
2026年3月16日にリリースされたこの作品は、ウクライナのPushka Studiosが開発した、本気の「グラインド」を求めるプレイヤーのためのバレットヘル・ローグライトだ。タイトルに偽りなし。このゲームは文字通り、武器をひたすら「研ぎ澄ます」ことに特化している。
地獄の鍛冶場「The Forge」が生み出す無限の可能性

本作の最大の特徴は「The Forge(鍛冶場)」と呼ばれる武器クラフトシステムだ。これが、同ジャンルの他のゲームと一線を画す要素となっている。
『Vampire Survivors』系のゲームでは、ラン中に拾ったアップグレードでビルドが完成する。しかし『Grind Survivors』では、ランの外で武器そのものを作り込むことができる。リボルバー、ショットガン、デュアルSMG、レールガン、そしてテスラガンなど8種類の武器タイプがあり、それぞれにコモンからレジェンダリーまでの5段階のレアリティが存在する。

The Forgeでは以下の4つのシステムが使える:
Infuse(融合): 同じタイプの武器5つを組み合わせて、より高いレアリティの武器を生成。5つの武器すべてのステータスとアフィックス(特殊効果)を引き継ぐため、運と戦略次第でとんでもない性能の武器が生まれる。
Improve(強化): Ash(灰)を消費して武器のダメージとクリティカルダメージを強化。ただし、強化レベルが上がるごとに失敗率も上昇し、失敗すると今までの強化がすべて水の泡に。このギャンブル要素が、プレイヤーの心臓をバクバクさせる。
Reforge(再鍛造): 武器のステータスを再ロール。理想のビルドを目指すなら避けては通れない道だが、これもまたギャンブル。何度もリロールしていると、気づけばAshが底をつく。
Recycle(リサイクル): いらない武器をAshに変換。序盤は全然足りないので、レア度の低い武器はガンガンリサイクルすることになる。
筆者がプレイして最も興奮したのは、Improveシステムだ。+14まで強化した愛用のリボルバーを+15にしようとボタンに手をかけたとき、失敗率75%の文字が目に入った。「やめておくべきか……?」と一瞬迷ったが、結局ポチッと。
成功。
その瞬間の快感は、まさにギャンブルで勝ったときのそれ。このスリルがたまらない。
コミックブック調のビジュアルと完璧な最適化
ビジュアル面でも『Grind Survivors』は一級品だ。コミックブック調のアートスタイルは、ゴア表現(血しぶきや悪魔の四肢切断)がありながらもカートゥーンライクで、不快感を与えない絶妙なバランスになっている。
開発元のPushka Studiosはこれまでポーティング(移植)作業を中心に手掛けてきたスタジオで、『Spider Heck』や『Phantom Abyss』などの移植実績がある。その技術力は本作にも如実に表れており、最適化が驚くほど完璧だ。
レビューを見ても「フレームドロップがまったくない」「何百体の敵に囲まれてもスムーズ」との声が多数。筆者も実際にプレイして、画面が敵の群れで埋め尽くされる状況でも一度もカクつきを感じなかった。Steam Deckでもプレイ可能だが、高難易度になると負荷が高くなるとの報告もある。
グラインド、グラインド、そしてグラインド

しかし、本作は決して万人向けではない。タイトルが『Grind Survivors』である以上、グラインドは避けられない。
本作には3つのバイオーム(焦土と化した都市、燃える森、腐敗した荒野)があり、それぞれに5段階の難易度が設定されている。つまり、同じマップを何度も何度もプレイして、徐々に難易度を上げていく構造だ。
「同じマップ? 飽きるでしょ」と思うかもしれない。その通り、実際に飽きる。レビューでも「3つのバイオームは単なる色違い」「敵のバリエーションが少ない」という指摘が多い。
だが、それでもプレイし続けてしまうのは、The Forgeの魔力だ。「次のランでレジェンダリーが手に入るかもしれない」「この武器を+15まで強化できたら最強になれる」——そんな期待が、プレイヤーを画面に釘付けにする。
筆者も「あと1ラン」「あと1ラン」と繰り返しているうちに、気づけば5時間が経過していた。これぞまさにハクスラの本質。
バランス問題と今後のアップデート
現時点での最大の問題は、武器バランスだ。特にテスラガン(電撃銃)が強すぎて、他の武器の存在意義が問われるレベル。レビューでも「テスラガンがほぼ必須」との声が多数上がっている。
また、スキルツリーが「地味すぎる」との批判もある。単なる数値上昇がメインで、ゲームプレイを大きく変えるような派手なスキルがない。これは確かに物足りなさを感じる部分だ。
ただし、開発元のPushka Studiosはコミュニティの声に耳を傾けており、今後のアップデートでバランス調整が期待できる。ウクライナという厳しい環境下で開発を続けているチームだけに、応援したくなるのも事実だ。
34種類のルーンと4人のキャラクター

メタプログレッション(永続的な強化要素)も充実している。
Hell Dust(地獄の塵)を使ってスキルツリーを強化し、Ashで武器をアップグレード。さらに、34種類のルーン(装備可能なパッシブバフ)をアンロックすることで、ビルドの幅が大きく広がる。
キャラクターは4人いて、それぞれ異なるパッシブとアクティブ能力を持つ:
- Cascade: リコシェット(跳弾)特化
- Solara: アビリティクールダウンDPS特化
- Orfeo: Ash獲得サポート
- Vex: 冷気による群衆コントロール
特にOrfeoはAsh稼ぎに最適で、武器クラフトを加速させたい人にオススメだ。
ウクライナの情熱が生んだインディーゲーム

Pushka Studiosは、ウクライナのドニプロを拠点とする小規模なスタジオだ。『Grind Survivors』は彼らにとって初のオリジナルタイトルであり、これまでの移植作業で培った技術力をすべて注ぎ込んだ渾身の一作となっている。
本作には「Ukraine Supporter Pack」というDLCも用意されており、売上の一部がウクライナ支援財団に寄付される仕組みになっている。ゲームを楽しみながら支援もできる——これ以上に素晴らしいことがあるだろうか。

Steamでの評価はMostly Positive(72%)。675件のレビューのうち、賛否が分かれているのは事実だが、「ハマる人はとことんハマる」タイプのゲームだと言える。実際、筆者もその一人だ。
基本情報
開発: Pushka Studios
販売: Assemble Entertainment
リリース日: 2026年3月16日
価格: 1,500円
プラットフォーム: PC (Steam / GOG / Epic Games Store)、PlayStation 5、Xbox Series X/S
プレイ人数: 1人
言語: 日本語対応(12言語対応)
ジャンル: アクション・ローグライク・バレットヘル・ルータシューター
Steam評価: Mostly Positive(72% – 675件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/3816930/Grind_Survivors/
GOG: https://www.gog.com/en/game/grind_survivors
公式リンク
公式サイト: https://www.grindsurvivors.com/
X (Twitter): https://x.com/PushkaStudios
パブリッシャー: https://www.assemble-entertainment.com/



