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Review / レビュー

『HumanitZ』レビュー:Project Zomboid好きはハマる?拠点づくり・ソロ・マルチの遊び心地を語る

文・みんなのインディー編集部·2026.02.16·HumanitZ
『HumanitZ』レビュー:Project Zomboid好きはハマる?拠点づくり・ソロ・マルチの遊び心地を語る

『HumanitZ』とはどんなゲームなのか

『HumanitZ』は、ゾンビに文明を食い荒らされた世界で、物資を漁り、拠点を作り、車を走らせ、とにかく今日を生き延びる見下ろし視点のオープンワールドサバイバルゲームだ。

開発はYodubzz Studios、パブリッシャーはindie.io。2023年の早期アクセス開始から約2年を経て、2026年2月6日に正式版1.0としてリリースされた。Steamではソロプレイ、オンライン協力プレイ、オンラインPvPに対応しており、日本語インターフェースにも対応している。

ひと言で説明するなら、かなり『Project Zomboid』を連想させるタイプのゾンビサバイバルである。ただし、実際に触ってみると方向性は少し違う。『Project Zomboid』が生活シミュレーション寄りの細かさでじわじわ首を絞めてくるゲームだとしたら、『HumanitZ』はもう少し直感的で、探索、戦闘、クラフト、車両、拠点づくりの気持ちよさを前に出してくる。

だからこそ最初の印象は少し不思議だ。「ああ、ゾンビサバイバルね」と思って始めるのに、数時間後にはバッグの容量、木材の確保、車の燃料、感染ゲージ、冬に向けた食料、次にどこを漁るかを真面目に考えている。派手なゲームではないのだが、気づくと頭の中が終末生活で埋まっていく。

まず惹かれるのは、ゾンビよりも生活の手触り

『HumanitZ』の面白さは、ゾンビを倒すことそのものよりも、その周辺にある「生活の手触り」にある。

町へ行けば物資は多い。だが当然、Zeekと呼ばれるゾンビも多い。郊外に逃げれば比較的安全だが、今度は素材集めや移動が面倒になる。森の中で静かに暮らすのか、リスクを取って都市部に近い場所を拠点にするのか。この立地選びの時点で、もうプレイヤーの性格が出る。

最初はどうしても安全そうな場所にこもりたくなる。筆者も早期アクセス時代はそうだった。森の奥ならゾンビの足音に怯える時間は減るし、拠点を作っているだけで妙な安心感もある。だが、いざ金属、医療品、燃料、弾薬が足りなくなった瞬間に、遠すぎる拠点は自分の首を絞め始める。

結局、このゲームで強いのは「完全に安全な場所」ではなく、「危険に近いけど逃げ道がある場所」なのだと思う。都市部に近すぎると群れに飲まれる。離れすぎると生活が鈍る。ちょうどいい不便さの場所を見つけて、そこに壁を立て、電気フェンスを張り、車を停め、少しずつ自分の縄張りにしていく。この感覚がかなり良い。

拠点づくりも単に壁を置くだけでは終わらない。フェンス、バリケード、発電、保管、クラフト設備、車両の扱いまで含めて、生活の基盤を整えていく感じがある。特に車が手に入ってからの行動範囲の広がりは分かりやすい。徒歩でビクビクしていた世界が、車を手に入れた瞬間に少しだけ自分のものになる。

もちろん、その慢心がだいたい事故を呼ぶ。荷物を積みすぎた帰り道、燃料を気にしながら知らない道に入ってしまった時の嫌な汗。あの感じは、この手のゲームが好きな人ならかなり分かるはずだ。

ソロでも遊べる。だがマルチの方が物語は濃くなる

『HumanitZ』はソロでも普通に遊べる。むしろ一人で黙々と拠点を整え、近場を漁り、少しずつ行動範囲を広げていく遊び方はかなり相性がいい。余計な会話がないぶん、物資が足りない不安や、夜に出歩く怖さも濃くなる。

ただ、このゲームの本領はやはりマルチプレイ側にある。最大4人での協力プレイはもちろん、PvEやPvPのサーバーで他プレイヤーが混ざると、ゾンビより人間の方が怖いという、終末ものらしい空気が一気に出てくる。

