
サルのゲームってこんなにアツかったのか…!
Steam で初めて『ダンジャングル』のストアページを見たとき、正直そんなに期待していなかった。ドット絵の可愛いサルが主人公の 2D アクション…「まあ、よくあるインディーゲームだろうな」と軽い気持ちでプレイしてみたのだが、これが大誤算。気が付けば早期アクセス時代から正式版まで、合計で 50 時間以上もプレイしてしまった。

早期アクセスの段階ですでに Steam で「圧倒的に好評」(97%)という驚異的な評価を獲得し、2024 年 12 月に待望の正式版がリリースされた本作。Dead Cells や Spelunky の系譜を受け継ぐ正統派ローグライトアクションでありながら、独自の魅力がぎっしり詰まった傑作に仕上がっている。
プレイしてすぐに感じたのは、その絶妙な難易度バランスだ。死んでも「もう一回!」と思わせる中毒性と、確実に上達している実感を得られる成長システムが見事に噛み合っている。これぞローグライクの醍醐味というべき、理想的なゲームループが完成している。
人間の友人を探すサルの冒険が、なぜこんなにドラマチックなのか

物語は至ってシンプルだ。主人公のサルが、ジャングルの奥深くへ探検に行ったまま帰ってこない人間の友人を探しに行く…それだけ。だが、このシンプルさこそが本作の魅力の一つでもある。複雑な設定に頭を悩ませることなく、純粋にアクションの楽しさに集中できるのだ。
ジャングルは謎の腐敗した力によって汚染されており、かつて平和だった生物たちが凶暴化している。サルは様々な武器と魔法を駆使して、7 つの異なるバイオームを駆け抜けていく。寺院、地下室、神秘的な洞窟…どのエリアも手作業で作られた部屋の組み合わせで構成されており、自動生成とは思えないほど丁寧な作り込みが光る。
特に印象的なのが、道中で出会うベビーモンキーたちの存在だ。檻に囚われた彼らを救出すると、以後の冒険で様々な支援をしてくれる。小さな猿たちが主人公の周りをチョロチョロと駆け回る様子は、見ているだけで心が温まる。単なる機能的な要素ではなく、ちゃんと「仲間」として描かれているのが嬉しい。
武器と魔法の組み合わせが生む、無限の戦略性

『ダンジャングル』の戦闘システムは一見シンプルだが、その奥深さは計り知れない。メイン武器 1 つとサブ武器 3 つの合計 4 つの装備スロットに、様々な武器や魔法をセットして戦う。剣、斧、弓、投げ槍から、魔法の球体や盾まで、30 種類以上の武器と 40 種類以上のサブ武器が用意されている。
さらに特筆すべきはエンチャントシステムだ。火、氷、風、雷の 4 つの属性を武器に付与することで、戦闘スタイルが劇的に変化する。火属性なら敵を燃やし続けるダメージ、氷属性なら動きを封じる効果、風属性なら敵を吹き飛ばす効果…これらを上手く組み合わせることで、自分だけの戦術を構築できる。

個人的に病みつきになったのは、投げ槍+雷属性の組み合わせだ。槍が敵を貫通して複数の敵にダメージを与え、さらに雷属性で感電による追加ダメージが発生する。敵の群れに一本投げ込んだ瞬間、バチバチと電撃が走って敵がバタバタ倒れていく爽快感は格別だった。
そしてこのゲームの素晴らしいところは、強力な装備を手に入れるたびにプレイスタイルを変えたくなる点だ。「今まで近接武器を使っていたけど、レア度の高い魔法杖を拾ったから魔法使いに転向してみよう」なんて気軽に方針転換できる。この柔軟性が、何度プレイしても新鮮な体験を生み出している。
15 種類のクラスで楽しむ、多彩なプレイスタイル

正式版では 15 種類のクラスが実装されており、それぞれが大幅に異なるゲーム体験を提供する。例えばバンパイア猿は、コウモリや狼に変身でき、通常の回復アイテムが使えない代わりに近接攻撃で敵からライフを吸収する。一方火猿は、すべての攻撃に炎属性が付与され、キルストリークを重ねると巨大な炎の蛇を召喚する。
筆者が最もハマったのは戦士熊だった。体力とメイン武器のダメージが大幅に上がる代わり、魔法や遠距離攻撃が弱くなる脳筋スタイル。「考えるな、感じろ」の精神で敵に突撃していく爽快感は、まさに熊のような豪快さがある。

