バイオハザードへの愛が、ターン制に宿った──『感染区白書』

バイオハザードへの愛が、ターン制に宿った──『感染区白書』

更新: 2026年5月26日

「ターン制のサバイバルホラー」という言葉を聞いて、どんな印象を受けるだろうか。筆者は正直なところ、少し首を傾げた。バイオハザードに代表されるサバイバルホラーの醍醐味は、あの「今すぐ逃げなければ死ぬ」という追い詰められた緊張感にある。それをターン制にしたとして、果たして恐怖は成立するのか?

ところが、Steam配信直後から「非常に好評」を獲得した『感染区白書(Vultures – Scavengers of Death)』は、そんな疑問をあっさりと覆してくれた。ホラーの恐怖は、リアルタイムの咄嗟の判断だけが生み出すものではない。じっくりと、冷静に、それでも追い詰められていく――そういう恐怖が確かに存在するのだと、本作は教えてくれる。

バイオハザードへの愛が詰まった封鎖都市

本作の舞台は、バイオハザード災害によって封鎖されたサレント・バレーという都市だ。プレイヤーは「VULTURES(ハゲタカ)」と呼ばれる少数精鋭の傭兵チームの一員として、謎の依頼人から任務を受ける。感染源を突き止め、治療法のヒントとなる物資を回収せよ――そういう目的のもと、死者で溢れた廃墟へと一人踏み込んでいく。

設定だけ聞くと、初代バイオハザードそのままではないかと思うかもしれない。それは半分正解で、半分そうでもない。開発元のTeam Vulturesは、90年代サバイバルホラーへのオマージュであることを堂々と掲げているが、ゲームとしての体験はそこから大きく踏み出している。

キャラクターのぼってりとしたポリゴン、薄暗くくすんだ廃墟、引きずるように歩く変異体たちのシルエット。視覚的にはPS1時代そのものの質感が再現されており、それが単なる懐古趣味ではなく、雰囲気の演出として見事に機能している。

「一手」が命取りになるターン制の恐怖

本作の核となるのは、タイルグリッド上のターン制戦術システムだ。プレイヤーは各ターン、移動と行動のポイントが割り当てられ、これを消費しながら行動していく。

銃撃ひとつ取っても細かな戦術判断が求められる。頭部への射撃は命中すれば確実にダメージを与えられるが、行動ポイントを2消費する。一方、脚部への射撃は1ポイントで済む代わりに、変異体の動きを一時的に封じる効果がある。序盤の頼れるパートナーは拳銃だが、当然ながら弾薬には限りがある。弾が尽きれば、ナイフやカタナの近接武器に切り替えるしかない。

この弾薬管理が、本作の緊張感の根幹だ。いくら安全地帯から銃を撃てるターン制とはいえ、弾薬は有限。大振りに撃てば次のミッションに響く。かといって節約ばかりしていれば、包囲されてあっという間にゲームオーバーだ。

変異体に囲まれると、回避の猶予なく1〜2ターンで命を落とす。これが本作の恐怖の正体だ。リアルタイムのように「とっさに逃げる」ことはできない。だからこそ、変異体の位置を読んで先手を打ち、包囲される前に立ち回ることが求められる。考える時間があるのに、じわじわと追い詰められていく。その感覚がたまらない。

限界まで削られるリソース管理

探索中に持ち込めるアイテムは最大16個と限定されている。武器、弾薬、回復アイテム、鍵となるキーアイテム……すべてを詰め込むことはできない。優先度を考え、取捨選択しながら前進するしかない。

拠点に戻れば、持ち帰った装備を保管庫(アーセナル)に無制限で蓄えられる。次のミッションに何を持っていくか、準備の段階でも頭を悩ませることになる。

注目したいのは開発チームの規模だ。Team Vulturesは、わずか2名で構成された小規模チームである。にもかかわらず、複数のエージェントキャラクター、拠点管理、しっかりとした物語が盛り込まれた本作は、リリース直後から高い評価を獲得した。

「サプライズ」と呼ばれた理由

海外レビューメディアからは「正真正銘のサプライズだ」「ターン制サバイバルホラーというジャンルの融合が、驚くほどうまく機能している」といった声が上がっている。TheSixthAxisは「ホラーの緊張感を一切損なわず、むしろ高めることに成功している」と評している。

Steam上のユーザーレビューも「非常に好評」を維持(83%前後、263件以上)しており、特に弾薬管理の緊張感、雰囲気の再現度、サウンドトラックの完成度を評価するコメントが目立つ。

一方で、リリース直後にはクラッシュや一部UIのバグも報告されていたが、開発チームは積極的にパッチを配信。コミュニティからのフィードバックに素早く応答する姿勢も好評を得ている。

基本情報

開発: Team Vultures

販売: Firesquid / Gamersky Games

リリース日: 2026年5月14日

価格: ¥1,800(通常価格)

プラットフォーム: PC(Windows / Steam)

プレイ人数: 1人 言語: 日本語対応あり

ジャンル: ターン制タクティカル・サバイバルホラー

Steam評価: 非常に好評(83% – 263件以上のレビュー)


購入リンク

Steam: https://store.steampowered.com/app/2537470/_/


公式リンク

公式サイト(Firesquid): https://firesquid.games/games/vultures-scavengers-of-death

X (Twitter): https://x.com/firesquidgames

Discord: https://discord.com/invite/vsxD6n8P8J

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