
完全にハマった……これはヤバい
Steam ストアページで初めて『BALL x PIT』を見たときは、正直そこまで期待していなかった。「ブロック崩しのローグライト版?なんか見たことあるジャンルだな」と思っていたのが、いざプレイしてみると……完全に底なし沼にハマってしまった。
気がつけば深夜3時まで「あと1回だけ」を繰り返し、翌日も仕事の合間についつい「5分だけ」と起動してはまた時間を忘れる始末。リリースから3日で96%という圧倒的高評価を獲得し、同接プレイヤー数1万5千人を記録したこのゲームの中毒性は、まさに体験してみないとわからない恐ろしさがある。

ブロック崩し×ヴァンサバ×街づくり。欲張りセットが生んだ化学反応
『BALL x PIT』の魅力を一言で表すなら「欲張りセット」だ。昔懐かしいブロック崩しをベースに、『Vampire Survivors』のような自動射撃要素、RPG風の装備システム、そして街づくり要素まで詰め込んだ、一体何がしたいのかよくわからない(褒め言葉)ゲームである。
しかし、この無茶な組み合わせが奇跡的に噛み合っているのだ。
ゲームの基本は至ってシンプル。画面上から迫ってくるブロック状の敵に対して、様々な能力を持つボールを撃ち込んで破壊する。しかし、ここからが『BALL x PIT』の真骨頂だ。
60種類のボール融合システムが生む無限の可能性
本作最大の特徴は「ボール融合システム」だ。プレイ中に手に入る60種類以上のボールは、それぞれ全く異なる特性を持っている。
火炎ボールは敵を燃やし続け、氷結ボールは動きを封じる。レーザーボールは直線上の敵を貫通し、爆弾ボールは着弾点で大爆発を起こす。そして最も興味深いのは、同じボールを3つ集めると「進化」し、2つの異なるボールを組み合わせると「融合」して全く新しい能力を持つボールが生まれることだ。

例えば、火炎ボールと氷結ボールを融合させると「溶岩ボール」が誕生し、敵に大ダメージを与えながら燃焼エフェクトも付与する。レーザーボールを左右2つ融合させると、十字方向に貫通するクロスレーザーになる。
この組み合わせパターンが数百通り存在するため、毎回異なるビルドを試せるのが楽しい。「今回は毒と爆発の組み合わせで行こう」「いや、レーザー特化で貫通力重視だ」と、プレイするたびに新しい戦略を模索する楽しみがある。
1プレイ15分の絶妙なテンポ感
1つのステージは約15分でクリアできる絶妙な長さに設定されている。これが実に巧妙で、失敗しても「まあ15分だしもう1回やるか」という気持ちになりやすい。成功しても「調子いいし次のステージも行ってみるか」となる。
この「もう1回だけ」の魔力が恐ろしいほど強力で、気がつけば数時間が経過している。Steam Deckでの動作も完璧で、90FPS で滑らかに動くため、ベッドで横になりながらプレイするには最高の環境だ(そして朝まで起きてしまう原因でもある)。

New Ballbylon建設で永続的な成長を実感
各ステージをクリアすると、資源と設計図を持ち帰って「New Ballbylon」という街を発展させることができる。この街づくり要素が、単なる使い捨てゲームとは一線を画する深みを生んでいる。
70種類以上の建物を建設でき、それぞれが異なる恩恵をもたらす。武器屋を建てれば新しいボールがアンロックされ、訓練場を作ればキャラクターのステータスが向上する。農場や伐採場で資源を自動生産し、さらなる建物の建設に使う。

面白いのは、この街づくりもボールを使って行うことだ。建物にボールを撃ち込んで建設し、農作物の収穫にもボールを使う。全てがボールと反射で成り立っている世界観の統一感が見事だ。
キャラクター毎に全く異なるゲーム体験
物語を進めると様々なハンターキャラクターがアンロックされ、それぞれが独特のプレイスタイルを持っている。
盾持ちのシールドベアラーは、ボールを跳ね返すたびにボーナスを得る。魔法使いタイプのキャラクターは、呪文でボールを強化できる。中にはターン制バトルに変更するキャラクターまで存在し、同じゲームとは思えないほど体験が変化する。

Devolver Digitalお墨付きの完成度
パブリッシャーは『Cult of the Lamb』や『Katana ZERO』でお馴染みのDevolver Digital。インディーゲーム界の目利きが認めただけあり、ゲーム全体の完成度は非常に高い。
特にサウンドデザインが秀逸で、ボールが敵にヒットする時の爽快な効果音、大群を一掃した時の派手な爆発音、そして街で流れる穏やかなBGMまで、全てが中毒性を高めるために計算されている。
価格破壊レベルのコストパフォーマンス
これだけの内容で価格は驚きの1,700円。開発者のKenny Sun氏は過去に『Mr. Sun’s Hatbox』という隠れた名作を手がけているが、今回は完全にメジャー作品の仲間入りを果たした。
Xbox Game Passにも対応しているため、サブスクリプション加入者なら追加料金なしで楽しめる。まさに「やらない理由がない」レベルのお得感だ。

Steam Deckでの携帯プレイが最高すぎる
Steam Deck Verifiedに認定されており、携帯ゲーム機として完璧な体験を提供する。電車での通勤時間、昼休みの短い時間、寝る前のちょっとした時間……いつでもどこでも「1プレイだけ」ができてしまう恐ろしさがある。
バッテリー持続時間も良好で、60FPS制限なら2時間以上は余裕で遊べる。まさに現代のテトリス的なポジションを狙えるゲームだと思う。
まとめ:2025年最高の時間泥棒ゲーム
『BALL x PIT』は間違いなく2025年を代表する中毒性ゲームの一つだ。「たった15分」という甘い誘惑に何度も負けて、結果的に数十時間を費やしてしまう恐ろしさがある。
しかし、その時間は決して無駄ではない。常に新しい組み合わせを発見し、街を発展させ、新しいキャラクターを試す楽しみがある。96%という驚異的な高評価は決して過大評価ではなく、本当に多くの人が夢中になれるゲームなのだ。

もし「最近面白いゲームないかな」と思っているなら、騙されたと思って一度プレイしてみてほしい。ただし、時間管理は自己責任で。筆者のように気がついたら朝になっていても、一切の責任は負いかねる。
基本情報
タイトル: BALL x PIT
開発: Kenny Sun
販売: Devolver Digital
配信日: 2025年10月15日
対応プラットフォーム: PC(Steam)、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch
価格: 1,700円(Steam)、Xbox Game Pass対応
言語: 日本語対応
プレイ時間: 1ステージ約15分、総プレイ時間20時間以上
ジャンル: ローグライト、アクション、基地建設
Steam評価: 圧倒的に好評(96%、1,600件以上のレビュー)
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