
2025年7月18日、Ctrl FreakとSuper Rare Originalsが手掛けるタクティカルシューター『Phantom Squad | 最後の強襲』がSteamにてリリースされた。現在30%オフの特別価格で販売中の本作は、1-4人でプレイできる俯瞰視点の協力型シューターで、綿密な戦術計画と瞬時の判断力が勝敗を分ける、まさに「チームワークが全て」のゲームだ。
VICEが「数年で最も緊張感のある楽しさ」と高く評価し、Finger Gunsが「友達を誘ってジョン・ウィックのような突入&制圧シーンを体験せよ」と推奨する本作。その魅力はHotline Miamiの高速戦闘とReady or Notの戦術性を見事に融合させた点にある。
しかし、私が一つ言えることは、このゲームの真の楽しさはソロプレイよりも協力プレイで発揮されるということだ。

A.C.E.システムが生み出す完璧な戦術計画

『Phantom Squad』最大の特徴は、独自の「A.C.E.(Assault Coordination Engine)」システムだ。各ミッション開始前の計画フェーズでは、プレイヤーはマップ上に敵の位置をマーキングし、侵入ルートを描画し、ブリーチポイントを設定できる。
この戦術計画システムは単なるギミックではない。本作の過酷な難易度を生き抜くためには必須のツールなのだ。ボイスチャットでチームメイトと連携しながら、綿密に練られた作戦を立案する時間は、まるでSEAL Team Sixの作戦会議に参加しているかのような没入感を提供してくれる。
計画が完璧に実行されたときの爽快感は格別だが、もちろん現実はそう甘くない。「完璧な計画を立てても、一瞬で全てが崩れる」——これこそが『Phantom Squad』の醍醐味なのだ。

一撃必殺の緊張感とフレンドリーファイアの恐怖

本作の戦闘は容赦がない。敵も味方も数発の被弾で倒れてしまう極めてシビアなバランスで、さらにフレンドリーファイア(味方撃ち)が常時オンになっている。つまり、一瞬の判断ミスや連携の乱れが即座にチーム全体の壊滅に繋がるのだ。
ドアを蹴破った瞬間に待ち受ける重装兵、複数のテロリストが潜む部屋への同時突入、人質を巻き込まずに敵を制圧する必要がある場面——どのシチュエーションも手に汗握る緊張感で満ちている。
20種類以上のガジェットが用意されており、偵察装置、心拍センサー、ナイトビジョン、フラッシュバン、ドアカメラなど、状況に応じた装備選択が勝敗を左ける。13種類の武器から最適な組み合わせを選び、チーム全体で役割分担を決めることで、初めて困難なミッションをクリアできるのだ。

多彩なミッションで試される戦術センス

本作には11のミッションが用意されており、人質救出、要人暗殺、基地潜入、爆弾解除など多様な目的が設定されている。舞台も市街地のビルからジャングルの拠点、北極の研究所まで多岐にわたり、それぞれ異なる戦術アプローチが求められる。
特に注目すべきは、各ミッションでステルスか直接戦闘かを選択できる点だ。静かに敵を無力化しながら目標に近づくか、それとも圧倒的な火力で押し切るか——チームの得意分野や装備構成に応じて、柔軟に戦術を変更できる自由度の高さが魅力的だ。
動的マップとランダム要素により、同じミッションでも毎回異なる体験が味わえるため、リプレイ価値も非常に高い。

協力プレイ前提の設計思想

『Phantom Squad』について語る上で避けて通れないのが、協力プレイを前提とした設計思想だ。レビューでも指摘されているように、ソロプレイでは本作の真の魅力を体験することは困難である。
マッチメイキング機能が搭載されていないため、フレンドとの協力プレイやDiscordコミュニティでの相手探しが必要となる。これは一見デメリットのように思えるが、逆に言えば密なコミュニケーションを前提とした、より深いチームワーク体験が可能ということでもある。
4人で完璧に連携した突入作戦が成功したときの達成感、仲間を蘇生させるために危険を冒すスリル、作戦の破綻から立て直しまでのドラマ——これらはソロでは絶対に味わえない、協力プレイならではの魅力だ。

フランス発インディーの野心作

開発者のJérôme(ジェローム)氏は15年のソフトウェア開発経験と10年のゲーム開発経験を持つフランスのインディー開発者だ。Rainbow Sixシリーズで味わった戦術スリルを現代風にアレンジし、「シリアスすぎない」高速アクションとして昇華させたのが本作である。
DoorkickersやReady or Not、Rainbow Six Siege、Hotline Miaなど、数々の名作からインスピレーションを受けながらも、俯瞰視点という独自のアプローチで新たな戦術シューター体験を生み出している。
現在Steam評価は76%の「やや好評」を獲得しており、デモ版に至っては94%という高評価を記録。VICEの「Highly Recommended」判定やFinger Gunsの4/5点など、メディアからの評価も上々だ。

課題と今後への期待

本作にも改善点は存在する。最も大きな問題は、シングルプレイヤーモードでもポーズができない仕様だ。また、協力プレイが前提でありながらAI味方が実装されていない点や、マッチメイキング機能の欠如も、新規プレイヤーには高いハードルとなっている。
難易度の調整についても賛否が分かれており、「過酷すぎる」という声がある一方で、「このシビアさこそが魅力」という意見もある。バランス問題や難易度スパイクについては、今後のアップデートでの改善に期待したい。
とはいえ、これらの課題を差し引いても、本作が提供する戦術シューター体験の質の高さは特筆に値する。Steam Deck対応やパフォーマンスの良好さなど、技術面での完成度も高い。

協力プレイの未来を示す意欲作

『Phantom Squad | 最後の強襲』は、現在のゲーム業界において貴重な存在だ。多くのゲームがソロプレイでも楽しめるよう設計される中、本作は協力プレイに特化することで、他では味わえない深いチームワーク体験を実現している。
確かにフレンドが必要で、コミュニティへの参加が前提となるため、万人向けとは言えない。しかし、仲間と一緒に緻密な作戦を立て、それを実行し、時には失敗から学び、最終的に完璧な連携を築き上げる——この過程で得られる達成感は、他のどんなゲームでも味わえないものだ。
約10ドルという手頃な価格設定も魅力的で、現在の30%オフセールを利用すれば、さらにお得に購入できる。デモ版も無料で公開されているため、まずはそちらで戦術シューターの魅力を体験してみることをお勧めする。
戦術を愛し、チームワークを重視し、緊張感あふれる戦闘を求める全てのプレイヤーに、『Phantom Squad | 最後の強襲』を強く推奨したい。完璧な計画が一瞬で崩れる恐怖と、仲間との連携で困難を乗り越える喜びが、あなたを待っている。
基本情報
タイトル: Phantom Squad | 最後の強襲
開発: Ctrl Freak
販売: Super Rare Originals
配信日: 2025年7月18日
言語: 日本語対応予定
価格: 1,600円(Steam・現在30%オフで1,120円)
ジャンル: タクティカルシューター、協力型アクション
プラットフォーム: Steam(PC)
プレイ人数: 1-4人(協力プレイ推奨)
Steam ストアページ: https://store.steampowered.com/app/2841770/_/
無料デモ版: あり(Steam)