
このゲームを起動した瞬間、筆者は思った。「これ、格闘ゲームじゃないか?」と。チュートリアルでパンチを繰り出した瞬間、それが完全に音楽のビートに同期して決まる。あの感触——アーケードゲームの爽快感と、ライブ会場でドラムが体に響く快感が、同時に押し寄せてきた。
もしあなたが「バットマン:アーカム」シリーズのあの流れるようなコンボ格闘が好きだったなら、迷わずプレイしてほしい。あれに音楽の魂を吹き込んだら、こうなる——それが『Dead as Disco』だ。

「ビートクンドー」——すべての攻撃がリズムと一体化するシステム
本作の戦闘システムには「Beat Kune Do(ビートクンドー)」という名前がついている。格闘技と音楽の融合を示す造語で、ブルース・リーの「截拳道(ジークンドー)」をもじったものだろう。
このシステムの核心は非常にシンプルだ。攻撃・回避・パリィ——これらすべての行動が、流れている楽曲のBPMに完全に同期する。ビートに合わせてパンチを出せば、それは単なる打撃ではなく「演技」になる。敵も、環境も、エフェクトも——すべてが音楽に反応して動く。
特に感動するのは、この同期が「強制」ではなく「誘導」として機能している点だ。ビートを外してもゲームオーバーにはならない。でも、リズムに乗れた瞬間、コンボが伸び、フィーバーメーターが溜まり、戦闘そのものが別次元の気持ちよさに変化する。あの「ゾーン」に入った感覚——音楽と体が一体化する瞬間——を、格闘ゲームとして体験できる。
敵を倒し続けるとフィーバーゲージが蓄積される。これを解放すると、高速コンボや即時テイクダウンなどの強力なアクションが発動できる。スキルツリーには30以上のアビリティが用意されており、倒したボス「アイドルズ」から固有のスキルを習得していく仕組みだ。
ネオン輝くストーリー——死んだドラマーの復讐劇

舞台はサイバーパンク的な近未来。主人公は「Charlie Disco」——かつて伝説のバンドのドラマーとして名を馳せたが、謎の死を遂げた男だ。
10年ぶりに生き返ったCharlieには一夜だけの時間が与えられる。元バンドメンバーたちは今や「Harmony Corp」という悪の音楽帝国に魂を売り、”アイドルズ”として君臨している。彼らと対決し、真実を暴く——それが本作のストーリーだ。
各ボス「アイドルズ」はそれぞれ個性的だ。パンクロッカーから転身した帝国の番犬「Hemlock」、AIによって作られた次世代ポップスター「Arora」、サイバネティクスで強化された天才ギタリスト「Dex」、業界の権力者「Prophet」……。彼らを倒すには、彼らのテーマソングに乗りながら戦わなければならない。音楽が武器であり、舞台装置でもある。

ボス戦は複数ステージ構成で展開される。雑魚敵との戦闘、電車を避けながらの格闘、ラップバトルの言葉を回避するステージ、巨大なAI女神との決戦——その演出の振り幅は驚くほど広い。インタラクティブなミュージックビデオを体験しているような、独特の高揚感がある。
「My Music」——あなたの曲で、世界を作れる

本作の隠れた魅力が「My Music」機能だ。手持ちのMP3ファイルをゲームに読み込み、自分の好きな曲で戦うことができる。BPMの自動解析機能も搭載されており、ある程度のチューニングは必要だが、自分のプレイリストでInfinite Discoモードを遊ぶことができる。
Steamでサウンドトラックを購入したことがある人なら「ついにこれを使う日が来た」と感動するかもしれない。
ゲーム内には30曲以上のオリジナルおよびライセンス楽曲が収録されており、配信者向けの「ストリーマーセーフモード」も実装済みだ。

さらに、拠点となる「The Encore」というバーを収集した記念品で復元していくことで、Charlieの死の真相が明かされる謎解き要素も存在する。ロックスターのファッションをカスタマイズし、グローバルリーダーボードで実力を競う——本作のコンテンツ密度は早期アクセスとは思えない。
早期アクセスである現実と、それでも光る才能
正直に書いておく。現時点での早期アクセス版にはいくつかの課題もある。

数時間プレイすると、敵の種類の少なさが気になりはじめる。チェックポイントの設置が少ないため、ボス戦の序盤でミスすると長い道のりを繰り返すことになる場面もある。ストーリーについても、各ボスのキャラクター描写はまだ浅く、「No Straight Roads」のような個性の濃さには及ばないという声も見られる。
しかし——それでも筆者は本作を強くすすめる。
開発元のBrain Jar Gamesは、BioWareやSuper Evil Megacorp、Trion Worldsといった大手スタジオのベテラン開発者が2024年に設立したスタジオだ。彼らのビジョンは明確だ。「お気に入りの曲に乗せて戦う格闘技の夢」を形にすること。そしてその核心——戦闘システムそのもの——は、完成している。

デモは140万人以上がプレイし、98%の圧倒的好評を獲得。早期アクセス版も94%好評という評価は、この「夢の核心」がちゃんと機能している証拠だ。
ロードマップには追加ボス、マルチプレイCO-OP、難易度拡張、UGCツールの強化が明記されており、1.0完成時には現在とは別物のボリュームになることが予想される。
基本情報
開発: Brain Jar Games, Inc.
販売: Brain Jar Games, Inc.
リリース日: 2026年5月5日(早期アクセス)
価格:3,150円(リリース2週間は20%オフで2,520円)
プラットフォーム: PC(Steam / Epic Games Store)、Steam Deck認定
プレイ人数: 1人(CO-OPはロードマップに記載)
言語: 日本語対応(全12言語)
ジャンル: リズム・ベルトスクロールアクション / キャラクターアクション
Steam評価: 非常に好評(94% – 1,711件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/3404260/Dead_as_Disco/
Epic Games Store: https://store.epicgames.com/p/dead-as-disco-de4d9d
公式リンク
公式サイト: https://deadasdisco.com/
X (Twitter): https://x.com/deadasdiscogame
YouTube: https://www.youtube.com/@DeadAsDiscoGame


