
「ナマコ」をテーマにしたゲーム、と聞いて、どんな印象を持つだろうか。正直なところ、筆者は最初「……え、ナマコ?」と二度見した。ナマコ、あの海の底でのっそりしているアレ。地味で、ぬめっとしていて、なんなら食べるのも好き嫌いが分かれる、あのナマコだ。

しかし一度トレーラーを見てみたら……あれ、これめちゃくちゃちゃんとしたゲームじゃないか!!と思わずのけぞってしまった。
可愛いだけじゃなく、しっかり脳みそを使う協力型リアルタイムストラテジー。しかも日本の新進気鋭スタジオ・Polyscapeが手がけた国産インディー。これは紹介しないわけにはいかない。
「ナマコ」をテーマにしたRTSって、どういうこと?
本作の舞台は、人類が滅んだあとの地球の海だ。
かつての文明が残した汚染によって、海はどす黒く淀み、生き物たちの姿も消えてしまった。そんな海に残されたのが、「海の掃除屋」と呼ばれるナマコたち。人類が遺したナマコを指揮し、汚染された海を大掃除するのがプレイヤーの使命となる。
……って、改めて書いてみると、なかなかシリアスな世界観だな、コレ。
でも、画面に映し出されるのは愛嬌たっぷりのナマコたちが海底をわちゃわちゃと動き回る、なんとも微笑ましい光景なのである。ポスト黙示録の世界観を纏いながら、可愛いキャラクターで緩和するというこのギャップ、なかなかニクい。
「段取り構築×RTS」という絶妙な設計
ゲームプレイの基本は、ステージ上に存在するナマコたちに指示を出して汚染を除去していく、というものだ。
ここで重要なのが「段取り構築」という概念。ただ汚染エリアにナマコを突っ込ませればいいわけではなく、マップの地形や汚染の配置を見渡して、どの順番で、どのナマコを使って、どう処理するかを考えながら進めていく。

ナマコの種類ごとに得意な役割が違っていて、たとえば建築用の石灰石を集める「シェルナマコ」、重い障害物を掘り崩せる「アイアンナマコ」など、それぞれの特性を活かして複数を同時に操作していくのが醍醐味だ。
正直、最初のステージは「なるほどね〜」とサクサク進んでいけるのだが、ステージが進むにつれてやるべきことが増えていき、気づくと「あっちのナマコが停滞してる!こっちは食料が足りない!あのルートは誰が通ればいいんだ!!」という状況に。
戦略ゲームとしての骨格はしっかりしているのに、見た目のゆるさがその「必死さ」を程よく中和してくれている。これが本作の絶妙なバランス感覚だと思う。
「わちゃわちゃ協力プレイ」が生む、マッチごとのドラマ
本作の最大の特徴のひとつが、最大4人でのオンライン協力プレイだ。

ランダムマッチング機能も搭載されているため、フレンドがいなくても野良でプレイできる。実装当初からソロでも遊べる「ソロモード」も用意されており、まずは一人でじっくりシステムを把握することも可能だ。
マルチで遊ぶと何が起きるかというと……そう、「わちゃわちゃ」が加速する。

自分がせっかく建設したルートを仲間のナマコが横切って滞留させてしまったり、「よし、ここはお願いね!」と任せたエリアが全然処理されていなくて焦ったり。逆に阿吽の呼吸でナマコが連携して一気に汚染を除去できたときの達成感たるや。マッチごとに毎回違う展開が生まれるのが楽しい。
プレイヤーたちからは「マルチタスクの極み」という声も上がっているそうで、ハマる人はかなりハマるタイプのゲームだと思う。
汚れた海が再生されていく、その景色が好きだ
ゲームとして面白いのはもちろんなのだが、個人的に一番グッときたのは「除染が進むにつれて海が綺麗になっていく」その演出だ。

汚れた海底が除染されるたびにサンゴが芽吹き、光が差し込み、海の色が鮮やかに変わっていく。地味なようで、これが意外とじわじわと心に刺さる。ステージをクリアしたときの達成感は、単純なパズルを解いた爽快感とはちょっと違う、なんか……「海を救った感」みたいなものがある。
ナマコに愛着が湧いてくると、除染中に突然現れる「汚染ナマコ(ブライトナマコ)」に怒りを覚えたりもする。食料を腐らせ、せっかくきれいになった場所を元の汚染状態に戻してしまう敵キャラだ。こいつらを「ナマコ融合砲」で撃退したときの爽快感も格別。

正式リリースを機に、さらに進化したナマコリウム
本作はもともと2026年1月にSteamアーリーアクセスとして配信がスタートし、2026年5月18日に正式版がリリースされた。

アーリーアクセス期間を通じてプレイヤーの声を取り入れながら開発を進めてきた経緯があり、「もっとナマコが可愛い」「グッズが欲しい」という声からクラウドファンディングに挑戦したり、「ソロでも遊びたい」という要望に応えてソロモードを追加したりと、開発チームの誠実な姿勢が伝わってくる。
開発会社のPolyscapeは東京・港区を拠点とする日本のインディースタジオで、前作は3Dローグライトアクション『MISTROGUE』。NAMAKORIUMはその第2作目にあたる。小規模ながら真摯に開発に向き合っているチームの作品で、国産インディーの底力を感じさせる。
Steamのレビューは133件で93%と「非常に好評」を獲得しており、「こんなに可愛いのに本格RTS」という驚きの声が多く見られる。
基本情報
開発: Polyscape Inc.
販売: Polyscape Inc.
リリース日: 2026年5月18日(正式版)/ 2026年1月29日(アーリーアクセス)
価格: 1,500円(Steam)
プラットフォーム: PC(Windows)、Steam Deck(一部機能制限あり)
プレイ人数: 1〜4人(オンライン協力プレイ対応)
言語: 日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語 他8言語 ジャンル: RTS / 協力プレイ / シミュレーション / カジュアル Steam評価: 非常に好評(93% – 133件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/3866920/NAMAKORIUM/
公式リンク
X (Twitter): https://x.com/namakorium_jp


