
協力プレイゲームの新たな傑作がここに……!
JAYFL Gamesが7年の歳月をかけて送り出した『Diner Bros 2』。前作『Diner Bros』の発売から実に7年、ついに待望の続編がSteamに登場した。
最初にプレイした印象を正直に言うと、「これは前作とどこが違うんだ?」という感じだった。しかし、実際にプレイしてみると……これがもう、協力プレイゲームとして完璧に進化していたのである。

7年越しの進化、その名は「カスタマイズ」
『Diner Bros 2』の最大の特徴は、なんといってもキッチンレイアウトの自由度だ。前作では決められた配置でプレイするしかなかったが、今作ではプレイヤーが自分たちの戦略に合わせてキッチンを自由にカスタマイズできる。
「フライヤーはここに置いて、グリルはあっちに……」なんて相談しながらレイアウトを考えるのが、これまた楽しい。友達と「いやいや、そこじゃ効率悪いでしょ!」なんて言い合いながら理想のキッチンを作り上げていく過程は、まさにこのゲームならではの醍醐味だ。

個性豊かすぎる客たち……もはや戦場
このゲームの真の恐怖は、やってくる客たちにある。一見かわいらしいカートゥン調のグラフィックに騙されてはいけない。ここはガチの戦場だ。
まず登場するのが「ジョガー」。この人、とにかく急いでいる。注文を取った瞬間から「早く早く!」とばかりに足をバタバタさせるので、こっちも必然的に焦ってしまう。
次に現れるのが「ティーンエイジャー」。この子がまた厄介で、いつまでも席に居座るのだ。回転率を重視するレストラン経営において、これは死活問題である。
そして極めつけは「パンク」。なんとこいつ、食い逃げを狙ってくるのだ。「おい待て!金払え!」と心の中で叫びながら、必死に料理を作る羽目になる。

協力プレイの楽しさは無限大
このゲームの真骨頂は、なんといっても最大4人での協力プレイだ。1人でプレイしてもそれなりに楽しめるが、友達と一緒にプレイすると楽しさが何倍にも膨れ上がる。
「チキン2つ、チーズバーガー1つ!」 「了解!フライドポテトも追加で!」 「あー、焦がした!」 「俺がカバーする!」
こんな具合に、まるで本当のレストランで働いているかのような連携プレイが楽しめる。うまく連携が取れたときの達成感といったら、もう他のゲームでは味わえないレベルだ。

「バーガー・ブロス」と「チキン・ブロス」、どちらを選ぶ?
現在のところ、プレイできるのは「バーガー・ブロス」(ハンバーガーレストラン)と「チキン・ブロス」(チキンレストラン)の2つ。それぞれ全く異なるゲームプレイが楽しめるので、両方プレイすることを強くおすすめする。
バーガー・ブロスは比較的シンプルで、パンにパティを挟んでトッピングを乗せるだけ。初心者でも取っ掛かりやすい。
一方、チキン・ブロスは調理工程が複雑で、フライドチキンを揚げる時間管理が重要になってくる。上級者向けといえるだろう。
どちらも最終的には3つ星レストランを目指すのだが、これがなかなかどうして、簡単には達成できない。フードクリティック(食品評論家)が来店したときの緊張感といったら……。

1人でも大丈夫?サーバー雇用システム
「友達がいないからできない……」なんて心配は無用だ。このゲームには「サーバー雇用システム」が搭載されており、1人プレイや2人プレイの際にはAIのサーバーを雇って手伝ってもらえる。
正直なところ、AIサーバーの動きは完璧ではない。時々「そこじゃない!」と思うような動きをすることもある。でも、それがかえって愛嬌に感じられるから不思議だ。
7年間の開発期間に込められた想い
開発者のJeff Louie氏は興味深いコメントを残している。「僕は最初、普段”ハードコア”なゲームで酔ってしまうパートナーと一緒にプレイするために『Diner Bros』を作った」
さらに、「第1作と続編の間に子どもが生まれて大きな休憩を取った。今では……僕の子どもの声が『Diner Bros 2』に入っている!」という心温まるエピソードも。
こうした家族愛に満ちた開発背景を知ると、このゲームの「みんなで楽しめる」というコンセプトがより深く理解できる。
エンドレスモードで腕試し
キャンペーンモードをクリアした後は、エンドレスモードが待っている。これがまた中毒性が高くて困る。「もう1回だけ……」と思って始めると、気がつけば何時間も経っているなんてことがザラにある。
エンドレスモードでは客が途切れることなくやってくるので、まさに料理人としての真の実力が試される。3回注文を失敗するとゲームオーバーなのだが、この緊張感がたまらない。

前作プレイヤーにも、新規プレイヤーにもおすすめ
『Diner Bros 2』は前作をプレイしていなくても十分楽しめる作りになっている。むしろ初めてプレイする人の方が、そのゲームデザインの完成度に驚くかもしれない。
一方で、前作ファンにとっては「懐かしさ」と「新しさ」の絶妙なバランスが楽しめる。基本的なゲーム性は維持しつつ、7年間の技術進歩と開発経験が活かされた、まさに「正統進化」といえる仕上がりだ。
価格も1,700円と、この内容を考えれば非常にリーズナブル。協力プレイゲームを探している人には、迷わずおすすめしたい一作である。
協力プレイゲームの新たな定番として、『Diner Bros 2』はきっと長く愛され続けるだろう。友達と一緒に、厨房で大騒ぎする準備はできているだろうか?
基本情報
- タイトル: Diner Bros 2
- 開発: JAYFL Games
- 販売: JAYFL Games
- 配信日: 2025年7月25日
- プラットフォーム: Steam
- プレイ人数: 1-4人(ローカル協力プレイ)
- 価格:1,700円
- 日本語: 対応
- ジャンル: 協力プレイ、料理、経営シミュレーション
- Steam評価: 非常に好評(87%)