
モンスターに追われ、腹を空かせ、寒さに震えながら夜を乗り越える。そういったゲームを何本もインストールしては、疲弊して積みゲーにした経験がある。そんな筆者が『Solarpunk ソーラーパンク:天空の島』のトレイラーを見たとき、思わず目を疑った。空に浮かぶ島々、太陽光パネル、飛行船、動物たちとの共存……これは本当にサバイバルゲームなのか?

そして答えはこうだ。「サバイバルゲームだ。ただし、戦闘は一切ない」。
戦わなくていい空の世界へようこそ

本作の舞台は、高度に発展した文明が空へと移住した浮遊島世界だ。地上を捨てて天空へ昇った人類は、自然エネルギーを活用しながら島々で暮らしている。プレイヤーはその世界の住民として、自分だけの島を開拓していく。
最大の特徴は戦闘要素がまったく存在しないこと。サバイバルゲームの定番である「モンスターとの戦い」や「敵対プレイヤーへの警戒」が一切なく、プレイヤーを脅かす要素は空腹、喉の渇き、天候のみだ。嵐が来れば濡れるし、食料が切れれば弱る。それだけだ。これが想像以上に心地よい。ゲームを終わらせてもベッドに入った後に「あの資源が足りない」と焦らなくていい。純粋に「次は何を作ろうか」と想像しながら眠れる。
太陽光と風で動く、自動化の島

本作の核となるシステムが「自然エネルギーマネジメント」だ。島に設置した太陽光パネルや風力タービン、水力発電機で電力を生み出し、バッテリーに蓄電しながら設備を動かす。天候がリアルタイムで変化するため、曇りの日には太陽光が弱まり、強風の日には風力発電が活躍する。
この電力を使って何をするのか。答えは「自動化」だ。輸送ドローンに命令を出せば、遠くの島から資源を自動収集してくれる。農場の水やりを自動化すれば、プレイヤーは別の島の探索や建築に集中できる。最初こそ手動で資源を集める地道な作業が続くが、自動化が軌道に乗った瞬間、島が生き物のように動き始める感覚は格別だ。

筆者が特に気に入ったのは、この電力管理システムに「正解がない」点だ。太陽光を重点的に整備する人もいれば、風力タービンの林立する島を作る人もいる。自分の気分や島の地形に合わせて自由に設計できる。
飛行船で地平線の向こうへ

資源収集と拠点建設に慣れてくると、飛行船の建造に挑戦できる。本作の世界は複数の浮遊島が点在しており、飛行船がなければ遠くの島へアクセスできない。自分で素材を集めて飛行船を組み上げ、初めて離陸した瞬間の開放感は格別だ。
世界はランダム生成ではなく手作りで設計されており、各島に固有の景観と資源がある。ある島には珍しい鉱石が眠り、別の島には熱帯の植物が育っている。マルチプレイ(最大4人)では各プレイヤーが自分の飛行船を持つため、それぞれが別の島を同時探索することも可能だ。
ただし、プラットフォーム間のクロスプレイには現時点で対応していない。フレンドと遊ぶ場合は同じプラットフォームを使用する必要がある点は注意したい。
動物たちとの共存が作り出す温かさ

本作には動物との「共存」という概念がある。例えばブタを丁寧に世話すれば、自らトリュフを掘り起こして持ってきてくれる。搾取ではなく、関係を築くことで恩恵を得るデザインだ。作物の栽培も同様で、種を蒔き、水をやり、収穫する。それだけなのだが、空に浮かぶ農場で太陽を浴びながら作物を育てる光景には、独特の穏やかさがある。
デザインコンセプトである「ソーラーパンク」――技術と自然の調和を追求する思想――がゲームプレイの隅々まで染み込んでいる。これは設定だけでなく、プレイ体験そのものに反映されているのが本作の誠実さだ。
誠実に言うなら、もう少し欲しいところも
良い点を語ったので、正直な評価も添えておこう。現時点のSteamレビューは77%ポジティブ(約1,057件)と「概ねポジティブ」の評価だ。批判として多いのは、飛行船移動の単調さ、資源収集の繰り返し感、そしてNPCとのインタラクションの薄さといった点だ。

メインコンテンツのプレイ時間はおよそ20時間。その後はサンドボックス的な自由建築や農場運営が中心になる。「もっとクエストやストーリーが欲しかった」という声は理解できる。
また、在庫管理UIへの不満もレビューで散見された。開発のCyberwaveは積極的にフィードバックを取り込んでいると公言しており、リリース直後から迅速なパッチ対応を続けている。たった2人のチームがここまで作り上げたことを考えると、今後の成長に期待したくなる。
たった2人が4年かけて作った奇跡

開発元のCyberwaveはドイツの2人組スタジオだ。本作は2023年のKickstarterで6,000人以上の支援者から30万ユーロ以上を集め、約4年の開発期間を経てリリースされた。Steamウィッシュリストは100万件を突破しており、インディースタジオとしては異例の注目度だ。
実は同スタジオは2025年初頭に「A Game About Digging a Hole」という短期間で作ったゲームをリリースし、1週間で25万本を売り上げた実績もある。その開発力と、Solarpunkへの4年間の執念が合わさった作品だ。
コンソール版(PS5、Xbox Series X/S、Nintendo Switch 2)も同日発売されており、Xbox Game Passにも初日から収録されている。価格は2,898円(Steam)で、日本語にも対応済みだ。
空に浮かぶ島で、誰かに追われることなく、ただ農場を育て、飛行船を飛ばし、自動化の仕組みを組み上げていく。それだけなのに、なぜかログインのたびに「今日は何を作ろう」とワクワクしている自分がいる。疲れた日に遊ぶゲームを探しているなら、ぜひ空の上のスローライフを体験してほしい。
基本情報
開発: Cyberwave(ドイツ)
販売: rokaplay GmbH / Metaroot
リリース日: 2026年6月8日
価格: 2,898円(Steam)
プラットフォーム: Windows(Steam・Epic Games Store・GOG)/ PlayStation 5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch 2
プレイ人数: 1〜4人(オンライン協力プレイ)
言語: 日本語対応(他英語・ドイツ語・フランス語など13言語以上)
ジャンル: オープンワールドサバイバルクラフト / コージー / 建設 / 農業シミュレーション
Steam評価: 概ねポジティブ(77% – 1,057件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/1805110/Solarpunk/
公式リンク
公式サイト: https://www.rokaplay.com/solarpunk
X (Twitter):https://x.com/Solarpunk_Game
Discord: https://discord.gg/8wPsjDxTyQ


