おすすめ記事舞台は「地球まるごと」。たった一人で作られた終末RTS『Machinefall』が、宇宙から街角までシームレスに戦場にする自分の手で汚れ、自分の手で育てる。ミニチュアな町づくり『Go-Go Town!』が7月16日、ついに正式リリース(1.0)へ君はコーチではなく、GMだ。実在プロチームを率いる『Esports Manager 2026』は、eスポーツ版フットボールマネージャーを本気で目指す相棒は、一台のオンボロ・ステーションワゴン。異常地帯を生き延びるドライブ・サバイバル『Pacific Drive』の、忘れがたい孤独と絆その一声が、仲間を殺す。「NGワード」を叫んだら即アウトの声で遊ぶ協力ホラー『Cursed Companions』が、通話飲みで大惨事を生む2年の歳月を経て、ついに完成形へ。社会現象『Palworld』が2026年7月10日、早期アクセスを卒業して正式リリース(v1.0)を迎える荷物を仕分けるだけで、こんなに満たされるとは。猫の郵便局を建て直す整頓シム『にゃんこ郵便局』の、静かで確かな癒し おすすめ記事舞台は「地球まるごと」。たった一人で作られた終末RTS『Machinefall』が、宇宙から街角までシームレスに戦場にする自分の手で汚れ、自分の手で育てる。ミニチュアな町づくり『Go-Go Town!』が7月16日、ついに正式リリース(1.0)へ君はコーチではなく、GMだ。実在プロチームを率いる『Esports Manager 2026』は、eスポーツ版フットボールマネージャーを本気で目指す相棒は、一台のオンボロ・ステーションワゴン。異常地帯を生き延びるドライブ・サバイバル『Pacific Drive』の、忘れがたい孤独と絆その一声が、仲間を殺す。「NGワード」を叫んだら即アウトの声で遊ぶ協力ホラー『Cursed Companions』が、通話飲みで大惨事を生む2年の歳月を経て、ついに完成形へ。社会現象『Palworld』が2026年7月10日、早期アクセスを卒業して正式リリース(v1.0)を迎える荷物を仕分けるだけで、こんなに満たされるとは。猫の郵便局を建て直す整頓シム『にゃんこ郵便局』の、静かで確かな癒し 
Review / レビュー

『HOTEL BARCELONA』評価と注意点。大型アップデート後に見え方が変わったSUDA51×SWERYの血みどろホテル

文・みんなのインディー編集部·2025.10.01·HOTEL BARCELONA
『HOTEL BARCELONA』評価と注意点。大型アップデート後に見え方が変わったSUDA51×SWERYの血みどろホテル

まさかこの2人がタッグを組むとは……!

Steamのストアページで初めて見たときは、その開発者の名前に驚いた。SUDA51とSWERY──この2つの名前が並んでいるのを見た瞬間、筆者の頭には「面白そう!」よりも「大丈夫なの?」という不安の方が強かった。

カルトクラシック『デッドリープレモニション』で知られるSWERYと、『ノーモア★ヒーローズ』シリーズで一世を風靡したSUDA51。どちらも独特すぎるセンスで熱狂的なファンを持つ一方、「完成度よりもアイデアと勢いで押し切る」タイプの開発者として知られている。

そんな2人が組んだ『HOTEL BARCELONA』は、発売直後からかなり荒れた。操作感の重さ、敵バランス、マルチプレイ周り、そして終盤素材に含まれていた生成AI要素。正直、最初の印象だけで語るなら「やっぱり危なかったか……」で終わってもおかしくなかった。

ただ、2026年3月の大型アップデート「Under New Management」以降、話は少し変わっている。移動、攻撃後の硬直、パリィ、回避、敵のリアクション、マルチプレイ、導入部分、パフォーマンスまで手が入り、Steam評価も「賛否両論」から「やや好評」まで戻した。いわゆる名作に化けた、というより、ようやくこの変なホテルの入口まで辿り着きやすくなった、という感じに近い。

設定だけで既にヤバい匂いがする。

『HOTEL BARCELONA』の舞台は、ペンシルベニア州とウェストバージニア州の州境にある謎のホテル。プレイヤーは連邦保安官のジャスティン・ベルンシュタインとなって、このホテルに巣食う連続殺人犯たちを殲滅する……のだが、話はそう単純ではない。

