
ショットガンでロシアンルーレット!正気じゃないぞ。
地下ナイトクラブの奥で行われる命懸けのギャンブル。相手は正体不明の「ディーラー」で、武器は12ゲージのショットガン。PC(Steam)向けゲーム『Buckshot Roulette』は、従来のロシアンルーレットを革命的に再構築した心理戦ホラーだ。
Steamストアページで初めて見たときは「またバイオレンス系のゲームか」と思っていた。しかし実際にプレイしてみると、これはただのホラーゲームではない。運と戦略が絶妙に絡み合う、極限の心理戦が待っていた。

なにこれ、心臓がもたない……
ゲームが始まると、薄暗い地下クラブの一室で巨大な口を持つ不気味なディーラーと対峙することになる。ルールは単純だ。ショットガンには実弾と空弾がランダムに装填され、自分か相手のどちらかを撃つ。空弾で自分を撃てばもう1ターン、実弾なら相手のターンに移る。3ラウンド制で、相手のライフをゼロにすれば勝利だ。
「なんだ簡単じゃん」と思ったのも束の間。実際にプレイしてみると、この単純なルールの奥深さに驚愕した。

最初のラウンドこそ運任せだが、2ラウンド目からは様々なアイテムが配布される。虫眼鏡で次の弾を確認できたり、のこぎりでダメージを倍増できたり、ビール缶で弾を排出できたりと、戦略の幅が一気に広がる。
特に興味深いのが「携帯電話」というアイテム。使用すると、ショットガン内のランダムな弾の種類と位置を教えてくれる。「4番目の弾は実弾」という情報を元に、相手の行動を予測し、自分の戦略を立てる必要がある。

ディーラーのAIが恐ろしく賢い(そして時々バカ)
このゲームで最も印象的なのは、ディーラーのAIだ。基本的にはかなり賢く、確実に勝てる状況では容赦なく攻撃してくる。虫眼鏡で弾を確認してから確実に実弾で撃ってきたり、のこぎりでダメージを倍増してから攻撃してきたりと、油断していると一瞬で形勢が逆転する。
しかし面白いことに、このAIは完全に確率計算をしているわけではない。実弾が3発、空弾が2発残っていても、平気で自分に向けて撃つことがある。この「人間らしい不完璧さ」が、逆にゲームを面白くしている。完璧すぎるAIだと勝ち目がなくなるが、時々のミスがプレイヤーに希望を与えてくれる。

緊張感がハンパじゃない
最も印象的だったのは、最終ラウンドの「サドンデス」モード。通常は除細動器でライフを回復できるのだが、最終ラウンドでは一度死んだら本当にゲームオーバーだ。手錠でディーラーの行動を封じたり、アドレナリンで相手のアイテムを奪ったりと、あらゆる手段を駆使して勝利を目指す。
実弾が1発しか残っていない状況で、ディーラーがのこぎりを使ってダメージを倍増させた瞬間の絶望感は筆舌に尽くしがたい。しかも相手は虫眼鏡も持っている。「詰んだ……」と思った瞬間、ディーラーが何を思ったか自分に向けて撃ち、空弾だった時の安堵感ときたら……。

短時間で濃密な体験
1プレイは15~20分程度と短いが、その短時間に凝縮された緊張感は他のゲームでは味わえない。クリア後に解放される「ダブル・オア・ナッシング」モードでは、連勝すればするほど賞金が倍増していくが、一度でも負ければすべてを失う。まさにギャンブルの醍醐味だ。
また、最大4人でプレイできるマルチプレイヤーモードも実装されており、友人同士での心理戦を楽しめる。フレンドと一緒にプレイすれば、きっと友情に亀裂が入ること間違いなしだ(いい意味で)。

工業的な雰囲気が恐怖を演出
ビジュアル面では、暗い地下クラブの工業的な雰囲気が印象的だ。錆びた金属、薄暗い照明、そして絶え間なく鳴り響くテクノミュージック。これらすべてが、命を賭けたギャンブルという異常な状況を演出している。
開発者のMike Klubnika氏が作曲したサウントラックも秀逸で、緊張感を高めるインダストリアルなビートが、プレイヤーの心拍数を確実に上げてくる。

Steam Deckでも快適プレイ
Steam Deckでのプレイも問題なく、通勤中や寝る前の短時間プレイに最適だ。バッテリー消費は若干多めだが、1プレイが短いため実用上は問題ない。
操作はD-padでの選択が基本となるため、Steam Deckのコントロールとも相性が良い。ただし、慣れるまではジョイスティックを使いたくなってしまうかもしれない。

400万本売れた理由がわかる
『Buckshot Roulette』は、2023年12月のitch.io版リリース以来、TwitchやTikTokで爆発的な人気を博し、Steam版は発売2週間で100万本を突破。現在までに400万本以上を売り上げている。
この成功の理由は明確だ。シンプルなルール、短時間プレイ、そして極限の緊張感。さらに配信映えする要素も多く、視聴者と一緒に楽しめる作りになっている。
Steam評価も96%と圧倒的に好評で、「中毒性がやばい」「友達と一緒にプレイしたら修羅場になった」といったレビューが並んでいる。

基本情報
タイトル: Buckshot Roulette
開発: Mike Klubnika
パブリッシャー: CRITICAL REFLEX
配信日: 2024年4月4日(Steam版)
定価: 350円(Steam)
プラットフォーム: PC(Steam)、itch.io
プレイ人数: 1人(シングルプレイ)、最大4人(マルチプレイ)
プレイ時間: 15-20分/1プレイ
日本語: 対応
Steam評価: 圧倒的に好評(96%)
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