学園で悪魔退治は想像以上にハード!『Demonschool』は移動=攻撃の革新的タクティクスRPG。ペルソナ×女神転生な90年代ノスタルジーに浸れ

学園で悪魔退治は想像以上にハード!『Demonschool』は移動=攻撃の革新的タクティクスRPG。ペルソナ×女神転生な90年代ノスタルジーに浸れ

更新: 2025年12月3日

ペルソナ風のゲームって聞いてたのに……全然違うじゃん!

Steam Next Festで配信されたデモ版が話題を呼び、当初の発売予定から延期を経て2025年11月19日にようやくリリースされた『Demonschool』。見下ろし型のアイソメトリック視点、大学を舞台にした学園生活、悪魔との戦い……確かにこれらの要素だけ見れば「現代版ペルソナ」という触れ込みも納得できる。

が、実際にプレイしてみると印象は大きく変わった。本作は確かにペルソナやShin Megami Tenseiシリーズからインスピレーションを受けているが、その戦闘システムは全く別物。むしろ「移動=攻撃」という革新的なシステムを採用したタクティクスRPGであり、パズルゲームとしての側面すら持ち合わせている。

「ペルソナっぽいゲームかぁ」なんて軽い気持ちで始めた筆者は、独特すぎる戦闘システムに最初こそ戸惑ったものの……気が付けば55時間もプレイしてしまっていた。

移動するだけで攻撃!? 常識を覆す戦闘システムの衝撃

本作の最大の特徴は、なんといっても「移動=攻撃」という斬新な戦闘システムだ。

通常のタクティクスRPGでは、移動→攻撃という2つのアクションを順番に行うのが一般的。しかし『Demonschool』では、キャラクターをグリッド上で移動させると、その移動先に敵がいれば自動的に攻撃が発動する。つまり「移動すること」それ自体が攻撃手段になっているのだ。

最初は「え? これだけ?」と思った。確かに操作は極めてシンプル。マス目を選んでクリックするだけで移動と攻撃が同時に完了する。だが、実際にプレイしてみると……これが想像以上に奥深い。

本作の戦闘は「計画フェーズ」と「アクションフェーズ」の2段階に分かれている。計画フェーズでは、8つのアクションポイント(AP)を使って最大4人のパーティメンバーの行動を自由に設定できる。重要なのは、同じキャラクターを連続で動かすほどAPの消費量が増えていく点だ。

1回目の行動は1AP、2回目は2AP、3回目は3AP……という具合に、どんどんコストが上がっていく。つまり、特定のキャラクターだけを使い続けるのは非効率。全員をバランスよく動かして、8APを最大限に活用する必要がある。

さらに面白いのが、計画フェーズ中は何度でも行動を巻き戻せる点だ。「あ、この動きだと囲まれちゃうな」と思ったら即座にやり直し、別の戦略を試せる。この試行錯誤の過程が、まるでパズルを解いているような感覚を生み出している。

最適な動きを見つけ出し、アクションフェーズで一気に実行する瞬間の爽快感たるや……! 計画通りに敵を次々となぎ倒していく様は、まるで自分が天才軍師になったかのような全能感に浸れる。

個性豊かすぎるキャラクターたちの連携が鍵

主人公のフェイは、デーモンハンターの末裔として謎の島・ヘムスクにある大学に入学する。そこで出会うのは、個性的すぎる15人の仲間たち。

各キャラクターは固有の攻撃パターンを持っている。フェイは敵をノックバックさせ、ナマコは敵を自分の背後に移動させながらデバフを付与する。この特性を活かして、敵を一列に並べてから一気に倒す……なんてコンボが決まったときの気持ちよさは格別だ。

戦闘では最大4人のパーティを編成できるが、誰を選ぶかで戦略が大きく変わる。近接攻撃に特化したキャラ、遠距離から支援できるキャラ、状態異常を撒き散らすキャラ……組み合わせは無限大。筆者は試行錯誤の末、ナマコとデスティンの連携プレイに落ち着いたが、人によってベストな組み合わせは全然違うはずだ。

ちなみに、本作には従来のRPGのような「ステータス強化」の概念がほぼ存在しない。全キャラクターのHPは驚くほど低く設定されており、レベルアップによる能力上昇も控えめ。勝利の鍵は「正しい配置」と「適切なスキルの選択」に尽きる。

