
「サバイバルゲームって、結局自分で全部やらなきゃいけないから疲れるんだよね」。そう思っていたが、『Soulmask』は違った。本作では、プレイヤーキャラクターは最弱。けれど、古代の仮面の力で部族民を「乗っ取り」、彼らの身体を使って冒険できる。自分のキャラクターを育てるのではなく、より強い他人を探して憑依する──この逆転の発想が、サバイバルクラフトの常識を覆していた。
仮面の力で部族を支配! 憑依システムこそがすべて

『Soulmask』最大の特徴は、プレイヤーが神秘的な仮面の力を使って部族民に「憑依(ポゼッション)」できること。生贄の儀式から逃れた主人公は、古代遺跡で不思議な仮面を発見する。この仮面には太古の知識と強大な力が宿っており、他者の肉体を支配できる能力が備わっている。
ゲームを進めると、野生のバーバリアンたちを気絶させて拠点に連れ帰り、部族民として勧誘できる。そして驚くべきことに、仮面を使えば彼らの身体に乗り移り、その部族民として世界を冒険できるのだ。これはまるで『コナン・エグザイル』の奴隷システムと『Palworld』のパル管理を組み合わせ、さらに「キャラクターチェンジ」の概念を加えたような革新的なシステムだ。
部族民は871種類以上のユニークな才能・習熟度・嗜好を持っており、二人として同じ個性の者はいない。ある者は戦闘に長け、ある者は採掘の達人、またある者は料理のスペシャリスト。プレイヤーは強力な戦士や優秀な職人を見つけ出し、憑依して彼らの能力を最大限に活用する。自分のオリジナルキャラクターは「保険」のような存在で、万が一倒されても仮面の力で復活できる不死身の存在として機能する。

さらに、部族民には作業の割り当てが可能で、農業・採掘・建築・クラフトなどを自動化できる。最大100人規模の部族を管理し、完全自動化された生産ラインを構築すれば、プレイヤーは探索や戦闘に専念できる。これはまさに「神の視点」でコロニーを運営する経営シミュレーションの側面を持つサバイバルゲームなのだ。
広大な世界と3つのプレイモード──2026年4月の正式リリースで完成形へ

本作は2024年5月30日に早期アクセスを開始し、約2年間で1,800回以上のアップデートを実施。80万本以上の販売を記録し、2026年4月10日に正式版がリリースされた。Steamでのユーザーレビューは約19,600件中77%が好評という「やや好評」の評価を獲得している。
正式版では3つの新モードが追加された。クラシックな「サバイバルモード」では、飢餓・渇き・敵との戦闘といった伝統的なサバイバル要素を楽しめる。「部族経営モード」では、サバイバル要素を緩和し、部族の拡大と資源管理、自動化システムの構築に集中できる。そして「ウォリアーモード」では、高難易度の戦闘に特化したアクション体験が可能だ。プレイヤーは自分の好みに合わせて、まったく異なる3つの遊び方を選択できる。

ゲームの舞台は「雲霧森林(Cloud Mist Forest)」と呼ばれる熱帯雨林のような原始的な世界。そして2026年4月10日には、古代エジプトをテーマにした大規模DLC「Shifting Sands(浮沙)」が同時リリースされた。このDLCは本編と同規模の新マップを提供し、砂漠・ナイル川・空中都市といった新エリアを探索できる。さらに、飛行可能なピラミッド型飛空艇を建造し、空に浮かぶ拠点を構築したり、他プレイヤーとの空中戦を繰り広げることも可能になった。
DLCには4種類の新しいエジプト神マスク、325種類の新タレント、3体のメインボス、3体のメカニカルボスが追加され、500時間以上のプレイ時間を提供するという圧倒的なボリュームを誇る。なお、4月10日~5月10日の期間限定で、本編所持者は「Shifting Sands」DLCを無料で入手できるキャンペーンが実施された。
「コナン・エグザイル」超え? それとも煩雑なUI地獄?──評価が分かれる理由