ジャスティンの心の中には、もう1人の人格「Dr.カーニバル」という狂気の殺人鬼が宿っている。復讐に燃える正義の保安官と、血に飢えた狂人。相反する2つの人格が1つの身体を共有しながら戦うという、いかにもSUDA51とSWERYが好きそうな設定である。

しかも舞台となるホテルは、『シャイニング』のオーバールックホテルを思わせる不気味な雰囲気。館内の各エリアは80年代ホラー映画の様々なサブジャンルをオマージュしていて、「お前ら絶対ホラー映画好きだろ」と言いたくなる露骨な映画愛がそこら中に転がっている。

2.5Dアクションは、アップデート後もかなり癖がある。

本作は2.5D見下ろし型のローグライクアクションだ。各ステージは複数の部屋で構成されており、扉を選んで進みながら最終的にボスを倒す。構造だけ見ればわかりやすい。

ただ、触った瞬間に「軽快なローグライクアクション」を想像するとズレる。ジャスティンの動きは今でも重めで、攻撃のテンポも独特。大型アップデートで移動や攻撃後の硬直は改善されているが、それでも『HADES』のような滑らかさを期待すると肩透かしを食う。

ここは本作の評価が分かれるところだと思う。アップデートによって理不尽さは減ったが、ジャンクさそのものが消えたわけではない。むしろ、ぎこちなさ込みで「このホテルの足場の悪さ」みたいな手触りになっている。気持ちよく敵を溶かすゲームではなく、妙に湿った床を踏みしめながら殺人鬼の群れに突っ込むゲームだ。

面白いのが「スラッシャー・ファントム」システム。死ぬたびに過去の自分の幻影が生まれ、次の周回では最大4体まで一緒に戦ってくれる。この幻影は前回の動きをなぞるため、うまく立ち回ればボス戦で頼れる支援になる。逆に、雑に動いた周回の自分は、次の周回でも雑に暴れている。

死んだ自分が、あとからホテルの廊下で加勢してくる。このアイデアはかなり好きだ。ローグライクの「死んで覚える」を、ちゃんと画面上の亡霊として残してくれる。うまくハマると、過去の自分たちが一斉にボスへ斬りかかる変な達成感がある。

血飛沫ゲージも本作らしい。敵を倒すたびにジャスティンの身体に血が付着し、ゲージが溜まっていく。満タンになると「カーニバル・アウェイクニング」という必殺技を発動でき、画面内の敵を一気に処理できる。

発動時の演出は派手で、悪趣味で、かなりSUDA51っぽい。ジャスティンの中に眠るDr.カーニバルが覚醒し、画面が一気に血の祭りになる。ただし、使いどころは少し難しい。温存しすぎると抱え落ちするし、雑に撃つと次の部屋で泣くことになる。このへんの間の悪さも、本作の変な味として残っている。

アップデート後に何が変わったのか

2026年3月の「Under New Management」は、単なる細かい修正ではなく、遊び心地をかなり組み替えるタイプのアップデートだった。Steamストア上でも、移動速度、戦闘後硬直、パリィ、回避、敵リアクション、マルチプレイの公平性、序盤体験、パフォーマンス改善が明記されている。

これにより、発売直後に目立っていた「動かしていてしんどい」「敵が硬い」「序盤で何を面白がればいいかわからない」という印象は薄まった。Steam全体評価も、2026年7月時点では268件中70%の「やや好評」まで持ち直している。

ただし、70%という数字は手放しの高評価ではない。熱心なファンが支え直した結果でもあり、合わない人は今でも合わない。この記事ではそこを無理に美談にしない。『HOTEL BARCELONA』は、アプデで丸くなったというより、尖ったまま歩きやすい靴を履いたゲームだ。

協力プレイとPvPは、遊び方を選ぶ

『HOTEL BARCELONA』には最大3人までのオンライン協力プレイがある。ソロでも十分カオスな本作を複数人で遊ぶと、画面内にスラッシャー・ファントムと血飛沫と敵が混ざって、もう何が起きているのかわからなくなる瞬間がある。

それは欠点でもあり、魅力でもある。きっちり役割分担して攻略するタイプの協力ゲームというより、「うわ、今の誰の幻影?」「なんか全員死んだ」みたいな事故を笑える人向けだ。

PvPでは他のプレイヤーのゲームに侵入して邪魔することもできる。通常プレイでも死にやすいゲームなので、人間のプレイヤーに襲われるとかなり荒れる。対戦の完成度を求めるというより、ホテルの悪夢にもう一段ノイズを足すモードとして見るほうが近い。