完全に敵というわけではない。だからこそ面白い。物資を分けるのか、取引するのか、距離を置くのか。相手が近づいてきた時、銃を向けるほどではないが、背中を見せるほど信用もできない。この微妙な間合いが、ソロでは出せないドラマを作る。

フレンドと遊ぶ場合も、役割分担が自然に生まれる。拠点に残ってクラフトを進める人、車で遠征する人、食料や農業に寄せる人、戦闘に寄せる人。ゲーム側が強制してくるわけではないのに、気づくとそれぞれの生存担当が決まっていく。このあたりは、職業とスキルシステムが地味に効いている。

職業とスキルは、思ったより重い

1.0以降の『HumanitZ』でかなり印象が変わったのが、職業とスキルまわりだ。

職業にはそれぞれの強みがあり、泥棒ならロックピックやステルス寄りの立ち回りに魅力があるし、農業系に寄せれば長期生活の安定感が変わってくる。消防士のように戦闘面で惹かれる職業もある。最初は「なんとなく」で選んでも遊べるのだが、ある程度進むと、スキルポイントの使い道で普通に悩む。

これが良い。というより、この悩みこそサバイバルゲームっぽい。

木材を多く取れるスキルを今取るべきか。バッグ容量を増やすべきか。感染対策に寄せるべきか。近接を嫌って弓やクロスボウで済ませるのか、それとも後々のために近接を伸ばすのか。銃は強いが、音も弾薬消費も怖い。サプレッサー付きなら話は変わるが、そう都合よく全部そろうわけでもない。

このあたりの迷いが、単なるクラフトゲームではなく「自分の生存者を作っている」感覚につながっている。攻略的に最適解だけを追えばまた違うのだろうが、『HumanitZ』はロールプレイの余地もある。盗みに慣れた生存者が、終末世界で畑を耕し始める。そういう妙な物語が自然に立ち上がるのは、このゲームの好きなところだ。

感染、荷物、乗り物。不便さがサバイバルを作っている

ゾンビサバイバルにおいて、不便さは敵であり、味でもある。

『HumanitZ』はこのバランスがまだ完全に洗練されているわけではない。インベントリ管理は少しもたつくし、UIも最初は分かりやすいとは言い切れない。素材が足りない、何を優先して持ち帰るべきか分からない、回復アイテムや感染対策の理解が追いつかない。序盤は特に、ゲームに試されているというより、ゲームの作法に慣れる時間が必要になる。

だが、その不便さが全部悪いかというと、そうでもない。

バッグに何を入れるか悩む時間。近接武器で一体ずつ処理するか、弾を使ってでも早く抜けるか迷う瞬間。感染ゲージを見ながら、今戻るべきか、あと一軒だけ漁るべきか考える欲。車があるから大丈夫だと思っていたら、燃料や耐久で急に現実に引き戻される感覚。移動手段も車だけではなく、馬に乗って静かに道を行くような選択肢もあり、終末世界の移動そのものが小さな決断の連続になっている。

この手の面倒くささが苦手な人には、たぶん合わない。逆に、終末世界で生活している感じが欲しい人には刺さる。『HumanitZ』はその線引きがかなりはっきりしているゲームだと思う。

気になる点はまだある。でも放置されているゲームではない

正直に言えば、『HumanitZ』はまだ粗い。

Steamレビューでも指摘されがちなバグや挙動の不安定さ、UIの分かりにくさ、サーバーまわりのトラブルは、実際にこのゲームを評価するうえで避けて通れない。特にマルチや専用サーバーで遊ぶ場合、セーブ、車両、クラフト、同期まわりの安定感はかなり大事になる。

ただし、ここで救いなのは、開発が止まっている感じはしないことだ。正式リリース後もサーバーデータのロールバック、セーブファイルの肥大化、専用サーバーでのクラフト切断、車内でゾンビ犬に噛まれる問題、車両への給油、地形やスポーンの不具合など、かなり実プレイに近い部分の修正が続いている。

この事実はけっこう大きい。荒いゲームと、荒いまま放置されているゲームは違う。『HumanitZ』は前者だ。もちろん今すぐ完璧なサバイバル体験を求めるなら不満は出るだろうが、少なくともプレイヤーの報告を拾いながら直していく意思は見える。

