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Review / レビュー

夜は盗賊、昼は商人。借金まみれのゴブリンが黒市タイクーンへと成り上がる『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』

文・みんなのインディー編集部·2026.05.16·ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン
夜は盗賊、昼は商人。借金まみれのゴブリンが黒市タイクーンへと成り上がる『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』

敵の背後袋から財宝を抜き取る、あのヒリヒリする一瞬がクセになる。

夜のダンジョンで冷や汗をかき、昼の商店で大金をせしめる。この「緊張と緩和」のサイクルが終わるたび、気づけばソファから身を乗り出して「もう一日だけ……」と呟いている自分がいた。

これは、ステルスアクションと商店経営というまったく異なる2つのゲームプレイが、驚くほど絶妙に組み合わさった一作だ。

借金ゴブリン、地を這うところから始まる

本作の主人公は、借金まみれの小さなゴブリン「ヴァイク」だ。戦闘力はほぼゼロ。武器を持っても敵にはかなわない。では、どうやって生き残るのか? 答えは盗むこと。夜、ダンジョンに忍び込んで敵の背負い袋から財宝をくすね、昼間にそれをボッタクリ価格で売りさばく──これが本作の根幹となるゲームループだ。

設定だけ聞くと「それって要するに普通のRPGじゃ?」と思うかもしれないが、実際は全然違う。ヴァイクが潜るのは戦略と忍耐が問われる、緊張感たっぷりのメトロイドヴァニア式ダンジョン。そして昼間の商店パートは、サイコロを転がして客を口説き落とすユニークな交渉システムが待ち受けている。

夜のダンジョン──戦わず、盗め

夜のフェーズでは、ヴァイクを操作してダンジョンを探索する。マップは2Dの横スクロールで、複雑に入り組んだ構造がいかにもメトロイドヴァニアだ。

しかし繰り返すが、ヴァイクに戦闘力はない。ガードに見つかれば即追いかけられ、捕まれば所持品を失いかねない。だから頼るのはスキルとアイテムだ。

  • コインビートル:鈴に化けた虫を投げて敵をおびき寄せる
  • ナップトラップ:眠り罠を仕掛けてガードを撃沈
  • スモークミミック:煙幕で逃げる

立てる場所には身を隠し、扉で視線を遮り、しゃがんで足音を消す。敵の巡回ルートを読みながら少しずつ奥へ進み、財宝を抜き取る瞬間のあのヒリヒリした快感──これがクセになる。やがてグラップルフックやシャドウリワインド(一定時間巻き戻せるアビリティ)など、移動の選択肢が増えていくのも気持ちいい。

昼の商店──口八丁で客を落とす

ダンジョンで盗んできたアイテムを翌日に売るのが昼のフェーズだ。だがここも一筋縄では行かない。

値段をつけて客を待つだけの経営ゲームではなく、本作の販売は交渉システムで行われる。ダイスを振り、用意した口上を繰り出し、飾ったコレクティブルフィギュアの効果を活かしながら客に「これは安い買い物だ」と思わせなければならない。うまくハマれば、とんでもない額で売れる瞬間が訪れる。

さらに従業員を雇ってフランチャイズを展開できるのも面白い。「鋼の男(絶対に倒れない)」「収納の達人(大きな袋を持てる)」「葦のように脆い(死んだら永遠に消える)」「怠け者(収穫が少ない)」と、クセのある人材たちが絶妙に経営に影響してくる。誰を雇って誰をダンジョンに送るか、人事の悩みまで生じてくるのだ。

評価は上昇中──直近30日は74%

リリース当初の Steam 評価は「賛否両論」(68%前後)だったが、2026年6月時点では 1,290件・70%(ほぼ好評) に昇格。さらに直近30日のみで見ると 74% まで上昇しており、アップデートとコミュニティの熟成によって評価が伸び続けている。

一部のプレイヤーからは「説明が不足している」「グラップルフックの操作が慣れるまで大変」「セーブポイントがNPCイベント後のみで進行が無駄になることがある」という声もある。確かに、ゲームは意図的に多くを説明せず、試行錯誤を促す設計だ。

だが海外批評家たちの評価は一貫している──「いったんループが噛み合い始めると、もう止められない」。盗んで、売って、借金を返して、また潜る。この繰り返しがじわじわと気持ちよく、昼夜サイクルが終わるたびに「もう一日だけ」と呟いている自分がいる。

Steam Next Festでのデモは5万5,000件以上ダウンロードされ、リリース前からインディーシーン注目の一作として話題を集めていた。

3人チームが作った、欲張りなゲーム

開発は香港のスタジオ「Art Thieves」。3人という小さなチームによる作品だ。「泥棒芸術家たち」という名のスタジオが、盗賊ゴブリンのゲームを作る──このセンスからして只者ではない。パブリッシャーとして中国の大手ゲームメディア・Gamersky Gamesが参加している。

ファンタジー世界を舞台に据えつつ、「冒険者ギルド」や「謎の組織」、さらには魔王様まで絡んでくるストーリーも用意されており、ただのゲームループゲームに収まらない奥行きがある。

【2026年6月】Steam サマーセール開催中

2026年7月9日まで25%オフの約1,200円で購入可能。 通常1,600円のところが割引中。「盗んで売る」という唯一無二のゲームループを試すなら今がチャンスだ。


基本情報

開発: Art Thieves
販売: Art Thieves / Gamersky Games
リリース日: 2026年5月1日
価格: 1,600円 / セール中:約1,200円(25%オフ、〜7/9)
プラットフォーム: PC(Steam)
プレイ人数: 1人
言語: 日本語、英語、中国語(簡体字)、ロシア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、ドイツ語ほか計9言語
ジャンル: ステルス・メトロイドヴァニア・ショップ経営シミュレーション
Steam評価: ほぼ好評(70% – 1,290件のレビュー)/ 直近30日 74%


購入リンク

Steam: https://store.steampowered.com/app/3794610/Goblin_Vyke_The_Thief_Tycoon/


公式リンク

X (Twitter): https://x.com/ArtThievesGames

Game Data
タイトル
ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン
開発
Art Thieves
ジャンル
RPG / アクション / アドベンチャー / インベントリ管理 / シミュレーション / シングルプレイヤー / ダンジョンクロウル / メトロイドヴァニア / ローグライク
対応
Steam
難易度
中級者向け
プレイ時間
15〜25時間
Steam評価
ほぼ好評(70% / 1,290件)
配信日
20260501

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