これらのクラスは単なる数値の調整ではなく、根本的にゲームプレイが変わる。同じステージでも、使用するクラスによってまったく違うアプローチが必要になる。この多様性こそが『ダンジャングル』の大きな魅力の一つだ。
死んでも楽しい! 完璧に調整された成長システム

ローグライクの生命線とも言える死亡時のロスト要素が、本作では絶妙にバランス調整されている。死ぬと確かに装備やレベルは失うが、獲得した経験値とお金の一部は持ち帰れる。そして何より、解放した武器や魔法、救出したキャラクターは永続的に残る。
ハブエリアでは、持ち帰った資源を使って基礎ステータスの強化や新しい装備のアンロック、さらには新しいクラスの解放ができる。つまり死ぬたびに確実に強くなっていくのだ。この「死んでも前進している」感覚が、何度でもチャレンジしたくなる原動力になっている。
特に素晴らしいのは、アップグレードの選択肢が豊富な点だ。攻撃力を上げるか、体力を増やすか、それとも新しい装備を解放するか…限られた資源をどう使うかで、次のランの戦略が大きく変わる。この戦略的な要素が、単純な作業ゲーにならない工夫として機能している。
Dead Cells を超えた? 2D ローグライクの新たな到達点

『ダンジャングル』をプレイしていて真っ先に思い浮かんだのは、名作『Dead Cells』との比較だった。確かに基本的なゲームループや操作感は似ているが、本作にはそれを上回る独自の魅力がある。
最も大きな違いはカジュアルさだ。『Dead Cells』の骨太な難易度に対し、『ダンジャングル』はより多くのプレイヤーが楽しめるよう調整されている。それでいて上級者向けの高難度要素も用意されており、プレイヤーのスキルに合わせて楽しめる幅広さがある。
また、キャラクターの魅力も本作の大きな強みだ。主人公のサルをはじめ、登場するキャラクターたちは皆個性豊かで愛嬌がある。特にコメディ要素が随所に散りばめられており、プレイ中に思わずクスッと笑ってしまうシーンが多い。この親しみやすさが、ハードコアなローグライクとは一線を画している。
Steam Deck でも快適! どこでも楽しめるジャングル大冒険

本作は Steam Deck との相性も抜群だ。操作はシンプルで、携帯機器でも十分に快適にプレイできる。ちょっとした空き時間に「1 ラン だけ」と思って始めたら、気が付けば 2 時間経っていた…なんてことが何度もあった。
グラフィックも美しく、Switch や PlayStation でも同様の体験が楽しめる。特に Nintendo Switch 版では無料体験版も配信中なので、興味を持った方はまずそちらを試してみることをお勧めする。
まとめ:2024 年最高のローグライクアクションの一つ

『ダンジャングル』は、ローグライクアクションというジャンルの魅力を余すところなく詰め込んだ傑作だ。シンプルながら奥深い戦闘システム、豊富なビルド要素、完璧に調整された難易度バランス、そして何よりもプレイしていて純粋に楽しい。
97% の高評価は伊達ではない。Dead Cells や Hades といった名作に並ぶ、新たなローグライクの傑作が誕生したと言っても過言ではないだろう。
ジャングルの奥で待つ人間の友人を探しに、一緒に冒険に出かけてみないか? きっとあなたも、このサルの虜になるはずだ。
基本情報
- ゲーム名: ダンジャングル(Dunjungle)
- 開発: Patapez Interactive
- 販売: Astrolabe Games
- 対応プラットフォーム: PC(Steam)、PlayStation 5、PlayStation 4、Nintendo Switch、Xbox Series X|S
- 価格: 1,200円(Steam)、1,980円(PlayStation/Switch)
- リリース日: 2025年12月11日(正式版)
- 日本語対応: あり
- プレイ時間: 1ランあたり30分〜1時間、全コンテンツ制覇には50時間以上
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