だから記事としても、手放しで「完成度が高い」と言うより、「粗削りだが、ちゃんと遊ばれていて、ちゃんと直されている」と言うのが一番しっくりくる。

【2026年最新】ロードマップ公開と、NPC勧誘システム

正式版になった後も、『HumanitZ』は「ここで完成」とは考えていないようだ。

開発元は2026年のロードマップを公開し、大型アップデートと継続的な開発、そして今後の実装に向けたいくつかの「開発者スポイラー」を示している。「これはまだ始まりに過ぎない」という言葉どおり、1.0はゴールではなく次の進化のスタート地点、という姿勢だ。

その目玉のひとつが、新しいNPC勧誘(リクルート)システムだ。人間のNPCを仲間にできる仕組みが実験ブランチ(Experimental Branch)で先行公開される予定で、これはあくまで1.0以降の追加要素として、まずはソロプレイ向けに導入されるとされている。ずっと「一人か、フレンドとだけ」だったこのゲームに、勧誘した仲間と拠点を守るという新しい遊び方が加わるのは大きい。

アップデートの頻度についても、開発元は正直だ。おおよそ2週間ごとの更新を目標にしつつ、小規模チームにとってそれが常に現実的とは限らないため、スケジュールを無理に守るよりも、テストと仕上げを優先すると明言している。派手な約束で盛るのではなく、直せるところを着実に直していく——このスタンスは、粗削りな本作を長く追いかけるうえでは、むしろ安心材料と言っていい。

Project Zomboidの代わりになるのか

このゲームを語る時、『Project Zomboid』との比較は避けられない。

見下ろし視点、ゾンビ、物資漁り、拠点、車、サバイバル。キーワードだけ並べればかなり近い。実際、『Project Zomboid』が好きな人ほど『HumanitZ』に興味を持つはずだし、検索でもそこを気にしている人は多いと思う。

ただ、完全な代替を期待すると少し違う。

『Project Zomboid』は、細かすぎるほど生活を分解して、その積み重ねで絶望を作るゲームだ。『HumanitZ』はそこまで生活シムに振り切ってはいない。戦闘や探索、車両、クラフト、協力プレイのテンポは比較的分かりやすく、遊び始めの取っつきやすさはこちらの方が上に感じる人もいるだろう。

その代わり、家や環境との細かいインタラクション、生活管理の深さ、シミュレーションとしての重みでは、まだ『Project Zomboid』の方が濃い。『HumanitZ』は「Zomboidを置き換えるゲーム」ではなく、「Zomboid好きが別腹で遊ぶゾンビサバイバル」と捉えた方がいい。

この距離感を間違えなければ、かなり楽しめる。あのジャンルの面倒くささは好き。でも、もう少し戦闘や拠点づくり、車での遠征を分かりやすく楽しみたい。そういう人には、ちゃんと候補に入る一本だ。

序盤は何をすればいいのか

『HumanitZ』の序盤は、親切すぎるゲームではない。

最初から壮大な拠点を作ろうとすると、だいたい物資が足りない。遠出しすぎると帰りが怖い。銃を撃てば楽になる場面もあるが、音と弾薬の問題がついて回る。結局、序盤に大事なのは派手な攻略ではなく、生活を安定させることだ。

まずは水、食料、容量のあるバッグ、信頼できる近接武器、最低限の回復手段を確保したい。余裕が出たら、車と燃料、クラフト素材、寝床、保管場所を整えていく。感染まわりの理解も早めにしておいた方がいい。よく分からないまま噛まれて、よく分からないまま悪化していくのが一番怖い。

とはいえ、最初から完璧にやる必要はない。むしろ失敗して、拠点の場所が悪かった、荷物を持ちすぎた、夜に出るべきではなかった、と覚えていくゲームだ。そういう意味では、序盤の不親切さも含めて『HumanitZ』らしい。

どんな人におすすめか

『HumanitZ』は、ゾンビサバイバルなら多少の不便さも味として受け止められる人に向いている。

拠点づくりが好き。物資を漁るだけで楽しい。車で危険地帯に出かけて、荷台いっぱいに戦利品を詰めて帰ってくる瞬間が好き。フレンドと役割分担しながら、今日は畑、明日は遠征、次は拠点強化、みたいな終末生活をやりたい。そういう人ならかなり刺さる可能性がある。

