パタポンが帰ってきた!『Ratatan』でクラウドファンディング1億円突破の熱狂を体感せよ。「ラタ・タタ・ラタタン!」の魔力は健在だった

更新: 2025年9月22日
パタポンが帰ってきた!『Ratatan』でクラウドファンディング1億円突破の熱狂を体感せよ。「ラタ・タタ・ラタタン!」の魔力は健在だった

あの興奮が、ついに戻ってきたぞ!

○○○ <「ラタ・タタ・ラタタン!」

…PSPで多くのゲーマーを虜にした『パタポン』から18年。リズムに合わせてボタンを叩き、愛らしいキャラクターたちを指揮する独特なゲーム体験は、今も多くの人の心に刻まれているはずだ。

そんな伝説的ゲームの精神的続編として、2025年9月18日にSteam早期アクセスで配信開始されたのが『Ratatan』である。開発は『パタポン』の生みの親である小谷浩之氏が設立したTVT Co. Ltd.とRatata Artsが手掛け、クラウドファンディングでは48時間で1億円を突破するという驚異的な支持を集めた。

Steam早期アクセス版の評価は「非常に好評」(88%)、同時接続プレイヤー数も4,467人を記録し、Steamグローバル売上ランキングでトップ20入りを果たすなど、リリース直後から圧倒的な存在感を示している。

筆者も体験版の時点から本作に注目していたが、正式な早期アクセス版をプレイしてみて改めて確信した。これは間違いなく『パタポン』の正統な進化形であり、しかも現代のゲーマーが求める要素を見事に融合させた傑作になる可能性を秘めている。

リズム×ローグライク=新たな中毒性の誕生

『Ratatan』の最大の特徴は、『パタポン』のリズムアクションにローグライク要素を組み合わせた点だ。基本的なゲーム性は馴染み深いもので、4拍子のリズムに合わせて3つのボタン(X・Y・B)を組み合わせて入力し、コブン(小さな戦士たち)に指示を出していく。

「せいれつ」は「X・X・X・○」、「ガード」は「B・○・B・B」といった具合に、シンプルながら覚えがいのあるコマンド体系は『パタポン』を彷彿とさせる。ただし、ボタンの組み合わせは4つから3つに簡略化され、より遊びやすくなった印象だ。

しかし、ここからが『Ratatan』独自の進化ポイント。プレイヤーキャラクターであるラタタンは、リズムコマンドとは独立して自由に動き回れるのだ。コブンたちに攻撃指示を出しつつ、自分は敵の攻撃をすり抜けて安全な位置に移動したり、戦況に応じて的確な指示を出すポジションを取ったりと、従来の『パタポン』にはない戦術的な駆け引きが生まれる。

さらに、ステージ開始時とバトル終了後にパワーアップカードを選択してデッキを構築していくローグライク要素が加わることで、毎回異なる戦略での挑戦が可能になっている。「今回は攻撃力重視で一気に畳み掛けよう」「次は防御を固めて持久戦で行こう」といったビルドの多様性が、リプレイ性を大幅に向上させている。

100体以上のキャラクターが織りなす「ワラワラ感」

本作でもう一つ印象的なのが、画面狭しと暴れまわる大量のキャラクターたちだ。公式によると100体以上のキャラクターが登場し、それぞれが生き生きとした2Dアニメーションで動き回る。

この「ワラワラ感」こそが『パタポン』シリーズの魅力の一つだったが、『Ratatan』ではそれがさらにパワーアップ。味方のコブンたちはもちろん、敵キャラクターたちも個性的で愛嬌があり、戦闘中でもついつい見入ってしまう。

特にフィーバーモードに突入した際の盛り上がりは圧巻だ。リズムを正確に刻み続けることで発動するフィーバーモードでは、BGMがよりダイナミックに変化し、キャラクターたちが狂乱の踊りを繰り広げる。この瞬間の高揚感は、『パタポン』を愛した人なら間違いなく心に響くはずだ。

最大4人協力プレイで広がる新たな楽しみ

『Ratatan』で大きく進化した点の一つが、最大4人でのオンライン協力プレイに対応したことだ。それぞれがラタタンとなってコブンの軍団を率い、協力して強大な敵に立ち向かう体験は、まさに新時代のリズムアクションと言える。

