
前作から2年後の世界を舞台に、少女ラナと謎めいた相棒ムイの絆を描く本作は、単なる続編の枠を超えて、より深く、より広く、より感動的な物語へと進化を遂げていたのです。
2026年3月5日にリリースされた本作は、スウェーデンの開発スタジオWishfullyが手がけるシネマティック・パズルプラットフォーマーの第2作。前作『Planet of Lana』(2023年)で高い評価を獲得した同スタジオが、「実現できなかったアイデア」をすべて詰め込んだ意欲作として登場しました。Steamでの評価は92%という圧倒的好評、Metacriticスコアは82点。評価だけ見ても、これは只者ではない雰囲気が漂っています。

成長したラナ、深まる絆、そして惑星ノヴォの秘密
本作の舞台は、前作から2年が経過した惑星ノヴォ。かつて侵略してきたロボット軍を退けたラナとムイですが、平和は長く続きませんでした。新しい技術が部族間に広がり、進歩をもたらす一方で、それは同時に欲望と不均衡をも生み出していたのです。
特に注目すべきは「ディジンガーラ」と呼ばれる人間の派閥。彼らは謎の鉱石を採掘し、技術を武器として乱用しています。ある日、その鉱石が原因で村の子供が病に倒れ、ラナの姉エロは警備隊を率いてディジンガーラに立ち向かうことに。一方、ラナとムイには「薬の材料を集める」という一見地味な任務が与えられます。

しかし、その探索は凍てつく山岳地帯、熱帯の海岸、深海、古代遺跡へと広がり、やがて惑星の隠された真実と、ムイの起源にまつわる謎へと繋がっていくのです。前作が「救出劇」だったのに対し、本作は「探求の旅」。物語の構成も前作より洗練され、複数の登場人物の視点が交錯しながら展開していきます。
進化したアクション、深化したパズル、圧倒的なビジュアル
前作をプレイした人なら、ラナの動きの違いに即座に気づくでしょう。2年間で成長したラナは、より俊敏で自信に満ちています。壁ジャンプ、ダッシュ、スライディング、そして慣性を活かした流れるような移動が可能になり、プラットフォーマーとしての完成度が大きく向上しました。
パズル要素も大幅に進化しています。ムイの能力はより多彩になり、機械をハッキングしたり、生物をテレパシーで操ったりと、前作以上に複雑な謎解きが展開されます。特に印象的だったのは、ラナとムイを交互に操作しながら解く大型パズル。片方が水中を探索している間に、もう片方が陸上でスイッチを操作する——そんな協力プレイのような感覚が、一人プレイでも味わえるのです。

「観察」「タイミング」「協力」を重視したパズルデザインは健在で、複雑なロジックパズルではなく、環境と一体化した自然な謎解きが心地よい。難易度カーブも絶妙で、チュートリアルなしでも直感的に理解できる設計になっています。
そして何より、このゲームの最大の魅力はそのビジュアルでしょう。手描きのアートスタイルは前作から引き継がれていますが、本作ではバイオームの多様性が格段に増しています。雪山、熱帯の島、水中世界、ロボットの墓場、ディストピア的な都市部——それぞれが独自のビジュアルアイデンティティを持ち、2.5Dの横スクロールでありながら奥行きと深みを感じさせる構図が秀逸です。

スタジオジブリの影響を公言する開発チームの手腕が遺憾なく発揮されており、特に光の表現や色彩設計は映画のような美しさ。2分おきにスクリーンショットを撮りたくなる、そんな風景が次々と現れます。
言葉なき物語が紡ぐ、普遍的な感動
本作の最も独創的な要素は、「セリフがない」ことです。登場人物たちは架空の言語で会話し、プレイヤーには翻訳されません。しかし、だからこそ普遍的な感情が伝わってくるのです。
声優の表現力、キャラクターのアニメーション、表情、そして環境のストーリーテリング——これらすべてが組み合わさることで、言葉を超えた物語が展開されます。特にBAFTA候補にもなった作曲家・古川岳士のオーケストラスコアが素晴らしく、静かな瞬間にも、緊張感あふれる場面にも、完璧にマッチした楽曲が流れます。

前作『The Last Guardian』でも手腕を発揮した古川氏の音楽は、本作でもその真価を発揮。メロディーは前作のテーマを継承しつつ、より壮大で感情的な展開を見せます。「ゲーム音楽」というより「映画音楽」と呼ぶべき完成度で、プレイ後も耳に残り続けるでしょう。
ちなみに、サポーターパックには「ノヴォ語コンパニオン」が付属しており、ゲーム内言語の基礎フレーズや選ばれたセリフの意味を知ることができます。深く世界観に浸りたい人には必携のアイテムです。
前作との比較、そして新規プレイヤーへの配慮
レビュアーたちの評価を見ると、「前作より断然良い」という意見が目立ちます。前作はビジュアルとストーリーテリングで高評価を得た一方、パズルの単調さやゲームプレイの物足りなさが指摘されていました。本作はその弱点をすべて克服し、ゲームとしての完成度を大きく高めています。

プレイ時間は6〜8時間と、前作のほぼ2倍。コンパクトながら密度の高い体験で、「もっと遊びたい」と思わせる絶妙な長さです。また、前作未プレイでも十分楽しめるよう配慮されており、冒頭でラナが前作の出来事を簡潔に説明してくれます(もちろん、架空言語ですが、ビジュアルで十分理解できます)。
一部のレビューでは「テレポート移動により連続した旅の感覚が薄れた」「若干の物理バグがある」といった指摘もありますが、全体の体験を損なうほどではありません。むしろ、開発チームの野心と実力が遺憾なく発揮された、続編の理想形と言えるでしょう。
基本情報
開発: Wishfully
販売: Thunderful Publishing
リリース日: 2026年3月5日
価格: ¥2,200円(発売記念10%オフ実施中)
プラットフォーム: PC(Steam)、Xbox Series X|S、Xbox One(Game Pass対応)、PlayStation 5、PlayStation 4、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2
プレイ人数: 1人
言語: 日本語字幕対応(ただし、ゲーム内セリフは架空言語のため字幕なし)
ジャンル: シネマティック・パズルプラットフォーマー、アドベンチャー
Steam評価: 圧倒的に好評(92% – 139件のレビュー)
Metacriticスコア: 82点
Steam Deck: 認証済み
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/2997230/Planet_of_Lana_II/
公式リンク
公式サイト: https://www.planetoflana.com/
X (Twitter): https://x.com/PlanetofLana



