父から継いだ造船所で闇に立ち向かえ!『Sunken Engine』は船舶修理×ラヴクラフトホラーの異色作

父から継いだ造船所で闇に立ち向かえ!『Sunken Engine』は船舶修理×ラヴクラフトホラーの異色作

更新: 2025年10月25日

船の修理シミュレーション。それだけ聞けば、のどかで落ち着いたゲーム体験を想像するだろう。しかし本作、『Sunken Engine』は、そんな予想を良い意味で完全に裏切ってくれる作品だ。

PC(Steam)向けに2025年10月16日から早期アクセスが開始された本作は、父親から継いだ造船所で船舶修理業を営みながら、ラヴクラフト作品のような不気味で超自然的な現象に立ち向かうという、一風変わったホラーシミュレーションゲームだ。

ストアページを初めて見たとき、筆者の頭には「船の修理? ホラー? どういうこと?」という困惑があった。だが、実際にプレイしてみると、その独特な世界観と緊張感あふれるゲームプレイに完全に引き込まれてしまった。

本作のSteam評価は87%という高評価(早期アクセス開始時)。プレイヤーレビューでは「クリエイティブで記憶に残るラヴクラフト体験」「進行の流れが素晴らしく、常に次の船を修理したくなる」といった声が寄せられている。

日常業務に潜む闇

ゲームの舞台は、父親の突然の死によってあなたが継いだ小さな造船所。訪れる船を修理して代金を受け取り、ビジネスを続けていく……というのが表向きの目的だ。

しかし、この造船所がある島には何かがおかしい。修理を依頼してくる船には、単なる物理的な損傷だけでなく、暗い物語や不吉な秘密が隠されている。そして業務中、超自然的な現象に遭遇すると、プレイヤーの「正気度」が削られていくのだ。

正気度システムこそが本作最大の特徴。精神状態が不安定になると、作業効率が落ちるだけでなく、闇の存在の注意を引いてしまう。船を修理しながら正気を保つ方法を見つけなければ、この島の真実にたどり着くことはできないだろう。

最初は「船を修理するだけでしょ?」と高を括っていた。が、プレイしてみると、この造船所での生活は想像以上に緊張感に満ちていた。

修理は一筋縄ではいかない

本作の船舶修理は、ポイント・アンド・クリック形式を基本としたツールベースのインタラクションシステム。損傷した部分を見つけ、適切な工具を使って修理していく。

一見シンプルに思えるが、各修理作業には独自のリズムがあり、慣れるまでは手間取ることも多い。さらに、修理中に奇妙な音が聞こえたり、視界の端に何かが見えたりと、常に不穏な雰囲気が漂っている。

特に夜間になると、島の雰囲気は一変する。昼間は静かだった造船所も、夜になると得体の知れない存在が徘徊し始める。そんな中でも修理作業は続けなければならないのだ。

収益源は修理だけじゃない

造船所の経営が苦しくなったら、海から引き上げた貴重品を造船所裏の露店で販売することもできる。沈没船から回収した品々には、時に高値で売れるアイテムも含まれている。

ただし、引き上げるものの中には、触れてはいけないものも混じっているかもしれない。何を売り、何を手元に置いておくべきか。その判断も、このゲームの重要な要素だ。

修理代金と販売収益を使って、作業場の設備をアップグレードしたり、正気度を回復するためのアイテムを購入したりできる。リソース管理も本作の醍醐味の一つだ。

早期アクセスの現状と今後の展開

現在、本作は早期アクセス段階にあり、開発チームは頻繁にアップデートを実施している。プレイヤーからのフィードバックを基に、コントローラー対応の改善や、バグ修正、ゲームバランスの調整が継続的に行われている。

早期アクセス期間は約6ヶ月を予定しているが、プレイヤーフィードバック次第で変動する可能性があるとのこと。

じわじわと迫る恐怖を体験せよ

『Sunken Engine』は、日常的な作業の中に恐怖を織り込んだ、独特なホラー体験を提供してくれる。派手なジャンプスケアではなく、じわじわと迫る不穏な雰囲気が本作の持ち味だ。

筆者は最初、「船の修理なんて地味そう……」と思っていた。だが実際にプレイしてみると、次の船が来るのが待ち遠しくなり、そしてその船が持ち込む新たな謎に引き込まれていく。この中毒性こそが、本作最大の魅力だろう。

ラヴクラフト作品のファンはもちろん、日常に潜む恐怖を描いた作品が好きな方、あるいは変わったシミュレーションゲームを探している方にぜひおすすめしたい。

10月31日まで15%オフの1,020円でプレイできるこの機会に、不気味な島の造船所で父の遺産と向き合ってみてはいかがだろうか。


基本情報

開発: Two Nomads Studio
パブリッシャー: PlayWay S.A.
プラットフォーム: PC (Steam)
早期アクセス開始日: 2025年10月16日
プレイ時間: 現段階で5-10時間程度(完成版ではさらに拡張予定)
難易度: 中程度(正気度管理とリソース管理が鍵)
Steam評価: 非常に好評 (87%)
価格: 1,200円(10月31日まで15%オフで1,020円)
日本語対応: あり
対応言語: 24言語対応

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