利用規約に同意……させてくれ!100種類の理不尽な同意画面を突破せよ『利用規約に同意したい』

利用規約に同意……させてくれ!100種類の理不尽な同意画面を突破せよ『利用規約に同意したい』

更新: 2026年3月31日

「利用規約に同意する」——誰もが何度も経験してきた、あの退屈な儀式。

スクロールして、チェックボックスにチェックを入れて、「同意する」ボタンを押すだけ。そう、たったそれだけのはずだった。

しかし『利用規約に同意したい』は、この当たり前の行為を前代未聞の苦行に変えてしまった。開発者・べすとまん氏が放つこの問題作は、Steam上で2025年12月5日にリリースされ、わずか数日で”やや好評”(総合レビュー710件)という評価を獲得。その奇抜なコンセプトと理不尽極まりないゲームデザインが、多くのプレイヤーを笑わせ、そして苦しめている。

同意するだけなのに、なぜこんなに難しい!?

本作の目的は極めてシンプル。横スクロールアクションゲーム「ドキドキアクションゲーム」をプレイするために、全12項目の利用規約に同意する——ただそれだけだ。

しかし、この「同意」への道のりが想像を絶する。

開発者の説明によれば、利用規約の同意画面は「コンピューターによる自動操作を防ぐため、さまざまな趣向を凝らした仕様」になっているとのこと。つまり、BOT対策という名目で、プレイヤーに理不尽な試練が課されるのだ。

実際にプレイしてみると、その「趣向」の幅広さに驚かされる。「同意する」ボタンが逃げ回る、複数のウィンドウが次々と開いて邪魔をする、突然ブロック崩しが始まる、クレーンゲームで「同意」ボタンを掴まなければならない——100種類を超える多彩な利用規約画面が用意されており、その全てがプレイヤーの同意を阻もうとしてくる。

反射神経が試されるもの、パズル的思考が必要なもの、アクションセンスが問われるもの、どこかで見たことのある広告ゲーム風のもの……バリエーションは本当に豊かで、次にどんな画面が出てくるのか予測がつかない。そして最大の鬼畜仕様は、途中で「同意しない」を押したり、タイムアウトしたりすると最初からやり直しという点だ。

ふんだんに盛り込まれたネットミーム文化

ゲーム内にはネットミーム要素が散りばめられており、プレイヤーはあちこちでクスリと笑わされる仕掛けに遭遇する。

開発者・べすとまん氏は、9歳の頃からゲームを作り続けているという筋金入りのゲームクリエイター。現在はゲーム会社でプランナー、エフェクトデザイナー、アニメーターなどを担当しつつ、趣味で個人開発も行っている。過去には『箱庭パズル』や『時をかけるギャル』といった作品もリリースしており、本作はその最新作だ。

本当に実装された「ドキドキアクションゲーム」

さて、散々苦労して12項目すべてに同意できたプレイヤーを待っているのは、本来の目的だった「ドキドキアクションゲーム」だ。

これは走って跳んでゴールを目指すシンプルな横スクロールアクション。しかし、ここにも開発者の遊び心が光る。なんと本作には、利用規約への同意開始からゲームクリアまでのタイムを競うランキング機能が搭載されているのだ。

実はこれ、単なる仕様ではなく、れっきとした「不具合の放置」だという。公式の説明によれば、「タイトル画面から利用規約の確認ポップアップを開いた際、利用規約に同意する前にタイマーが開始してしまう不具合が発生しております。本不具合については修正するのがめんどくさいので、そのまま放置する方針となります」とのこと。

この開き直りっぷりが実に潔い。バグすらも仕様として取り込んでしまう柔軟さは、インディーゲームならではの魅力だろう。

配信者キラーとしての才能

『利用規約に同意したい』は、まさに配信者向けゲームとしての素質を持っている。

理不尽なギミックに翻弄されるプレイヤーの反応、予測不可能な同意画面の連続、そして何度も最初からやり直しになる絶望感——これらすべてが、視聴者にとって最高のエンターテインメントになる。

実際、多くの配信者がこのゲームに挑戦し、視聴者と一緒に笑い、苦しんでいる様子がXやYouTubeで確認できる。特に、忍耐力を試されるゲーム性は、配信のネタとして非常に優秀だ。

ただし、プレイヤーによっては反射神経を一発勝負で試される画面がキツいという声もある。とはいえ、本作にはカジュアルモードも搭載されているため、アクションが苦手な人でも気軽に楽しめるよう配慮されている。

Steam評価と価格設定

本稿執筆時点で、本作のSteam評価はやや好評(約74%の好評価)。710件のレビューが投稿されており、短期間でこれだけの反響があるのは印象的だ。

価格は通常580円(税込)と非常にリーズナブル。ワンコインで100種類以上のミニゲームと横スクロールアクションが楽しめると考えれば、コストパフォーマンスは抜群と言える。

ちなみに、本作にはユニークな注意書きがある。「このゲーム内の利用規約は演出目的のフィクションです。実際の法律上の効力は一切ありません。」——当たり前といえば当たり前だが、こういった細かい配慮も好感が持てる。

誰もが体験した「あの面倒」をゲームに

私たちは日常生活で何度も利用規約に同意してきた。アプリをインストールするとき、サービスに登録するとき、ソフトウェアをアップデートするとき——その度に、長々とした文章をろくに読まずにスクロールし、「同意する」ボタンを押してきた。

『利用規約に同意したい』は、そんな退屈で形式的な行為を痛快なエンターテインメントに変えた。同意することがこんなにも困難で、こんなにも笑えて、こんなにも理不尽だとは——誰が想像しただろう。

もしあなたが、ちょっと変わったゲームを探しているなら、ネットミーム文化が好きなら、あるいは配信ネタを探している配信者なら、本作は間違いなくオススメだ。

ただし、覚悟しておいてほしい。あなたは何度も最初からやり直すことになるだろう。そして何度も、心の底から叫ぶことになるだろう。

「頼むから……同意させてくれ!!!」


基本情報

開発: べすとまん
販売: べすとまん
リリース日: 2025年12月5日
価格: 580円(税込)
プラットフォーム: PC(Steam)
プレイ人数: 1人
言語: 日本語、英語
ジャンル: アクション、カジュアル、パズル、コメディ
Steam評価: やや好評(74% – 710件のレビュー)


購入リンク

Steam: https://store.steampowered.com/app/3757210/_/?queue=1


公式リンク

公式サイト: https://sites.google.com/view/vestman-lab/home/Agreeee
X (Twitter): @vestman_creator
配信ガイドライン: 公式サイトに記載

他の最新記事を見る

「Minecraftのクローン」? いや、これは悪夢のシミュレーターだ――『Lucid Blocks』が描く、夢と虚無の境界線

「Minecraftのクローン」? いや、これは悪夢のシミュレーターだ――『Lucid Blocks』が描く、夢と虚無の境界線

「またMinecraftのパクリゲーか」。そう思った瞬間、筆者は間違っていた。 2026年3月12日、MITの学生エリック・アルファロ(開発者名:Lucy B. Locks)がSteamにリリースした『Lucid Blo

90年代の名作がここに甦る!『Craftlings』が示すパズル×戦略の新境地

90年代の名作がここに甦る!『Craftlings』が示すパズル×戦略の新境地

「自分で操作できたら、どんなに楽だろう」 プレイ中、何度そう呟いたかわからない。でも、思い通りに動かない小さな生き物たちが、僕の作った「仕組み」の上で完璧に機能し始めた瞬間、そのもどかしさは極上の快感へと変わるんだ。 2