この思い切った簡略化により、本作は「誰でも気軽に始められるタクティクスRPG」として完成している。ステータスの数値を細かく気にする必要がなく、純粋に戦術を練ることに集中できるのは素晴らしい設計だ。

学園生活は思ったよりカジュアル

ペルソナシリーズといえば、時間管理とスケジュール調整が重要な要素だが、『Demonschool』は大きく異なるアプローチを取っている。

本作では、メインストーリーを進めると自動的に時間が経過し、朝・昼・夜とフェーズが切り替わる。プレイヤーは島のさまざまな場所を自由に探索でき、NPCとの会話やサイドクエストをこなすことで仲間との親密度を上げられる。

ただし、ペルソナのような「限られた時間でどう過ごすか」という緊張感はほぼない。好きなタイミングで好きな場所に行けるし、特定のイベントを見逃したからといって取り返しがつかなくなることもない。この点は賛否が分かれるところだろう。

個人的には、この緩さが逆に心地よかった。戦闘での緊張感が高い分、探索パートではリラックスして島を散策できる。住民との会話からは島の謎が少しずつ明かされ、記憶喪失の住人や不可解な現象の正体が気になって仕方なくなる。

ちなみに、本作では最大5人のキャラクターとロマンス関係になれる。筆者は4人の女性キャラと同時進行したが……誰も怒らなかった。むしろ全員が筆者(フェイ)に優しかった。これが大学生活……?

90年代風ビジュアルが醸し出す独特の雰囲気

『Demonschool』の見た目も独特だ。2Dスプライトと3D環境を組み合わせたビジュアルは、どこかセガサターン時代のゲームを彷彿とさせる。

特に戦闘シーンでの演出は圧巻。世界がグニャリと歪み、日常空間から戦闘フィールドへと切り替わる瞬間のビジュアルは何度見ても飽きない。敵のグロテスクなデザインも印象的で、頭蓋骨がパカッと割れて脳みそが飛び出すボスなんかは、レトロな表現だからこそ逆に生々しさを感じる。

サウンドトラックも素晴らしい。ジャズからファンク、オーケストラまで多彩な楽曲が用意されており、戦闘中は曲がダイナミックに変化する。特に計画フェーズから行動フェーズに移る瞬間、BGMのテンポが一気に上がる演出が最高にアガる。

Steam Deck OLEDでプレイしたが、この鮮やかな色彩はOLED画面で映えること間違いなし。11ワットという低消費電力で約5時間もバッテリーが持つため、寝っ転がりながらじっくり戦略を練るのに最適だった。

タクティクスRPGの入口に

技術的な問題やストーリーの粗はあるものの、『Demonschool』は間違いなく唯一無二のタクティクスRPGだ。

「移動=攻撃」という革新的なシステムは、ジャンルに新風を吹き込んでいる。ペルソナやShin Megami Tenseiのファンが期待するような深い社会シミュレーション要素はないが、代わりに誰でも楽しめる戦術パズルとしての完成度を手に入れている。

Steam評価94%(500件以上)、Metacritic 75点という評価は妥当だろう。万人受けするゲームではないが、刺さる人には徹底的に刺さる作品だ。

特にタクティクスRPG初心者にこそオススメしたい。難解なステータス管理や複雑なスキルツリーに悩まされることなく、純粋に戦術を考える楽しさを味わえる。Steam Deckでも快適に遊べるため、通勤通学のお供にも最適だ。

価格は3,520円(10%オフ期間中、3,168円)。プレイ時間は50~60時間が目安で、複数のエンディングを見るにはさらに時間が必要だ。コストパフォーマンスは申し分ない。

90年代ノスタルジーと現代的なゲームデザインが融合した異色のタクティクスRPG『Demonschool』。ペルソナを期待して買うと肩透かしを喰らうが、オープンマインドで挑めば想像以上の体験が待っている。

学園で悪魔退治、始めてみませんか?


基本情報

タイトル: Demonschool
開発: Necrosoft Games
パブリッシャー: Ysbryd Games
プラットフォーム: Steam, PlayStation 4, PlayStation 5, Xbox One, Xbox Series X/S, Nintendo Switch
リリース日: 2025年11月19日
価格: 3,520円
プレイ時間: 50〜60時間(メインストーリー)
難易度: 初心者〜中級者向け
Steam評価: 非常に好評 (94%)
日本語対応: ○

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