
「これって…一体何の記録だったんだろう?」
ゲームを起動して最初に感じたのは、まさにこの困惑だった。目の前に広がるのは、断片的なニュース記事、曖昧な冒険者たちの写真、そして不完全なパーティ情報。『ギルド探求団へようこそ!』は、そんな混沌とした情報の海から真実を掘り起こす、まったく新しいタイプの推理パズルゲームなのだ。
「記録係」になるって、こういうことなのか
本作は、創立から1000日を迎えたファンタジー世界の冒険者ギルドを舞台にしている。プレイヤーは、何らかの理由で失われてしまったギルドの記録を復旧させる記録係として、78人の冒険者が20のパーティのどこに所属していたのか、そしてどのような結末を迎えたのかを推理していく。
「可愛いアシスタントと一緒に膨大な資料と記憶を探索する記録の旅」というキャッチコピーに惹かれてプレイを始めたが、いざ始まってみると想像以上に奥深い。単純なパズルゲームではなく、『Return of the Obra Dinn』のような推理要素と『鏡のマジョリティア』的な情報解読の要素が見事に融合した作品だった。
パルソニック氏の新境地がここに
開発者のパルソニック氏といえば、フリーゲーム『鏡のマジョリティア』で一躍有名になった才能ある個人開発者だ。専門用語だらけのカードゲームのルールを推理しながらバトルする、あの革新的な作品の作者による新作ということで期待していたが、今回も期待を見事に上回ってくれた。

『鏡のマジョリティア』では「ルール解読」が主軸だったが、本作では「記録復旧」という新たなアプローチで推理ゲームの可能性を広げている。テキストから情報を読み取るだけでなく、写真の服装やアクセサリー、時系列の矛盾、メタ的なルールまで、ありとあらゆる情報源を駆使する必要がある。
情報の断片から浮かび上がる人間ドラマ
ゲーム開始時は、冒険者たちの顔と名前すら一致しない状況からスタートする。しかし、ニュース記事の小さな記述、パーティ紹介の曖昧な表現、写真に写った装飾品の違いなど、様々な手がかりを組み合わせていくうちに、次第に一人ひとりの個性と関係性が見えてきる。

特に印象的だったのは、単なるパズルを解いているだけなのに、気づけばこのギルドの人々に愛着を感じていることだった。「オネットのせいでAランクと勘違いしてて…」「インタビュー時は変態感凄かったのに最終的にはちびっ子を守る最強長髪残念イケメンと化した」など、プレイヤーたちの感想を見ても、キャラクターへの愛情が滲み出ている。
11時間の格闘 – 想定以上の歯ごたえ
作者の想定クリア時間は5時間ほどとされているが、実際にプレイしたユーザーからは「11時間かかった」「普通に5時間で解いたら天才だと思う」といった声が多数上がっている。筆者も実際にプレイしてみたが、確かにこの難易度は侮れない。

論理パズルの苦手な人は特に苦労するかもしれないが、だからこそ解けた時の「アハ体験」は格別だ。一つの情報が確定すると、芋づる式に他の謎が解けていく瞬間の快感は、まさに推理ゲームの醍醐味といえる。
これは「テキスト推理」の新たな可能性
本作の最大の魅力は、テキストベースの推理ゲームの新たな可能性を示したことだろう。グラフィックや演出に頼らず、純粋に「情報の整理と推理」で勝負している。しかも、単なる論理パズルではなく、そこに人間ドラマが織り込まれているため、最後まで飽きることなくプレイできる。

『Type help』のような過去記事探索要素、『Return of the Obra Dinn』のような状況推理、そして『鏡のマジョリティア』の系譜である情報解読。これらの要素が見事に融合した、推理ゲームの新境地といっても過言ではない。

基本情報
ゲーム概要
- 開発・発売: ぱるそに工房
- プラットフォーム: PC (Steam)
- 価格: 470円(税込)
- プレイ時間: 5~11時間(個人差あり)
- 難易度: ★★★★☆(論理思考力が必要)
- ジャンル: 推理パズル
- リリース日: 2026年2月6日
おすすめ度
- 推理ゲーム好き: ★★★★★
- パズルゲーム好き: ★★★★☆
- ストーリー重視: ★★★★☆
- カジュアル層: ★★★☆☆
購入リンク・関連情報
購入先
関連情報
- 開発者: ぱるそに工房(パルソニック氏)
- 前作: 『鏡のマジョリティア』(フリーゲーム)
- 公式サイト



