巨大な歩行マシンを自分で建て、砂の惑星を漁る。”陸のSea of Thieves”な抽出シューター『SAND: Raiders of Sophie』は荒削りだが唯一無二だった
「巨大な歩行マシンを自分で組み立てて、それに乗って砂の惑星を旅する抽出シューター」——紹介文を読んだ時点で、正直かなり心を掴まれた。ところがSteamの評価を見ると賛否両論(57%・2,926件)。面白そうなのに、なぜここまで割れているのか。期待と不安を半分ずつ抱えて、砂まみれの惑星Sophieに降り立ってみた。
結論から言えば、これはアイデアだけで見れば唯一無二の傑作であり、同時に早期アクセスらしく荒削りな一本でもあった。その両面を正直に書いていきたい。

動く我が家「Trampler」を、自分の手で建てる
本作の心臓部が、Trampler(トランプラー) と呼ばれる巨大な歩行マシンだ。スチームパンクな脚付きの移動要塞で、これがプレイヤーの「動く家」になる。
面白いのは、このTramplerを自分で設計・建造できることだ。操縦室(ブリッジ)、機関を動かすジェネレーター、戦利品を積む倉庫、甲板に据える大砲……モジュールを一つずつ組み合わせ、重量・安定性・エネルギー効率・最高速度といったステータスとにらめっこしながら、自分だけの移動基地を仕上げていく。パーツごとにコストとHPが設定されており、「火力を盛るか、積載量を増やすか、機動力を取るか」で悩む時間そのものが楽しい。

この「乗り物がそのまま拠点」という設計が、本作の全体験を貫く背骨になっている。
砂の惑星を漁り、嵐が来る前に逃げ帰る——”陸のSea of Thieves”
ゲームの基本ループは、抽出(extraction)シューターの王道だ。Tramplerで砂の惑星に繰り出し、廃墟や集落、灯台のような拠点を漁って資源やお宝を集め、砂嵐がすべてを飲み込む前に脱出する。

ただし、惑星に居るのはAIの敵だけではない。同じようにお宝を狙う他の実プレイヤーも同じフィールドに存在する。彼らは取引相手になるかもしれないし、こちらのTramplerを丸ごと奪いにくる略奪者かもしれない。この「人間が一番怖い」緊張感は、まさに海の代わりに砂を舞台にした**”陸のSea of Thieves”**という評が的確だ。海外メディアもこぞってこの比較を持ち出している。
一面の砂漠を、巨大な歩行マシンがゆっくりと進んでいく。遠くに他プレイヤーのTramplerの黒煙が見えた時の、あの「気づかれる前に距離を取るか、仕掛けるか」という判断。ここに本作ならではの中毒性がある。

甲板の上の撃ち合いと、退廃的なスチームパンク
戦闘は一人称視点のシューティングだ。地上に降りて拳銃やショットガンで撃ち合うこともあれば、Tramplerの甲板に据えた大砲で、接近してくる敵マシンを迎え撃つこともある。自分の動く要塞を守りながら、相手の要塞を崩していく——この「拠点そのものが動いて戦う」感覚は、他のどの抽出シューターにもない。

そして特筆すべきが、その世界観だ。錆びた鉄と木材、レトロな意匠が同居する退廃的なスチームパンク。砂に半分埋もれた街、空に巨大なガス惑星が浮かぶ光景は、荒削りな部分を補って余りある美しさと哀愁がある。
気になる点も正直に——早期アクセスの現実
さて、ここが本作を語るうえで避けて通れないところだ。Steam評価が賛否両論(57%)に留まっているのには、はっきりした理由がある。

最大の不満点は、サーバーの不安定さだ。ロビーから突然蹴り出される、1時間かけて漁った戦利品を持ち帰る直前に切断される、進行状況が消える——といった報告が、リリース直後のレビュー欄に数多く並んでいる。抽出シューターは「持ち帰ってこそ」のジャンルなので、この手のトラブルはダメージが大きい。
もうひとつは、ソロプレイの厳しさだ。巨大なTramplerを一人で操縦し、防衛し、資源も集めるのは負担が大きく、「Sea of Thievesよりもソロには過酷」と評される。基本的には仲間と役割分担してこそ輝く設計で、一人で気軽に、という遊び方には向いていない。
ただ、救いはある。開発チームはプレイヤーの声を拾って精力的に修正を続けており、この荒削りさは「放置された粗さ」ではなく「これから磨かれていく途中の粗さ」だ。土台となるアイデアが強いだけに、安定性が改善されれば化ける可能性は十分にある。
早期アクセスとして、今買うべきか
『SAND: Raiders of Sophie』は、開発元Hologryph/TowerHausが手がけ、風変わりな企画を支援することで知られるtinyBuildが送り出す一本だ。2026年6月に早期アクセスでスタートし、PlayStation 5とXbox Series X|Sへの展開も後日予定されている。

だから、今の段階での結論はこうだ。「動く要塞を建てて砂の惑星を漁る」という体験に強く惹かれ、一緒に遊ぶ仲間がいて、そして早期アクセスの粗さに付き合う覚悟があるなら、今飛び込む価値は十分にある。 逆に、安定して完成された体験を求めるなら、サーバー周りが落ち着き、コンテンツが積み上がるのを待つのも賢い選択だ。
砂嵐の向こうに沈む巨大な惑星を眺めながら、自分だけのTramplerで次の遠征先を決める——この唯一無二の時間に価値を感じられるかどうかで、評価は大きく変わる。少なくとも筆者は、荒削りと知りつつ、また砂の惑星に戻りたくなっている。
基本情報
開発: Hologryph / TowerHaus
販売: tinyBuild
リリース日: 2026年6月22日(早期アクセス)
価格: 2,550円
プラットフォーム: PC(Steam)※PS5・Xbox Series X|Sは後日予定
プレイ人数: 1人/オンラインマルチプレイ(PvPvE)
言語: 日本語、英語ほか(全10言語対応)
ジャンル: アクション、アドベンチャー、抽出シューター、早期アクセス
Steam評価: 賛否両論(57% – 2,926件のレビュー)
購入リンク
Steam: https://store.steampowered.com/app/1431300/SAND_Raiders_of_Sophie/
- タイトル
- SAND: Raiders of Sophie
- 開発
- Hologryph / TowerHaus
- ジャンル
- アクション / アドベンチャー / シューティング / オンラインマルチプレイ / 早期アクセス
- 対応
- PC (Steam)
- 難易度
- 中級者向け
- Steam評価
- 賛否両論(57% – 2,926件のレビュー)
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