謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

更新: 2025年10月3日
謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

無人島サバイバル……だけじゃない?

『Bulletstorm』や『Painkiller』で知られるPeople Can Flyが新たに手掛ける『Lost Rift』が、2025年9月25日にSteamで早期アクセスを開始した。一見すると南国の美しい群島を舞台にしたサバイバルゲームに見えるが、実はそれだけじゃない。本作の本当の面白さは、安全なPvE拠点とスリリングな抽出シューターを組み合わせた革新的なゲーム設計にあった。

「なるほど、また無人島サバイバルね」と思ってプレイを始めた筆者だったが、ゲームが本格的に動き出すと、その予想は完全に裏切られることになった。

二つの島、二つの顔

『Lost Rift』の舞台となるのは、謎に満ちた群島の中でも特に重要な2つの島だ。まずプレイヤーが流れ着くのは「パイオニア・ランディング」という約1平方キロメートルの島。ここは完全にプライベートエリアとなっており、最大5人の仲間と一緒に自由にベースを建設できる安息の地だ。

従来のサバイバルゲームならこれで完結するところだが、『Lost Rift』はここからが本番。ゲームを進めると、より高品質な素材や装備を求めて「ウエスタン・アイランド」と呼ばれる抽出シューター島への遠征が必要になる。こちらは最大15人のプレイヤーが同時に存在し、40分の制限時間内にできるだけ多くのアイテムを回収して脱出しなければならない、まさに命がけのミッション島だ。

この二重構造が絶妙で、安全な拠点でじっくりと準備を整えてから、リスクの高い抽出ミッションに挑むというメリハリのあるゲームプレイを実現している。まさに『Escape from Tarkov』のスリルと『The Forest』の安心感を同時に味わえるハイブリッド体験だ。

ソロプレイヤーには厳しい現実

しかし、本作には見過ごせない問題もある。特にソロプレイヤーにとって、ウエスタン・アイランドでの生存は非常に困難だ。筆者もソロで挑戦してみたが、ハイエナの群れに囲まれて瞬殺されることが多々あった。なにせハイエナ1匹倒すのに斧で3回殴る必要があるのに、プレイヤーは3回攻撃されると死んでしまうというバランス設定だ。

ゲーム内でも「ソロでの遠征は推奨しません」と警告が表示されるが、実際のところストーリー進行にはウエスタン・アイランドでの素材収集が必須となる。つまりソロプレイヤーでも最終的には他プレイヤーとの戦闘を避けて通れない設計になっている。

幸い、開発チームはこの問題を認識しており、最新アップデートではソロプレイヤー同士のマッチングシステムを導入。ソロプレイヤーがグループと遭遇する確率を大幅に削減したという。とはいえ、根本的には協力プレイを前提とした難易度設定であることは変わりない。

動的天候システムが作り出すドラマ

本作の魅力の一つが、UE5で実現された美麗なグラフィックと動的天候システムだ。ハリケーンが襲来すれば風と雨でベースが脅かされ、霧が発生すれば視界不良で探索が困難になる。落雷による火災リスクもあり、単なる背景演出ではなく実際のゲームプレイに影響を与える要素として機能している。

特に抽出ミッション中の天候変化は戦術的な要素となる。霧に隠れて敵プレイヤーから逃れたり、嵐の音で足音をカモフラージュしたりと、環境を活かした駆け引きが楽しめる。100近くのクエストが用意されており、それぞれ20-30時間のプレイ時間が見込まれているため、長期間にわたって楽しめるコンテンツボリュームも確保されている。

現在の評価と今後の展望

Steam レビューでは70%の好評価を獲得しているものの、「賛否両論」の評価に留まっている。主な批判点は前述のソロプレイヤーへの配慮不足と、世界の生物多様性の乏しさ(ドードー、ハイエナ、カニ程度しかいない)、そして一部のグレーボックス(開発中の仮素材)が残っている点だ。

しかし、People Can Flyは2年以上の開発期間を経てこのプロジェクトを進めており、早期アクセス期間中にコミュニティからのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢を見せている。実際、ソロプレイヤー問題への対応も素早く、今後の改善に期待が持てる。

協力プレイヤーにとっては、仲間と一緒にベースを築き上げ、危険な遠征に挑む体験は非常に魅力的だ。特に最大5人での協力プレイでは、役割分担や戦術的な連携が重要になり、チームワークの醍醐味を十分に味わうことができる。

『Lost Rift』は、サバイバルゲームと抽出シューターという二つのジャンルを組み合わせた意欲的な作品だ。現状では荒削りな部分もあるが、People Can Flyの豊富な開発経験とコミュニティとの協働により、唯一無二のゲーム体験に成長していく可能性を秘めている。

協力プレイを楽しみたいプレイヤーや、新しいサバイバル体験を求める方にはぜひオススメしたい。12ヶ月の早期アクセス期間を通じて、どのような進化を遂げるのか今から楽しみだ。

基本情報

ゲーム名: Lost Rift
開発: People Can Fly
パブリッシャー: People Can Fly
プラットフォーム: PC (Steam)
早期アクセス開始日: 2025年9月25日
価格:通常価格 2,995円(20%オフ現在2,396円、10月10日まで)
プレイ人数: 1-5人(協力プレイ)
対応言語: 日本語対応済み
ジャンル: サバイバル・抽出シューター・ベースビルディング
プレイ時間: 20-30時間以上(クエストのみ)

Steam: https://store.steampowered.com/app/3494520/Lost_Rift/
公式サイト: https://lostrift.com
公式Discord: http://lostrift.com/discord

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