完全無料なのにここまでできるの!? ソロ開発者が贈る物理演算カオスCoopゲーム『Delivery &Beyond』

完全無料なのにここまでできるの!? ソロ開発者が贈る物理演算カオスCoopゲーム『Delivery &Beyond』

更新: 2026年3月5日

「無料のインディーゲームって実際そんなに遊べるの?」しかし、『Delivery & Beyond』は違った。ソロ開発者FailCakeが完全無料でリリースしたこのゲームは、リリースからわずか数日でSteamレビュー89%という驚異的な評価を獲得。TikTokやRedditでバズったその理由を、実際にプレイして確かめてみた。

配達?いいえ、カオスです

本作は最大5人でプレイできるオンライン協力ゲームで、プレイヤーは怪しい配達会社「&Beyond」の社員となる。会社からの指示は明確だ。「契約を取れ。配達しろ。ノルマを達成しろ」。しかし、肝心の「どうやって」については一切説明がない。

ゲームが始まると、プレイヤーはオープンワールドマップ上に配置された様々な建物に侵入し、家具や電化製品などをかき集めて「Delivery Maker 3000」という謎のマシンに投げ込む。すると、集めたガラクタが配達用パッケージに変換され、それを指定された場所に届ければミッション完了というわけだ。

問題は、そのプロセスが想像以上にカオスだということ。建物への正規の入り口なんて使わない。窓をぶち破り、壁を突き破り、時には屋根から侵入する。椅子を投げ、机を破壊し、パソコンを粉々にする。そして警察が来る前に逃げ出す。これはもはや配達ではなく、強盗だ。

プロップサーフィンこそがすべて!

本作の最大の特徴は「プロップサーフィン」と呼ばれる移動システムだ。これは、ゲーム内のあらゆる物体に乗って移動できる物理演算ベースのメカニクスで、ファイルキャビネット、樽、オフィスチェア、果てはドラム缶まで、立てる物なら何でも乗り物になる。

実際の操作は単純だ。物体を掴み、その上に立ち、そのまま投げる。すると物体が飛んでいく方向にプレイヤーも一緒に飛ばされる。これを使えば、橋のない深い谷を越えたり、高い壁を乗り越えたり、時には建物の屋上まで一気に到達できる。

問題は、物理演算が予測不可能だということ。椅子に乗って華麗に谷を飛び越えたと思ったら、着地に失敗して奈落の底へ真っ逆さま。仲間が投げた机に轢かれて即死。自分が投げたドラム缶が跳ね返って自爆。マルチプレイでは、こうした予期せぬ事故が笑いを誘う。

Garry’s Modのような物理サンドボックスの自由度と、Lethal Companyのような協力プレイの緊張感が見事に融合している。Reddit上では「友達と遊んだら3時間があっという間だった」「無料ゲームとは思えないクオリティ」といったコメントが溢れている。

吸引、破壊、そして配達

各プレイヤーは特殊な掃除機のようなツールを装備しており、これであらゆる物体を吸い込める。小さなゴミ箱から巨大な冷蔵庫まで、サイズは関係ない。すべて吸い込んで、スクラップに変換し、Delivery Maker 3000に投入する。

ゲームの基本ループはシンプルだ。契約を受ける → 建物に侵入 → スクラップを集める → 配達用パッケージを作成 → 脱出 → ノルマ達成。しかし、各ステージには時間制限があり、さらに様々な敵や罠が待ち構えている。

敵の種類も多彩で、警備員、自動砲台、謎の生物など、ステージごとに異なる脅威が登場する。これらから逃げながら、仲間と協力してスクラップを集め、制限時間内に脱出する。一見単純だが、プロップサーフィンによる予測不可能な動きが加わることで、毎回異なる展開が生まれる。

ソロ開発者の情熱が生んだ奇跡

『Delivery & Beyond』の開発者はFailCakeという名のソロインディー開発者だ。GitHubのプロフィールには「ただのクレイジーな開発者」とだけ書かれており、本作以外にもUnity向けのツールやゲームエンジンの開発を手掛けている技術者だ。

実は本作、2022年のGitHub Game Jamで初めてプロトタイプが公開されており、約3年の開発期間を経て2026年1月27日に正式リリースされた。開発者自身が「ソロ開発だからできることには限界がある」とコミュニティに投稿しているが、その限界を感じさせない完成度に多くのプレイヤーが驚いている。

特筆すべきは、本作が完全無料で提供されており、マイクロトランザクションや広告も一切ないという点だ。開発者はBlueskyで「自分のおかしなハイエナゲームをプレイしてくれてありがとう。本当にモチベーションになる」と感謝のメッセージを投稿。コミュニティの応援を受けて、今後もコンテンツ追加とバグ修正を続けていく予定だという。

Steam史上最高の無料ゲーム体験

本作は2026年2月初旬にバズり、ScreenRantが「Steamの新作無料ゲームが高評価すぎて信じられない」という見出しで記事を掲載したことで一気に注目を集めた。発売から1ヶ月で600件以上のレビューを集め、その89%が好評という数字は、無料ゲームとしては異例の高評価だ。

ゲームの長所は明確だ。完全無料、友達と最大5人で遊べる、物理演算によるカオスな展開、プレイごとに異なる体験、そして何よりソロ開発者の情熱。一方で短所もある。日本語非対応、チュートリアルが不親切、時々発生するバグ、そしてあまりに自由すぎて何をすればいいか分からなくなることがある。

しかし、それでも本作は「友達を誘ってとりあえず遊んでみる」価値が十分にある。無料なので試すリスクはゼロ。週末の数時間を仲間と笑いながら過ごすには完璧なゲームだ。

Lethal CompanyやR.E.P.O.が好きな人、物理演算ゲームが好きな人、とにかくカオスな協力プレイを楽しみたい人にオススメしたい。『Delivery & Beyond』は現在Steamで無料配信中。ダウンロードすれば永久に遊べるので、この機会を逃す手はない。

基本情報

開発: FailCake
販売: FailCake
リリース日: 2026年1月27日
価格: 無料
プラットフォーム: Steam (Windows, Mac, Linux)
プレイ人数: 1-5人(最大15人まで可能)
言語: 英語のみ
ジャンル: 協力プレイ / 物理演算 / カオス / アクション
Steam評価: 非常に好評(89% – 602件のレビュー)

購入リンク

Steam

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