日本語対応とSteam Deckの見方

日本語はSteam版でUI・字幕・音声まで対応している。ここはかなりありがたい。SUDA51とSWERY作品は台詞のクセや固有名詞のノリが強いので、字幕だけでなく音声面まで日本語対応しているのは、日本の読者にとって大きい。

Steam Deckについては、Steamストア上でレビューの絞り込み項目として「Steam Deckで主にプレイ」が用意されている一方、この記事執筆時点ではストア本文から正式なDeck認証は読み取れなかった。推奨スペックはGeForce RTX 2070 / Radeon RX 5700 XTが挙がっており、軽い2Dゲームのつもりで見ると少し重めだ。携帯機で遊びたい人は、パフォーマンス設定や最新の動作報告を確認してからのほうが安心だと思う。

気になる点も正直に

まず、操作感は今でも人を選ぶ。大型アップデートで確かに遊びやすくなったが、スピード感のあるローグライクアクションを期待すると、まだ「遅い」「硬い」と感じる場面はある。

次に、物語の濃さをSWERY作品基準で期待しすぎると肩透かしになる。設定やキャラクターの濃さはあるが、カットシーンや会話の密度はそこまで厚くない。『デッドリープレモニション』的な奇妙な人間ドラマを浴びたい人には、少し薄味に感じるはずだ。

そして、生成AI素材をめぐる騒動は無視しづらい。パブリッシャー側は謝罪し、該当要素を人間制作の素材へ置き換える方針を示したうえで、後のアップデートで改善が進んだ。それでも、こうした経緯が気になる人はいると思う。むしろ本作をいま見るなら、「最初から綺麗に成功した作品」ではなく、「かなり危うい形で出て、後から必死に立て直した作品」として捉えたほうがフェアだ。

Steam評価も2026年7月時点で「やや好評」70% / 268件。良くなったとはいえ、圧倒的好評ではない。この数字は、本作の魅力と粗さがまだ同じホテルに泊まっていることをよく表している。

それでも、これは「らしい」作品だ

『HOTEL BARCELONA』は決して整ったゲームではない。操作性は癖が強く、構成にも荒さがある。ストーリーも、期待していたほど深くはない。全体的にB級感が漂っている。

しかし、だからこそ「SUDA51とSWERYらしい」作品になっているとも言える。完成度よりもアイデアと勢いで突っ走る姿勢、ジャンルの境界線を平気で踏み越える大胆さ、そして何より「他では絶対に体験できない」独特の世界観。これらはまさに2人の真骨頂だ。

プレイしていて「なんじゃこりゃ」と思う場面が山ほどあるが、同時に「こんなゲーム他にないよな……」とも思う。良くも悪くも、唯一無二の体験を提供してくれる作品だ。

6〜7時間ほどで一通り完走できるが、スラッシャー・ファントムを活用した攻略や、ビルドの試行錯誤まで含めると、繰り返し遊ぶ余地はある。

完璧を求める人には勧めづらい。それでも、「ジャンクでカオスで、それでいて愛らしい」ゲームを求めているなら、このホテルの扉を叩く意味はまだある。発売直後の評判だけで閉じた人ほど、アップデート後の変化は一度見直してもいい。

チェックアウトはいつでもできるが、変な廊下の匂いだけはしばらく残るはずだ。

基本情報

タイトル: HOTEL BARCELONA

開発: White Owls Inc.

パブリッシャー: White Owls Inc.

プラットフォーム: Steam, PlayStation 5, Xbox Series X|S

リリース日: 2025年9月26日

プレイ人数: 1人、オンライン協力プレイ最大3人、オンラインPvPあり

プレイ時間: 6〜7時間前後

難易度: 初心者〜上級者向け。難易度設定あり

Steam評価: やや好評(70% / 268件、2026年7月6日確認)

日本語: UI・音声・字幕対応

公式リンク:

Game Data
タイトル
HOTEL BARCELONA
開発
White Owls Inc.
ジャンル
PvP / アクション / オンライン協力プレイ / コメディー / シングルプレイヤー / ハックアンドスラッシュ / ホラー / メトロイドヴァニア / ローグライク
対応
Steam・PlayStation 5・Xbox Series X|S
難易度
初心者向け
プレイ時間
6-7時間
Steam評価
やや好評 (70% / 268件)
配信日
20250926

最新情報をお見逃しなく

新作ゲームのレビューや特集を定期的にお届けします。

をフォロー →