2025年最大の現象が再び炸裂!物理エンジンとセミボットで挑む協力ホラー『R.E.P.O.』がSteamを席巻中

更新: 2025年8月6日
2025年最大の現象が再び炸裂!物理エンジンとセミボットで挑む協力ホラー『R.E.P.O.』がSteamを席巻中

謎の知性体「タックスマン」の命令は絶対だ。

2025年2月末のSteam早期アクセス配信開始から、わずか数週間で同時接続27万人突破、1300万本の売り上げを記録した『R.E.P.O.』。筆者も発売直後から友人たちと夜な夜な「貴重品回収作業」に勤しんでいるが、これほどまでに中毒性の高い協力ホラーゲームは久しぶりだ。

タイトルの「R.E.P.O.」は「Retrieve, Extract, and Profit Operation(回収・抽出・利益作戦)」の略称。プレイヤーはセミボット(半機械生命体)となり、謎のAI「タックスマン」の指示のもと、滅亡した人類の遺跡から貴重品を回収する──それがこのゲームの基本設定である。

しかし実際にプレイしてみると、そう単純な話ではない。廃墟には30種類以上の恐ろしいモンスターが徘徊しており、貴重品の回収作業は常に死と隣り合わせなのだ。

物理エンジンが生む新感覚の恐怖体験

『R.E.P.O.』最大の特徴は、徹底的にこだわり抜かれた物理エンジンだ。アイテムはすべて重量と物理特性を持ち、ピアノのような重い物から陶磁器のような壊れやすい物まで、それぞれ異なる取り扱いが求められる。

移動には『Half-Life』シリーズを彷彿とさせるアンチグラビティビームを使用するのだが、これが実に厄介だ。重い物は思うように持ち上がらず、軽い物はちょっとした衝撃で飛んでいってしまう。壁に激突させれば価値が下がり、陶磁器なら一発で粉々になる。

筆者が初めて恐竜の化石を運んでいたときのことだ。仲間が「後ろ!後ろにローブがいる!」と叫んだ瞬間、慌てて振り返った拍子に化石を壁にぶつけてしまった。価値が半分以下になった化石を見つめながら、これまでにない絶望感を味わったものである。

30体超のモンスターが織りなすカオス

本作に登場するモンスターは実にバラエティ豊か。完全に透明で重い息音だけが聞こえる「Hidden(隠れ者)」、プレイヤーを一瞬で殺す恐ろしい「Robe(ローブ)」、音だけで位置を特定する盲目の狙撃手「Huntsman(ハンツマン)」など、それぞれが独特の行動パターンを持つ。

中でも印象的なのは「Shadow Child(シャドウチャイルド)」だ。子供の笑い声とともに現れるこのモンスターは、プレイヤーの視線を暗くして混乱させるのだが、見つめすぎると投げ飛ばされてしまう。初めて遭遇したときは、その不気味さに全員が声を失った。

最恐の存在は「Trudge(トラッジ)」だろう。巨大な体躯に強力なメイスを持つこのモンスターは、一撃でプレイヤーを即死させる威力を持つ。地面を震わせながらゆっくりと近づいてくる様は、まさに絶望そのものだ。

友情を試される協力システム

『R.E.P.O.』は最大6人での協力プレイが可能だが、ソロプレイは非常に困難に設計されている。重いアイテムは複数人で運ぶ必要があり、モンスターに襲われた仲間を蘇生するには、その「頭部」を回収して抽出ポイントまで運ばなければならない。

この蘇生システムが実に秀逸で、死んだ仲間を見捨てるか助けるかで友情が試される。貴重品でいっぱいの手を離して仲間の頭を拾うのか、それとも利益を優先するのか──そんな究極の選択を迫られる場面も少なくない。

筆者の友人グループでは、「Head Retrieval Policy(頭部回収方針)」なる独自ルールまで作られた。「レジェンダリーアイテム運搬中は頭部回収を後回しにする」「Trudgeが近くにいる場合は諦める」など、なかなかシビアな内容だ。

進化し続けるアップデート

早期アクセス版でありながら、『R.E.P.O.』は既に高い完成度を誇る。開発元のSemiworkは週次でアップデート動画を配信しており、プレイヤーからのフィードバックを積極的に取り入れている。

今後の予定では、プレイヤーカスタマイズ、メタ進行システム、新マップ・新モンスターの追加などが控えている。特に注目なのは「博物館マップ」で、レーザーセキュリティシステムを搭載した『ミッション:インポッシブル』風のギミックが予告されている。

価格は現在9.99ドル(約1,200円)だが、正式版リリース時には値上げされる可能があるため、興味のある方は早めの購入をお勧めする。

なぜ『R.E.P.O.』は成功したのか

『Lethal Company』との比較は避けられないが、『R.E.P.O.』はより公平で親しみやすいゲームデザインを採用している。時間制限がなく、隠れる場所も豊富で、アップグレードシステムによる確実な進歩が感じられる点が評価されている。

何より、物理エンジンによる予測不可能な出来事が、毎回新鮮な驚きを与えてくれる。重いピアノが階段を転がり落ちて仲間を直撃したり、慎重に運んでいた花瓶が突然のモンスター遭遇で粉砕されたり──そんなハプニングの数々が、プレイヤー同士の絆を深めていく。

TwitchやTikTokでバイラル化したのも納得だ。このゲームは「見る」より「体験する」ことで真価を発揮する。友人たちと一緒に恐怖と笑いの入り混じった「回収作業」を体験してみてはいかがだろうか。

ただし、一度始めたら抜け出すのは困難だということを、あらかじめお伝えしておく。

基本情報

開発元: Semiwork(スウェーデン・ウプサラ)
パブリッシャー: Semiwork
プラットフォーム: Steam(PC)
リリース日: 2025年2月26日(早期アクセス)
価格: 9.99ドル(約1,200円)※正式版時に値上げ予定
日本語対応: 完全対応
プレイ人数: 1-6人(協力プレイ推奨)
早期アクセス期間: 6-12ヶ月予定
Steam評価: 圧倒的に好評(96%)
総レビュー数: 180,000件以上

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