
これが協力型カードゲームの完成形だ!
「カードゲームを友達と一緒に遊びたい」——そう思ったことがある人は多いはず。しかし現在のデジタルカードゲームの多くは1対1の対戦や、ソロプレイが主流となっている。『Slay the Spire』のような名作デッキビルダーも基本的には一人旅だ。
そんな中、ポーランドの開発スタジオThing Trunkが放った『HELLCARD』は、最大3人協力プレイに対応したデッキ構築型ローグライクという、まさに「求めていたもの」を実現した作品である。2024年2月に正式リリースを迎え、Steamで89%という驚異的な高評価を獲得している本作の魅力を紹介したい。
“紙の世界”で繰り広げられる協力カードバトル

『HELLCARD』は、同スタジオの前作『Book of Demons』と世界観を共有する「ペーパーバース」シリーズの第2作目だ。その名の通り、ポップアップ絵本のような紙細工風のグラフィックが印象的で、キャラクターも敵も、まるで厚紙から切り抜いたような独特の魅力を持っている。
プレイヤーは戦士、盗賊、魔法使い、機械師の4クラスから選択し、12階層のダンジョンに挑む。ソロプレイ時はAIがコンパニオンを操作してくれるため、常に3人チームでの冒険が楽しめる仕様だ。
モンスターの”位置”が戦略を決める独自システム

本作最大の特徴は、モンスターの配置が戦闘に直接影響する「位置システム」だ。戦場は各プレイヤーのエリアに分かれ、さらに「近距離(Near)」と「遠距離(Far)」の2つのレンジに分類される。
敵は基本的に自分のエリアにいるプレイヤーを狙うが、一部の敵は特定の距離からしか攻撃できない。この仕組みを利用し、敵をカードで移動させたり、味方同士で敵を押し付け合ったりする戦術が重要になる。範囲攻撃カードも敵の配置を考慮してターゲットサークルを設置する必要があり、従来のカードゲームにはない立体的な戦略性を生み出している。
400枚超のカードで実現する多彩なビルド
戦闘はターンベースで進行するが、各プレイヤーのアクションはリアルタイムで実行される。マナを消費してカードを使用し、攻撃、防御、バフ、デバフなど様々なアクションを繰り出していく。

カードの種類は400枚を超え、クラスごとに異なる特色を持つ。戦士は仲間への防御支援と近接攻撃が得意、盗賊は爆弾を使った遠距離攻撃、魔法使いは強力な呪文の代償としてデバフカードを背負う、機械師は「コントラプション」と呼ばれる設置型装置を駆使する。
アーティファクト(永続的な強化アイテム)も豊富に用意されており、同じクラスでも全く異なるビルドを楽しむことができる。「すべての攻撃が必ず会心だが、会心ダメージは60%減少」といった、一見矛盾するような効果を持つアイテムも存在し、プレイヤーの創意工夫が試される。
協力プレイこそが真の醍醐味
本作の真価はマルチプレイにある。3人のプレイヤーが連携して巨大な敵の群れに立ち向かう爽快感は格別だ。ピンチの瞬間に仲間が救援に駆けつけたり、完璧なコンボが決まったりしたときの達成感は、ソロプレイでは味わえない特別な体験となる。
オンラインマッチングも活発で、時間を問わず他のプレイヤーとの協力プレイを楽しめる。フレンドと遊ぶもよし、見知らぬプレイヤーと出会うもよし、どちらでも楽しめる懐の深さが本作の魅力の一つだ。
高い難易度とやり込み要素
一方で、本作は決して簡単なゲームではない。12階層のダンジョンをクリアするだけでも相当な実力が要求され、多くのプレイヤーが5〜6階層で力尽きてしまう。しかし失敗してもキャラクターは成長し、新たなアーティファクトやカードがアンロックされていく。この「負けても前進している」感覚がプレイ継続の原動力となっている。
クリア後にはエンドレスモードや、ゲームを更に困難にする「トーメント」モディファイアも解禁される。最近では待望のDLC「Bruja」も登場し、新クラスと新たな冒険が追加された。
日本語対応で敷居も下がった

2024年3月のアップデートで待望の日本語対応を果たし、日本のプレイヤーにとってもアクセスしやすくなった。コミュニティ翻訳者の協力により実現したという経緯もあり、開発チームの日本市場への想いが感じられる。
さらに本作にはmod対応も実装されており、コミュニティによる新クラス「Hexer(ヘクサー)」なども楽しめる。開発チームは今後のロードマップも公開しており、継続的なアップデートが期待できそうだ。
まとめ:協力型カードゲームの新たな可能性
『HELLCARD』は、デッキ構築型ローグライクというジャンルに「協力プレイ」という新しい風を吹き込んだ意欲作だ。位置システムによる戦略性、400枚を超える豊富なカード、そして何より仲間と一緒に困難に立ち向かう楽しさは、他では味わえない特別な体験を提供してくれる。

一人でじっくり考えながら進むのも良いが、時には仲間と一緒にワイワイ騒ぎながらカードゲームを楽しみたい——そんな人にこそ、ぜひ手に取ってほしい作品だ。
基本情報
タイトル: HELLCARD
開発: Thing Trunk
パブリッシャー: Skystone Games, Surefire.Games
プラットフォーム: PC (Steam)
リリース日: 2024年2月1日
価格: 2,799円
日本語対応: あり
プレイ人数: 1-3人(協力プレイ)
ジャンル: 協力型デッキ構築ローグライク
購入リンク: Steam