本作の評価は、プレイヤーの期待とプレイスタイルによって大きく分かれる。海外レビューサイトでは「サバイバルクラフトジャンルに新しい風を吹き込む作品」として7.8~8.5/10の高評価を獲得している。特に、部族民の個性システムと自動化要素、そして美しいグラフィックスが評価されている。
一方で、日本語レビューでは「UIが煩雑すぎる」「AIの挙動が不完全」「マルチプレイでのトラブル」といった批判も目立つ。特に、仮面・部族民・テックツリー・魔法など、あらゆる機能が独立したメニューで管理されており、初見プレイヤーには圧倒的な情報量となる。また、部族民のAIは戦闘時に棒立ちになったり、長距離移動の指示ができなかったりと、『Palworld』のパルほどスムーズではないという指摘もある。

さらに興味深いのは、プレイヤーキャラクターの成長上限がNPCよりも低く設定されている点だ。NPCのスキルレベル上限が80~120なのに対し、プレイヤーキャラクターは全スキル上限50に制限されている。これは意図的なデザインで、「自分を捨てて、より優秀な部族民に乗り換える」ことを促す仕組みだ。自分が作ったキャラクターに愛着を持ちたいプレイヤーには受け入れがたいが、効率重視で部族運営を楽しみたいプレイヤーには理にかなったシステムとなっている。
また、日本語レビューではオンラインPvEサーバーでの中国人プレイヤーとのトラブルが頻繁に報告されている。ボス戦利品の横取り、妨害行為、差別的発言などが問題視されており、運営の対応が不十分という声も多い。ソロまたはプライベートサーバーでのプレイが推奨される状況だ。
膨大な管理を楽しめるか──廃人向けの深い沼

『Soulmask』は「万人向けの親切なゲーム」ではない。チュートリアルは存在するものの、複雑な部族管理・建築・戦闘・自動化のすべてを習得するには相当な時間がかかる。建築ひとつとっても、現代的なサバイバルゲームのように素材を持っていればその場で設置できるわけではなく、まず建築パーツをクラフトベンチで製作し、それを設置するという手間がかかる。
しかし、この「煩雑さ」こそが本作の魅力でもある。部族民の才能を厳選し、適材適所に配置し、効率的な生産ラインを構築する過程は、まるで企業の人事部長になったかのような戦略的な面白さがある。数百時間をひとつのゲームに捧げることに抵抗がないサバイバルゲーム廃人にとって、『Soulmask』は他に類を見ない深い沼となるだろう。

開発元のCampFire Studioは中国のデベロッパーで、本作が事実上のデビュー作。パブリッシャーはQooland Gamesが担当している。早期アクセス期間中にコミュニティのフィードバックを真摯に受け止め、UIの改善や新プレイヤー体験の向上に取り組んできた姿勢は評価に値する。Steam Workshopにも対応しており、強力なModkit機能でプレイヤーは独自のコンテンツを制作できる。
本作は、『コナン・エグザイル』『ARK: Survival Evolved』『Palworld』といった名作サバイバルゲームの要素を取り入れつつ、「憑依システム」という独自の核を持つ意欲作だ。直感的なUIや爽快なアクションを求めるライトユーザーには向かないが、複雑なシステムを理解し、効率化を追求することに喜びを感じる管理職気質のプレイヤーには、これ以上ない没入体験を提供してくれる。
基本情報
開発: CampFire Studio
販売: Qooland Games
リリース日: 2026年4月9日(正式版)、2024年5月30日(早期アクセス開始)
価格: 3,900円(10%オフ、通常価格3,510円)※2026年4月現在
プラットフォーム: PC(Steam、Epic Games Store)
プレイ人数: 1人~70人(サーバーによる)
言語: 日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、ロシア語、ドイツ語、フランス語など22言語対応
ジャンル: オープンワールドサバイバルクラフト、コロニーシム、アクションRPG
Steam評価: やや好評(77%好評 – 19,600件以上のレビュー)
日本語評価: 賛否両論(207件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/2646460/Soulmask/
Epic Games Store: https://store.epicgames.com/ja/p/soulmask-cc7a7c
公式リンク
公式サイト: https://mask.qoolandgames.com/
X (Twitter): https://x.com/Soulmask_?s=20
Discord: https://discord.com/invite/eVsURRrKU3
YouTube: https://www.youtube.com/@Soulmask_official


