
「ベルトコンベアを繋いで、機械を配置して、はい効率化」―それだけで終わらないのが『Modulus: Factory Automation』だ。本作の最大の特徴は、生産ラインを構築する前に、その生産ラインを構成するブロックそのものを自分で設計するというコンセプト。まるでレゴブロックのように3Dモジュールをカット、ペイント、スタンプ、組み立てて、世界に一つだけの工場を作り上げていく。

ベルギーのインディースタジオHappy Volcanoが開発し、Kwaleeがパブリッシングを務める本作は、2026年4月2日にSteamで正式リリースされた。Steamレビューは90%の高評価(356件)を獲得し、「Factorioとレゴを融合させたような傑作」「空間パズルとしての深みが最高」といった声が続々と寄せられている。筆者も実際にプレイしてみたところ、その奥深さとクリエイティブな自由度に完全に心を奪われてしまった。
レゴブロックのように、工場の「パーツ」から作る!
『Modulus』が他の工場自動化ゲームと一線を画すのは、モジュール(Module)という3Dブロックを自分でデザインする点だ。通常、『Factorio』や『Satisfactory』では事前に用意された機械やベルトコンベアを配置していくが、本作ではその「機械」や「部品」を構成する最小単位のブロックから自分で切り出し、色を塗り、形を整えて作り上げるのである。
例えば、特定の形状と色を持ったモジュールを生産するには、まず基本的な立方体をカッター(Cutter)で切り刻み、ペインター(Painter)で色を塗り、スタンパー(Stamper)で凹凸をつけ、最後にアッセンブラー(Assembler)で組み合わせる。この一連の流れすべてを自分で設計し、最適化していくのだ。

筆者が最初に驚いたのは、この「モジュール設計」自体がパズルとして成立していることだった。「どのオペレーターをどの順番で使えば効率的か?」「ベルトコンベアをどう配線すれば空間を節約できるか?」といった問いに対し、正解は一つではない。プレイヤーの創意工夫次第で、シンプルな解法もあれば、極限まで効率を追求した複雑なラインも作れる。まさに「自分だけの解答」を導き出す喜びがここにある。
開発元のHappy Volcanoは、過去に『You Suck at Parking』や『The Almost Gone』といったユニークなタイトルをリリースしてきたベルギーのスタジオだ。わずか11人の精鋭チームながら、Hiro CapitalやIan Livingstone卿の支援を受けており、その創造性と技術力は折り紙付き。本作でも彼らの「独創的なメカニクス」への情熱が随所に感じられる。
空に浮かぶ島々で、制約と向き合う楽しさ
『Modulus』の舞台は、空中に浮かぶ島々(Sky Islands)だ。資源ノードが点在するこれらの島には、現実的な空間的制約(Spatial Constraints)が存在する。広大な平原ではなく、限られたスペースの中で工場を設計しなければならないのだ。
この制約が、本作を単なる「拡大するだけのゲーム」から「パズル的思考を要求するゲーム」へと昇華させている。Steamレビューでも「Zachトロニクス系パズルと工場ゲームの融合」「ベルトのスループットや空間配置を真剣に考える必要がある」といった評価が目立つ。

ゲーム開始直後のチュートリアルでは、基本的なリソース採掘から、モジュールの生成、生産ラインの構築までを段階的に学べる。そして徐々に複雑な「Neural Monuments(ニューラル・モニュメント)」と呼ばれる巨大構造物の建設が要求されるようになる。この構造物を完成させるには、高度なロジックと最適化、そしてスケールアップ戦略が試される。
開発ロードマップによると、リリース後もFree Build Map(自由建築マップ)の追加や、より大きな島、論理的な資源配置など、プレイヤーからのフィードバックを反映したアップデートが予定されている。「地形制約がきつすぎる」という声に応え、Classic Map(推奨・パズル重視)とFree Build Map(自由度重視)の2つのモードが用意される予定だ。
敵なし、戦闘なし、タイマーなし。「瞑想的」な工場体験
本作の大きな魅力の一つは、敵がいない、戦闘がない、タイマーがないという点だ。『Factorio』のような「敵の襲撃に備えて防衛ラインを構築する」プレッシャーは一切なく、純粋に設計と最適化に集中できる。
CGMagazineのレビューでは「8/10 Editor’s Choice」を獲得し、「アートスタイルと簡単にピックアップできるゲームプレイの融合が天国のような体験」と評されている。また、Hardcore Gamerは「4.5/5」をつけ、「レイアウトの解決やデバッグに深い満足感がある。ストレスフリーな挑戦の連続」とコメントしている。

