『Windrose』レビュー:イノシシに殺され、波に揉まれ、やがて伝説へ。100万人が熱狂する「地獄から始まる海賊人生」

『Windrose』レビュー:イノシシに殺され、波に揉まれ、やがて伝説へ。100万人が熱狂する「地獄から始まる海賊人生」

更新: 2026年4月21日

海に出るまでが、本当の地獄だった。

『Windrose』の序盤、僕は無人島に打ち上げられ、敵に一瞬で沈められる屈辱を何度も味わった。ソウルライクな戦闘設計は容赦なく、海賊王を夢見る前に、まず「明日の食料」に必死になる必要がある。 だが、その泥臭い地獄を乗り越え、初めて自分の船で大海原へ帆を上げた瞬間──乗組員たちが歌うシャンティ(海の歌)が流れたとき、全身に鳥肌が立った。不便さの先にしかない圧倒的な解放感。今、Steamで「非常に好評」を博しているこの傑作には、インディーゲームにしか出せない「冒険の匂い」が充満している。

そしてイノシシに殺される。何度も。

本作の戦闘はソウルライク風の設計で、回避とパリィが重要になる。序盤の装備では野生のイノシシですら脅威であり、油断すれば2~3発で沈む。この”ヤバい動物”問題は海外レビューでも話題になっており、Steamのネガティブレビューの9割が「イノシシ強すぎ問題」と「スペック不足」だというのは、ある意味でゲームバランスの証明とも言える。

だが、序盤のこの地獄を乗り越え、最初のボスを倒して仲間と船を取り戻した瞬間──世界が変わる。

『Black Flag』を超えた? 本物の海戦がここにある

船を手に入れてからの『Windrose』は、完全に別のゲームになる。

帆を上げ、速度を調整し、風を読み、敵船に横付けして砲撃──そして白兵戦で乗り込む。 この一連の流れがあまりにもスムーズで、まさに「Ubisoftが作れなかった『Black Flag 2』」と呼ばれる理由がわかる。

砲弾は無限、修理コストは木材少々。沈んでもすぐリスポーン可能という割り切った設計により、海戦は純粋に”楽しさ”にフォーカスされている。『Sea of Thieves』のような煩雑さはなく、『Black Flag』のようなアーケード感覚で敵船を沈められる爽快感がたまらない。

そして何より──乗組員が歌うシャンティ(海の歌)が最高だ。

波間を進む船上で、Seán Dagherが歌うシャンティが流れる瞬間、これ以上ないほどの”海賊気分”を味わえる。筆者はこのシャンティを聴くためだけに何度も海に出た。サポーターバンドル(4,480円)にはこのシャンティ集が含まれており、海賊好きなら絶対に買うべきだ。

拠点建設、クラフト、探索──すべてが”冒険”になる理由

『Windrose』の拠点建設は、『Valheim』プレイヤーなら懐かしさすら感じるだろう。木材、石材、鉄材と段階的に素材をアップグレードし、作業台や鍛冶場を配置してクラフト環境を整える。

だが本作が優れているのは、建設が単なる作業ではなく、ストーリー進行と探索の一部として設計されている点だ。

プロシージャル生成された30以上の島々には、手作りのダンジョンやクエストが散りばめられている。海賊キャンプを襲撃し、宝を奪い、ボスを倒す──その報酬で船をアップグレードし、さらに危険な海域へ進む。この循環が実に心地よい。

また、拠点にはNPCワーカーを雇用でき、農業や採掘を任せられる。これにより後半は「経営者プレイ」も可能になり、サバイバル要素を緩和できる設計も秀逸だ。

Unreal Engine 5が描く”もうひとつの大航海時代”

開発はウズベキスタンのWindrose Crew(旧Crosswind Crew)、パブリッシングはKraken Expressが担当。元々はPvPvE設計だったが、開発中にPvE専用へ方向転換したという経緯がある。

この判断は正解だった。 本作のストーリーは黒ひげとの因縁から始まり、帝国間の対立、海賊クラン、そして超常的な闇の力へと広がっていく。Unreal Engine 5で描かれる海と島々の美しさ、夕暮れの水面に映る船影──PvEに集中したことで、この”物語のある海”が完成した。

早期アクセスだからこそ、今始めるべき理由

2026年4月14日にリリースされた本作は、今後1.5~2.5年の早期アクセス期間を経て、コンテンツを約50%増量する予定だ。新バイオーム、新ボス、新船、そしてストーリーの完結──。

つまり、今からプレイすれば、ゲームが成長する過程を楽しめる。

Steamレビューは「非常に好評」(全体で約80%が肯定的)、英語圏では「圧倒的に好評」に近い評価を得ている。中国語圏では「賛否両論」だが、これは主にパフォーマンス問題に起因しており、開発チームは既にアップデートで対応を進めている。

価格は通常3,400円(ローンチ割引で3,060円)。この価格で50時間以上のメインストーリー、協力プレイ対応(最大8人、推奨4人)、そして今後の大型拡張が約束されている。

基本情報

開発: Windrose Crew(旧Crosswind Crew)
販売: Kraken Express、Pocketpair Publishing(日本)
リリース日: 2026年4月14日(早期アクセス)
価格: 2,980円(通常)/ 2,682円(ローンチ割引、4月21日まで)
プラットフォーム: PC(Steam、Epic Games Store)
プレイ人数: 1~8人(協力プレイ、推奨1~4人)
言語: 日本語対応(英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語など多言語対応)
ジャンル: サバイバル、クラフト、海賊、アクションアドベンチャー、PvE
Steam評価: 非常に好評(17,290件中、約80%が肯定的 / 英語圏では9,437件中「非常に好評」)

購入リンク

Steam: https://store.steampowered.com/app/3041230/Windrose/
Epic Games Store: https://store.epicgames.com/en-US/p/windrose-831c86

公式リンク

公式サイト: https://playwindrose.com/
Discord: https://discord.gg/windrose
X (Twitter): https://x.com/playwindrose
YouTube: https://www.youtube.com/@PlayWindrose

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