4人が同時にリズムコマンドを入力する様子は壮観で、全員の息が合った時の爽快感は格別だ。一人がリズムを崩しても他のプレイヤーがカバーできるため、初心者でも安心して参加できるのも嬉しいポイント。

フレンドと「せーの」でリズムを合わせ、「ラタ・タタ・ラタタン!」の掛け声と共に敵を蹴散らしていく体験は、単なる懐かしさを超えた新鮮な喜びを提供してくれる。

Steam Deckでも快適な「いつでもラタタン」

Steam版の『Ratatan』は、Steam Deckでの動作も良好だ。リズムゲームという性質上、入力の遅延が心配されたが、実際にプレイしてみると全く問題なし。電車での移動中や寝る前のちょっとした時間に、手軽に「ラタタン体験」を楽しめる。

ハンドヘルド機での展開も予定されているが、Steam Deckユーザーなら今すぐにでもポータブルな『Ratatan』を楽しめるのは大きなアドバンテージだ。

早期アクセスでも十分に楽しめる完成度

現在の早期アクセス版では、複数のワールド、様々なキャラクター、武器システム、4人協力プレイ、そしてランダム要素を含むローグライク体験が既に実装されており、製品として十分に楽しめるレベルに達している。

今後のロードマップも公開されており、10月末には「スーパーフィーバー技」やラタタンの成長要素、12月には「ダークラタタン戦」などの新シナリオが追加予定。2026年春頃には新たなワールドと大型ボス戦も実装される予定で、長期的な楽しみも保証されている。

価格は早期アクセス版が2,800円と手頃で、しかも10%オフのローンチ割引も実施中。この価格でこの完成度とボリューム、そして今後の拡張性を考えれば、間違いなくお買い得と言える。

クラウドファンディング成功が示した期待の大きさ

本作が2023年8月にKickstarterで実施したクラウドファンディングは、開始48時間で1億円を突破し、最終的には2億円以上の支援を集めた。この数字は、『パタポン』というIPがいかに愛され続けているか、そして新作への期待がいかに高いかを如実に物語っている。

また、Steam Next Festでの体験版は27万ダウンロードを記録し、多くのフィードバックを受けて現在の早期アクセス版に反映されている。開発チームがユーザーの声を真摯に聞き、より良い作品に仕上げようという姿勢も評価したい。

懐かしさと新しさが絶妙に調和した傑作の予感

『Ratatan』をプレイしていて感じるのは、開発陣の『パタポン』に対する深い愛情と理解だ。単なるリメイクではなく、現代のゲーマーが求める要素を的確に取り入れながらも、オリジナルの魅力を損なわない絶妙なバランス感覚が光っている。

ローグライク要素によって生まれる戦略性、協力プレイによる新たな楽しみ方、そしてより自由度の高いキャラクター操作。これら全てが『パタポン』の根幹にある「リズムと一体になる快感」を損なうことなく組み込まれているのは見事としか言いようがない。

Steam早期アクセス版の好調なスタートを見る限り、『Ratatan』は間違いなく2025年を代表するインディーゲームの一つになるだろう。『パタポン』を愛した全ての人に、そして新しいゲーム体験を求める全ての人に、自信を持っておすすめしたい。

「ラタ・タタ・ラタタン!」の魔法にかかる準備はできているだろうか?

基本情報

タイトル: Ratatan
開発: TVT Co. Ltd., Ratata Arts
販売: Game Source Entertainment
プラットフォーム: Steam(早期アクセス中), PlayStation 5, PlayStation 4, Xbox Series X|S, Nintendo Switch(2026年春予定)
プレイ時間: 1プレイ 30分-1時間程度(ローグライク仕様でリプレイ性高)
プレイ人数: 1-4人(オンライン協力プレイ対応)
Steam評価: 非常に好評 (88%)
早期アクセス開始日: 2025年9月18日
価格: 2,800円(早期アクセス版・10%割引中)
ゲームジャンル: リズムローグライクアクション
日本語: 対応済み

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