「バカ」になるかもしれない恐怖。人狼×カジュアルの新定番『Feign』で友情が試される

「バカ」になるかもしれない恐怖。人狼×カジュアルの新定番『Feign』で友情が試される

更新: 2025年11月26日

おバカ人狼って何……?

Steamのストアページで初めて『Feign』を見たとき、まず目に飛び込んできたのは「おバカ人狼」というキャッチーすぎる異名だった。人狼ゲームは知っている。Among Usも遊んだことがある。でも「おバカ人狼」って何?

本作は最大12人で遊べるソーシャルディダクションゲーム。イノセント(村人陣営)、インポスター(人狼陣営)、ニュートラル(第三陣営)の3つの陣営に分かれて、夜は役職を使って行動し、昼は議論と投票で誰かを追放する……という、人狼ゲームの基本的な流れは踏襲している。

が、このゲームには他の人狼系ゲームにはない独特な要素がある。それが「Insane(バカ)」という役職だ。

もしかして……私がバカ?

『Feign』最大の特徴である「バカ」役職。これがどれほど恐ろしいか、プレイするまでは想像もつかなかった。

バカはイノセント陣営の役職なのだが、本人には自分がバカだと分からない。ゲーム開始時、バカは「自分は占い師だ」とか「自分は医者だ」といった別の役職だと思い込んでいる。そして夜時間に能力を使っても、その結果はすべて偽物なのだ。

例えば「占い師」だと思い込んでいるバカが誰かを占っても、返ってくる結果は嘘。「この人は人狼だ!」と自信満々に報告しても、実際には無実の人。逆に「この人は村人だ」と言った相手が実は人狼だったりする。

さらに厄介なのは、バカ本人は自分の情報が間違っていることに気づけない点だ。他のプレイヤーの証言と食い違ったとき、初めて「あれ……もしかして自分がバカ?」と疑い始める。

昼の議論フェーズでこんなやりとりが繰り広げられる。

「AさんがBさんを占って人狼判定出しました!」 「いや待って、私もBさん占ったけど村人だったよ?」 「え、じゃあどっちかがバカってこと?」 「あっ……僕もしかしてバカかも!?」

この「自分がバカかもしれない」という疑心暗鬼こそが、『Feign』を他の人狼ゲームと決定的に差別化している要素なのだ。

全員が役職持ち。暇な時間なんてない

従来の人狼ゲームでは、普通の村人は夜時間に何もすることがなく、ただ朝を待つだけだった。しかし『Feign』では、イノセント・インポスター・ニュートラルすべてのプレイヤーに個別の役職が割り振られる。

医者は誰かを守り、観察者は誰が誰を訪問したかを監視し、シリアルキラーは誰かを襲撃する。役職の種類は17種類以上あり、それぞれ固有の能力と勝利条件を持つ。第三陣営のニュートラルは、村人でも人狼でもない独自の目的を持っており、生存者(サバイバー)は単に最後まで生き残ればいい、泥棒(シーフ)はアイテムを盗むことが目標、といった具合だ。

つまり、夜時間は全員が何かしらのアクションをする。暇な時間がないから、4人でも12人でもテンポよく遊べる。これが『Feign』のカジュアルさの秘訣だ。

「あの人絶対バカだよ!」と言える優しさ

人狼ゲームには、どうしても「負けたらギスギスする」「追い詰められると理不尽」といった問題がつきまとう。特に初心者が混ざると、ゲームが破綻したり、雰囲気が悪くなったりすることも少なくない。

しかし『Feign』には「バカ」という存在がある。これが絶妙なクッションになっているのだ。

論理が破綻しても「僕バカだったわ!」で済む。矛盾した証言をしても「あの人バカだからしょうがない」と笑える。失敗しても「バカのせいだ」と冗談にできる。このゆるさが、人狼ゲーム特有のギスギス感を大幅に緩和している。

Steamのレビューでも「友達との友情を破壊するゲーム」「4ゲームで8年来の友人関係が終わった」といった冗談交じりのコメントが並ぶが、実際には笑いながらプレイできる雰囲気がある。Among Usに似たカジュアルな空気感がありながら、人狼ゲームの推理と騙し合いの面白さもしっかり残っている。

開発者の情熱が伝わる作品

『Feign』を開発したのは、トルコの独立系スタジオTeneke Kafalar。Steam上で80%以上の高評価を獲得し、日本でもVTuberや実況者の間で「おバカ人狼」として広まった。

本作の魅力は、開発者が「人狼ゲームを知っている人が、カジュアルな人狼ゲームを本気で作っている」と感じられる点だ。Among Usやプロジェクト・ウィンターのように、人狼をベースにした派生ゲームは多い。しかし『Feign』は純粋な人狼ゲームとして、「バカ」という一つの役職を加えることで、アクション要素なしにカジュアルさを実現している。

チャットシステムも秀逸で、言語が統一されていればゲームを壊すような荒らし行為は難しい。開発チームは翻訳システムも開発中で、現在14言語に対応している。日本語も完全サポートされており、日本人プレイヤー同士でも快適に遊べる。

価格は580円と非常にリーズナブル。Steam Deckでもプレイ可能で、Windowsだけでなく、MacやAndroidにも対応している。

新モード「Drawing Mode」で創造性も試される

2025年に正式版としてリリースされた『Feign』には、新しい「Drawing Mode」が追加された。これは4〜10人で遊べるお絵かきゲームで、全員に秘密のお題が与えられる……ただし1人だけお題を知らない「偽絵師」がいる。

みんなでお題を描きながら、誰が偽絵師かを見抜くゲームだ。偽絵師はお題を知らないまま、それっぽい絵を描いて紛れ込まなければならない。もし偽絵師がバレずに最後まで生き残れば、偽絵師の勝ち。見抜かれたら他のプレイヤーの勝ちだ。

創造性、騙し合い、推理のすべてが詰まったこのモードは、従来の人狼パートとは違った楽しみ方ができる。友達とDiscordで通話しながら遊べば、さらに盛り上がること間違いなしだ。

1ゲーム10〜30分。気軽に遊べる人狼の新定番

『Feign』の良いところは、1ゲームが短いこと。Among Usと同じく、長くても30分、早ければ10分で終わる。ダラダラ続かないから、忙しい日でもサクッと遊べるし、「もう1回!」と連続でプレイしたくなる。

人狼ゲームに興味はあるけど、ガチすぎる雰囲気が苦手だった人。Among Usは遊び尽くして、次の騙し合いゲームを探している人。友達と笑いながらワイワイ遊びたい人。そんなプレイヤーに『Feign』はぴったりだ。

「もしかして……私、バカ?」

そんな疑心暗鬼を楽しめるなら、ぜひ一度プレイしてみてほしい。


基本情報

タイトル: Feign

開発: Teneke Kafalar

パブリッシャー: Teneke Kafalar、Kwalee

プラットフォーム: Steam(Windows、Mac)、Android

プレイ人数: 4〜12人(マルチプレイヤーのみ)

価格: 580円(現在セール中40%オフで348円 11月30日まで)

リリース日: 2021年10月23日(早期アクセス)、2025年11月22日正式リリース

日本語対応: あり(14言語対応)

Steam評価: 非常に好評(80%以上の高評価、5,000件以上のレビュー)

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