
まったり系ゲームが苦手だった私が、まさかここまでハマるとは……
Steam で驚異の 97% 高評価、メタスコア90点という圧倒的な評価を誇る『DAVE THE DIVER』。ダイビング×寿司屋経営という一見突拍子もない組み合わせに最初は「どんなゲームなんだ?」と困惑したものの、いざプレイしてみると止まらない面白さに完全に虜になってしまった。
太っちょダイバーが織りなす、海と寿司の極上サイクル
本作の主人公は、見た目通りぽっちゃりとした体型のデイブ。彼が挑むのは謎に満ちたブルーホールでのダイビングと、夜の寿司屋「バンチョの寿司屋」での料理人としての仕事だ。
昼間は酸素ボンベを背負い、銛を手に深海へ潜る。そこには色とりどりの魚たちが泳ぎ回っており、時には巨大な魚影や危険な生物との遭遇もある。重量制限がある中で「どの魚を持ち帰るか」を考えながら探索するのが、予想以上にスリリングで楽しい。

夜になると一転、寿司職人として厨房に立つ。昼間捕獲した魚を使って寿司を握り、お客さんに提供していく。ただ単に魚を切って握るだけではなく、お客さんの注文に応じて適切な魚を選び、時にはスタッフの訓練や設備のアップグレードも必要になる。
この「ダイビング→寿司屋→ダイビング→寿司屋」のサイクルが絶妙すぎて、気がつけば「もう一回だけ潜ろう」「もう一日だけ営業しよう」と夜更かししてしまう中毒性がある。
200種類超の海洋生物との出会いが止まらない
ブルーホールには200種類を超える海洋生物が生息しており、魚図鑑を埋めるコレクション要素も充実している。普通の熱帯魚から古代生物のような怪しい魚まで、毎回のダイビングで新しい発見がある。
特に面白いのが、捕獲した魚によって作れる寿司が変わることだ。高級魚を使えば客単価の高い寿司を作れるし、珍しい魚は話題性で集客効果がある。「この魚はどんな寿司になるんだろう?」という好奇心がダイビングのモチベーションになる。

しかも、このブルーホールは不思議な場所で、日によって地形が変化したり、夜になると全く違う生物が現れたりする。まさにローグライク要素が海底探索にプラスされた感覚で、何度潜っても飽きることがない。
個性豊かなキャラクターたちが紡ぐハートフルストーリー
本作の魅力はゲームシステムだけではない。登場するキャラクター達が皆個性的で、彼らとの交流もこのゲームの大きな魅力だ。
寿司屋の店主バンチョは元ヤクザという設定だが、実は料理に情熱を注ぐ熱い男。潜水艦の整備を担当するコブラはちょっと怪しげだが頼りになる相棒。そして途中から登場するスタッフたちも、それぞれに背景とストーリーがある。

メインストーリーも単なる「魚を獲って寿司を作る」だけでは終わらず、ブルーホールに隠された古代文明の謎や、海人族との出会いなど、冒険要素もしっかりと用意されている。途中からは「え、そんな展開になるの?」と驚くような新要素やミニゲームが次々と登場し、プレイヤーを最後まで飽きさせない。
「整い」すぎたゲームバランスに脱帽
『DAVE THE DIVER』の素晴らしさは、全ての要素が絶妙なバランスで成り立っていることだ。
ダイビングパートは程よい緊張感がありながらも理不尽な難しさはない。酸素管理や重量制限といった制約があることで戦略性が生まれ、でも慣れてくれば装備のアップグレードで快適になっていく。
寿司屋経営も同様で、最初はバタバタしてしまうが、徐々にスタッフを雇ったり設備を充実させたりすることで、より効率的な経営ができるようになる。そして稼いだお金でダイビング装備を強化すれば、さらに深い海域を探索できる……という完璧な循環が生まれている。

また、韓国のMintrocket(NEXON傘下)が開発した本作は、日本文化への深い理解と愛情が感じられる。寿司の握り方から日本の海の描写まで、細部にわたって丁寧に作り込まれており、「外国人が作った和風ゲーム」にありがちな違和感が全くない。むしろ日本人以上に日本の良さを表現している部分すらある。
Steam Deckでも快適、どこでも楽しめる海洋ライフ
本作はSteam Deckでの動作も非常に良好で、ポータブル機での「ちょっと一潜り」が最高に気持ちいい。電車の中でも寝る前でも、気軽にブルーホールの世界に飛び込める手軽さは、このゲームの魅力をさらに高めている。
操作もシンプルで直感的。複雑なコマンドを覚える必要はなく、誰でもすぐに海底探索と寿司職人の二重生活を楽しめる。それでいて奥の深さは十分で、100時間以上遊んでも新しい発見がある懐の深さを持っている。

2023年最高峰のインディーゲーム体験がここに
『DAVE THE DIVER』は、一見するとニッチなコンセプトでありながら、実際には多くの人に愛される普遍的な面白さを持った傑作だ。海洋探索の冒険感、経営シミュレーションの達成感、コレクション要素の収集欲、そしてハートフルなストーリー……様々な楽しみが一つのゲームに詰め込まれている。
「まったり系ゲームは苦手」だった私でさえ、このゲームの前では無力だった。それほどまでに計算され尽くした中毒性と、プレイヤーを思いやるゲームデザインが光っている。
もしあなたが海の世界に興味があるなら、寿司が好きなら、そして何より「心地よいゲーム体験」を求めているなら、『DAVE THE DIVER』は間違いなく2023年にプレイすべきゲームの筆頭だ。
デイブと一緒に、極上の海洋ライフを始めてみませんか?

基本情報
DAVE THE DIVER | デイヴ・ザ・ダイバー
- 開発: Mintrocket
- 販売: Nexon
- プラットフォーム: Steam, Nintendo Switch, PlayStation 4, PlayStation 5
- プレイ時間: 30-100時間以上
- 難易度: 初心者向け〜中級者向け
- Steam評価: 圧倒的に好評 (97%)
- リリース日: 2023年6月28日
- ゲームジャンル: シミュレーション
- 価格: 2,400円(Steam)
公式リンク