逆に、チュートリアルからUIまで全部きれいに整っていて、バグや不安定さに邪魔されないゲームだけを遊びたい人にはまだおすすめしにくい。『HumanitZ』は完成版になったとはいえ、まだアップデートで形を整えている途中のゲームでもある。

ただ、その途中感を含めて追いかけられるなら面白い。コミュニティの声を受けて修正が入り、ロードマップで今後の追加要素も示され、ゲームが少しずつ育っていく感覚がある。インディーゲームらしい荒さと熱が、かなり分かりやすく残っている。

総評:不便さも含めて、終末生活にハマれる人向け

『HumanitZ』は、完璧なゾンビサバイバルではない。

UIには慣れがいる。バグや不安定さもまだある。序盤は説明不足に感じる場面もあるし、人によっては「もっと深く生活させてほしい」と思うかもしれない。

それでも、物資を探し、拠点を作り、車を直し、感染に怯え、次の遠征先を決める時間には、他のゲームでは代えにくい魅力がある。粗さを乗り越えた先にあるというより、粗さと一緒に終末世界を生きている感覚がある。

『Project Zomboid』のようなゾンビサバイバルが好きで、もう少し直感的にクラフトや戦闘、マルチのドラマを楽しみたいなら、『HumanitZ』は十分チェックする価値がある。特にフレンドと一緒に遊べるなら、ただのレビューでは語り切れない事故や笑い話がきっと生まれる。しかも今後はNPC勧誘システムなど、遊び方を広げる要素も控えている。

人類最後の希望として大げさに構える必要はない。まずはバッグを拾い、武器を握り、水を探す。そこから自分だけの終末生活が始まる。


基本情報

開発: Yodubzz Studios

販売: indie.io

リリース日: 2026年2月6日(正式リリース)

価格: 2,300円

プラットフォーム: PC(Steam)

プレイ人数: 1人/オンライン協力プレイ(最大4人)/オンラインPvP

言語: 日本語対応(インターフェース)

プレイ時間: 40時間以上

ジャンル: サバイバル、オープンワールド、ゾンビ、建設、協力プレイ

Steam評価: やや好評(全言語レビュー13,289件中9,901件が好評)


購入リンク

Steam: https://store.steampowered.com/app/1766060/HumanitZ/


公式リンク

公式サイト: https://www.humanitzgame.com/

X (Twitter): https://x.com/humanitzgame

FAQ

『HumanitZ』はソロでも楽しめる?

ソロでも楽しめる。物資集め、拠点づくり、車での探索を自分のペースで進められるので、一人で黙々と遊ぶ相性は悪くない。ただし、マルチプレイの方が役割分担や他プレイヤーとの距離感が生まれやすく、ドラマは濃くなる。加えて、2026年のロードマップでは人間NPCを仲間にできる「NPC勧誘システム」がソロ向けに予定されており、今後は一人プレイの選択肢がさらに広がる見込みだ。

『HumanitZ』は日本語に対応している?

Steam版は日本語インターフェースに対応している。音声は英語だが、基本的なプレイに必要な表示は日本語で確認できる。

『Project Zomboid』が好きなら買い?

かなり候補に入る。ただし完全な代替ではない。『Project Zomboid』ほど生活シミュレーションに振り切ったゲームではなく、より直感的に探索、戦闘、拠点づくり、車両運用を楽しむタイプのゾンビサバイバルだ。

正式版になった後もアップデートは続いている?

続いている。2026年2月6日の正式リリース後もバグ修正やQoL改善のパッチが重ねられており、開発元は2026年のロードマップも公開している。おおよそ2週間ごとの更新を目標にしつつ、品質を優先して柔軟に進めるという方針だ。

序盤は何から始めればいい?

まずは水、食料、バッグ、近接武器、回復手段を確保したい。いきなり大きな拠点を作るより、物資を運び込める安全な場所を見つけて、少しずつ生活基盤を整える方が安定する。

Game Data
タイトル
HumanitZ
開発
Yodubzz Studios
ジャンル
RPG / アクション / アドベンチャー / オープンワールド / オンライン協力プレイ / サバイバル / サバイバルホラー / サンドボックス / シューティング / ゾンビ / 建設
対応
PC (Steam)
難易度
中級者向け
プレイ時間
40時間以上
Steam評価
やや好評(全言語レビュー13,289件中9,901件が好評)
配信日
20260206

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