カニになれなかった生き物の逆襲!進化の法則をぶち壊す生態系ローグライト『Everything is Crab』

カニになれなかった生き物の逆襲!進化の法則をぶち壊す生態系ローグライト『Everything is Crab』

更新: 2026年5月14日

「生物はいずれカニに進化する」──これは「カーシナイゼーション(carcinisation)」と呼ばれる、実在する生物学的現象だ。甲殻類でなくても、進化の果てにカニのような体型へと収束していくという、なんとも奇妙な自然の摂理である。

では、カニに「なりたくない」生き物はどうすればいい? 『Everything is Crab』はその反骨心を、まるごとゲームに昇華させた作品だ。

「ダーウィン」として生態系に放り込まれる

本作でプレイヤーが操るのは「ダーウィン」という名の青いアメーバ状の生命体。無限の可能性を秘めたこの存在が、弱肉強食の生態系に放り込まれることから物語は始まる。

ルールはシンプルだ。果物を食べても良い、他の生物を捕食しても良い、逆に逃げ回っても良い。食べてレベルアップし、進化の選択肢を選んでいく。その選択の積み重ねが、プレイヤーだけの唯一無二の生き物を作り上げていくのだ。

1ランはおよそ20分。短いようで、濃密な「生きるか死ぬか」の時間が詰まっている。

125種以上の進化で作る「俺だけの生き物」

本作の核心は、125種を超える進化・特殊化(スペシャライゼーション)の組み合わせにある。

脚を生やしてもいい。翼を生やしてもいい。毒針、毛皮、鱗、鉤爪、触手──「もっと脚を!!!」とばかりに好き放題パーツを増やしていくと、気づけば自分でも何なのかわからない生き物が画面に映っている。それが本作の最大の楽しさだ。

進化には「アクティブ系」と「パッシブ系」があり、どちらを優先するかでプレイスタイルが大きく変わる。獰猛な捕食者を目指すか、俊足の逃げ師になるか、群れを率いるリーダーになるか──同じゲームを遊んでいても、友人の画面にはまったく別の生物が映っている。そんなビルド多様性が、リプレイを無限に誘う。

進化によって見た目もリアルタイムで変化する点も見逃せない。毒の針をつければ針が生え、寒冷適応で毛が生える。自分の進化の履歴が、そのままキャラクターのシルエットとして現れるのだ。さらにGIF形式でエクスポートして共有できる機能まで備わっており、「俺の生き物自慢」が捗ること請け合いだ。

生きた生態系の中で、あなたも「食物連鎖」の一部になる

『Everything is Crab』が他のローグライトと一線を画するのは、マップが単なる背景ではなく「生きている」点にある。

プレイヤーが戦う相手は固定の敵ではない。他の生物も独自の目標と進化段階を持ち、勝手に成長し、勝手に縄張りを広げ、勝手に他の生物を食べている。プレイヤーはその生態系の中にポンと放り込まれ、自分のニッチを探さなければならない。

4種類のバイオームにはそれぞれ異なる気候イベントや地形、植生が存在し、寒い場所では寒冷耐性の進化が有利になる。昼夜サイクルもあり、夜には視界が変化して戦略が変わってくる。地図を探索していくとポイント・オブ・インタレスト(特殊地点)が現れ、一風変わった恩恵を受けることもできる。

「平和主義プレイ」が成立する懐の深さ

本作の特筆すべき点のひとつが、暴力に頼らない「草食プレイ」が完全に成立することだ。

果物や菌類だけを食べ続け、肉食生物から逃げ回りながら生き延びる。ボスに真っ向から挑まず、ひたすら耐えて時間切れを狙う。そうすれば、ボスは諦めて去っていく代わりに、特殊な果実を残してくれる。その果実は、草食ルート専用の進化を解放するのだ。

戦う者も、逃げる者も、どちらにも道がある。そのデザインの誠実さは、ゲームプレイの幅だけでなく、制作陣の哲学的なこだわりを感じさせる。

スウェーデン発、Odd Dreams Digital の「奇妙」への執念

本作を手掛けたのは、スウェーデン・マルメを拠点とする新興スタジオ「Odd Dreams Digital」だ。スタジオのモットーは「Find the odd(奇妙さを見つけよ)」──どんなジャンル、どんな公式にも、ほんの少しの「奇妙さ」を加えようという開発哲学である。

経験豊富なインディー開発者たちが集結した本作はスタジオのデビュー作。パブリッシャーに「Secret Mode」を迎え、念入りに育て上げられた。リリース直後から好評が相次ぎ、2日間で10万人以上のプレイヤーを獲得。Steamピーク同時接続は16,000人を超え、レビュースコアは発売時点で87%(非常に好評)を記録している。

「完璧なゲームだと思う」(10/10 – DigitalChumps)、「どこまでも馬鹿げていて、自分がどんな生き物になるかを見るのが毎回楽しい」(8/10 – TheSixthAxis)──海外メディアの評価も軒並み高い。

死んでも死んでも、次の「俺」はもっと強くなる

本作にはメタ進行システムが搭載されており、ランが終わるたびにコーデックスが更新され、新たな進化やチャレンジシナリオが解放されていく。

チャレンジシナリオでは「全砂漠マップ」「一部の進化がランダムで決まる」といった特殊ルールが課され、慣れたプレイヤーをさらに追い込む。エンドレスモードもあり、タイマーを外して「どこまで生き続けられるか」を試すことも可能だ。

ゲームは1ランが短いが、「もう1回」と手が止まらなくなる中毒性がある。それはきっと、毎回まったく違う生き物を産み出せる自由度と、生態系の中で自分の居場所を探すあの感覚のせいだと思う。

基本情報

開発: Odd Dreams Digital

販売: Secret Mode Limited

リリース日: 2026年5月8日

価格: 1,200円※リリース記念10%割引あり

プラットフォーム: PC(Steam・Epic Games Store)/ Steam Deck 対応(Verified)

プレイ人数: 1人

言語: 英語(他多言語対応、日本語は非対応)

ジャンル: アクションローグライト / 進化シミュレーション Steam評価: 非常に好評(87% – 1,213件のレビュー)


購入リンク

Steam: https://store.steampowered.com/app/3526710/Everything_is_Crab_The_Animal_Evolution_Roguelite/

Epic Games Store:https://store.epicgames.com/p/everything-is-crab-08aaf7


公式リンク

開発元公式サイト: http://odddreamsdigital.com/

パブリッシャー公式サイト: https://wearesecretmode.com/

X (Twitter): https://x.com/OddDreams_D

Discord: https://discord.gg/f88yKJM5Kr

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