーブが進むにつれて凶悪になっていく。サンダースタッフを持ったオークが後衛を瞬殺し、ハンマーオークがドワーフを吹き飛ばし、毒ダメージで勝利後も戦士が倒れる。ひとつの判断ミスが軍団の壊滅につながる緊張感が、プレイヤーを画面に釘付けにする。
誰でも楽しめる、でも極めるのは一生かかる

本作の難易度設定は幅広い。イージーモードでゆっくり学びながら進めるもよし、ハードモードで歯ごたえのある挑戦を楽しむもよし、デスモードで極限の緊張感を味わうもよし。コントローラーとSteam Deckにも対応しているため、どこでも気軽にドワーフ軍団を率いることができる。
一方で、極めようとすればするほど奥深さが見えてくる。装備のステータスロール、フォーメーションの組み合わせ、敵の行動パターンの学習、ビルドの最適化。シンプルな見た目に反して、本作は驚くほど戦略的なゲームだ。
Steamのレビューには「70時間プレイしてもまだ全部解放できていない」「数百時間遊んでいる」という声が並ぶ。まさに「時間が溶ける」という表現がぴったりのゲームだ。仕事の合間の息抜きに、と思って起動したら、気づけば数時間が経過している。そんな中毒性が本作にはある。
ヒゲを蓄え、斧を掲げ、栄光のために!
『ドワーフオートバトル』は、一見するとシンプルなオートバトラーに見える。だが、その奥には無限のビルドの可能性と、数百時間遊べる深いゲームプレイが隠されている。個人開発者が4年をかけて磨き上げた本作は、ローグライクRPGとオートバトルの融合という新しい体験を提供してくれる。
装備を整え、軍団を編成し、オークの大軍を蹂躙する。この単純な繰り返しが、なぜこれほど楽しいのか。それは、すべての選択に意味があり、すべての戦いに学びがあり、すべての敗北が次の勝利への糧となるからだ。
モバイル版とNintendo Switch版も配信されているため、どこでもドワーフ軍団を率いることができる。「あともう1ターン」の誘惑に負けて、数百時間を捧げる覚悟があるなら、ぜひこの戦場に足を踏み入れてみてほしい。
ヒゲを蓄え、斧を掲げ、栄光と死と戦利品を求めて──。Rock and Stone!
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基本情報
開発: Hamma Studios (Ichbinhamma)
販売: Sidekick Publishing, Gamersky Games
リリース日: 2026年1月22日(正式版)
早期アクセス開始日: 2023年8月16日
価格: 1,700円(通常価格)/ セール中:約1,100円(35%オフ、〜7/9)
プラットフォーム: PC (Steam), iOS, Android, Nintendo Switch
プレイ人数: 1人
言語: 日本語対応(全22言語対応)
ジャンル: オートバトラー, ローグライク, RPG, ストラテジー Steam評価: 非常に好評(84% – 2,000件以上のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/2205850/_/
公式リンク
公式サイト: https://dwarves.ateo.ch
X (Twitter): https://x.com/KakapoCalypse
Discord:https://discord.com/invite/kwYUam5zfn
YouTube: https://www.youtube.com/@ichbinhamma
- タイトル
- ドワーフオートバトル
- 開発
- Hamma Studios (Ichbinhamma)
- ジャンル
- RPG / アドベンチャー / オートバトル / シングルプレイヤー / ストラテジー / ファンタジー / ローグライク
- 対応
- Steam・Nintendo Switch・モバイル
- 難易度
- 初心者向け
- プレイ時間
- 100時間以上(エンドコンテンツまで含む)
- Steam評価
- 非常に好評 (84%, 2,000件以上)
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