筆者自身も、夜中にプレイを始めて気づいたら朝になっていた……という経験を何度もした。「もう一つだけラインを最適化しよう」「この形状のモジュール、もっとスマートに作れるはず」といった具合に、辞め時を見失う中毒性がある。
さらに、ゲーム内にはCreative Mode(クリエイティブモード)も用意されている。無制限のリソース、拡張されたモジュールサイズ、すべてのツールへのアクセスが可能で、目標なしにボクセルアートや複雑なレイアウトを自由に試せるサンドボックスとして機能する。
「正解」のない自由。それこそが『Modulus』の本質
本作には「これが正しい工場の作り方」という唯一解は存在しない。どのオペレーターをどの順番で使うか、ベルトをどう配線するか、どう空間に収めるか―すべてがプレイヤーの裁量に委ねられている。
Steamコミュニティでは、プレイヤー同士がスクリーンショットを共有し合い、「この配置は天才的だ!」「俺はこうやって解決した!」といった熱いやり取りが繰り広げられている。まさに「自分だけの工場」を作り上げる創造的表現が、本作の核心なのだ。

また、本作はSteam Familyシェアリングに対応しており、友人や家族とゲームを共有できる。デモ版も約2時間分のコンテンツを含んでおり、本編へのセーブデータ引き継ぎも可能だ。
筆者がとくに感動したのは、ドット絵調の美しいビジュアルと穏やかなBGMだ。緑豊かな植物と黄色い木々が工場と調和し、まるで『The Wild Robot』のような「自然と機械の共存」を感じさせる。音響デザインも秀逸で、機械が稼働するカチカチという音、モジュールが完成する時のビープ音が心地よく、まさに「瞑想的」という表現がぴったりだ。
工場ゲーム好きなら、絶対に見逃せない一作
『Modulus: Factory Automation』は、工場自動化ジャンルに「モジュール設計」という新たな次元を持ち込んだ傑作だ。『Factorio』や『Satisfactory』のようなスケール感はないかもしれないが、空間パズルとしての深み、クリエイティブな自由度、そして「自分だけの解答」を見つける喜びは、他のどのゲームにも負けていない。

「工場ゲームは好きだけど、敵との戦闘は苦手」「パズル要素と創造性を両立したゲームが欲しい」「LEGOのように何かを組み立てる楽しさを味わいたい」―そんなプレイヤーにこそ、本作を強くおすすめしたい。
筆者は今も、「次はどんな形のモジュールを設計しようか」とワクワクしながら、空に浮かぶ島々で工場建設に勤しんでいる。あなたもぜひ、この世界に一つだけの工場を作り上げてほしい。
基本情報
開発: Happy Volcano
販売: Kwalee
リリース日: 2026年4月2日
価格: 2,600円(通常価格)
プラットフォーム: PC(Steam)
プレイ人数: 1人(シングルプレイヤー)
言語: 英語、日本語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、簡体字中国語、繁体字中国語、オランダ語
ジャンル: シミュレーション、オートメーション、パズル、サンドボックス、ストラテジー
Steam評価: 圧倒的に好評(90% – 356件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/2779120/Modulus_Factory_Automation/
公式リンク
公式サイト: https://www.modulusgame.com/
Steam コミュニティハブ: https://steamcommunity.com/app/2779120
Discord: https://discord.gg/modulus


